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インドで10日間瞑想修行した東大生は宙に浮くのか

2017.02.11

ジリリリリリリ。

けたたましい鈴の音が鳴る。窓の外はまだ暗い。

そして、一人のインド人が鈴を持って佇んでいた。

こんな感じ

ああ、今日も一日が始まる…。

朝4時から重い体を引きずって、僕は瞑想ホールに向かった。

こんな顔でした

インドで10日間の瞑想修行…。

ぶっちゃけると、めちゃくちゃきつかったです。

だって、スマホなど電子機器類はすべて取り上げられ、さらには言葉を発することも、人と目を合わせることも禁止されるんですから。

そもそも人生でそんな日を過ごしたことないかも。それを10日間やってきました。

じゃあ、なぜそんなことをしたのか。そこからお話を始めます。

僕が留学を始めたわけ

まず、僕の名前は下山明彦と言います。文科一類二年で、4月から1年間休学中。トビタテ留学JAPAN日本代表プログラムを利用してます。

受かり方含め、興味ある人いたら連絡ください!

フィリピンの出稼ぎ労働者が日本で困らないようビジネス日本語を教えたり、インドで市長や学校経営者、子供たち200人を集めて自分の志を描いてもらったりしてきました。

途上国と日本のちっちゃな架け橋になれたら、との思いからです。

一人だけ白いやつがいたら、僕です。

留学を決意したのはなぜなのか。もともと海外で自分を試したい、見つめたいという考えはありました。厳しい環境に自分を置き、可能性やポテンシャルを計りたいと。

ただ、直接的なきっかけは、いかにも10代の大学生っぽい?理由だったのです。それは…。

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失恋って人を成長させますよね(白目)

1年生の時、国際会議を東アジアの学生と開催するAFPLAという学生団体に入っていた僕。

Asian Future Political Leaders Associationの略なんです

外国人と何日も一緒にいるなんて初めての経験だったのですが、なぜかトントン拍子で中国人の彼女ができてしまったのです。お互い相手の母国語は話せないため、コミュニケーションは英語のみ。その中で、彼女は上海に帰ってしまい、遠距離恋愛が始まりました。

上海へ帰ってしまった彼女。。。

慣れない英語と超遠距離…。徐々に暗雲が立ち込めてくるなか、こんなメッセージが届きました。

“you deserve better person”

これ、どういう意味かわかりますか?

意味がわからない僕。かといって、友達に聞くような話でもなく、googleで調べる羽目に。

答えは、

「あなたにはもっといい人がいるよ」でした。

フラレてたんですね、はい。

ただ、もっと悲しいことに、拙い英語力ではどのように応えていいのかもわかりません。

そして結局、返事もgoogle頼みに…。

打ちひしがれる僕

あまりの滑稽さにその瞬間、「あっ、休学して海外に行くしかない」と思い立ったのです。

お父さん、お母さん、申し訳ありません。

きっかけはそんな話。でも、思いというのは確かにありました。途上国の人々と日本をつなぐことで、幸せが生まれるのではないかとの問題意識です。

そして、留学へ

セブでは先ほど書いたように日本語指導。

首都マニラや、レイテ島などにも足を運び、スラムの人々や、彼らを支援するNGOとふれ合いながら、フィリピンのリアルを感じ取ろうと努めました

(ここで食中毒になり入院します)。

海外に行く時は保険に入ろう

そして、いよいよインドへ。こどもたちに日本語を教えるという一番の目的に向かい、ベンガル湾に面したプリーという街に居を構えたのです。

しかし、なぜか僕の足は、プリーから500キロ離れたコルカタに。

「どうした、下山?」「迷走?」というお話ですが、それはこのため。

はい、瞑想です。

なんで瞑想なんだよ~って疑問を抱かれるでしょう。それは、極限まで自分を見つめたとき、何かをつかめるのではないかと思ったからです。

自分なりに頑張ってこの大学に入りました。いろんな夢を抱いて。多くの才能溢れる友人と協力しながらさまざまに活動したのですが、なぜか焦りも募り始めていたのです。

それはこんな感じでしょうか。

楽しい楽しい大学生活。授業に行く自由も行かない自由も、サークルに入る自由もバイトをする自由も。

いろんな自由に囲まれた生活は、思ったよりも早く終わる。

高校時代に夢見てきたことは半分ぐらい実現できて、半分ぐらいは諦めた。そしていつの間にか年が明けて、1年生はもう終わり。https://www.milive-plus.net/reviews/tobitate/

こんなにやりたいことがたくさんあるのに、こんなに楽しい時間なのに、決断しないといけないことは山積みで、時計の針は早く刻む。

どうすればいいんだろう。僕って誰なんだろう。

そんなとき、悲恋とともに海外留学を考え、その中で自分探しのメソッドとして瞑想を思いついたのです。

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瞑想、迷走。

さあ、瞑想のお話です。

コルカタの空港に着いたあと、ぼったくろうとするタクシードライバーとの論戦を乗り越え、瞑想センターに到着。いよいよ10日間の瞑想修行が始まりました。

ルールはごくごく簡単。

  • 喋らないこと
  • ものを書かないこと
  • 他の人と目を合わせないこと
  • 夜ご飯は抜き

そして朝の4時半から21時半までひたすら瞑想するのです。

正直、最初は甘く見ていました。睡眠時間は7時間くらいあるし、夜ご飯を食べないだけだし。「まあ、おいしいネタにはなるな」と。

まずは、契約書にサイン。「絶対にリタイアしない」との誓約書にサインする時点で、僕の危機管理センサーがかすかに作動。

「やばいんじゃない? ……まあ、大丈夫、大丈夫」

ホントはおののきながらも、そう言い含めようとする自分がそこにいました。

スマホやパスポート、本やペンもすべて預け、裸にされた気分で10日間がスタート。

寝泊まりは、同じく参加者のインド人との相部屋。国際交流の恰好の場ですが、なんせルール上、話すことも目を合わせることもできません。

そして登録だけだった初日を終え、眠りに就いたのもつかの間、朝の四時にけたたましい鈴の音でたたき起こされました。そう、冒頭の情景ですね。

鈴を鳴らしながらやってくるスタッフ。起きないでいると、ドアの前で鈴を鳴らし続け佇んでいます。

無表情で鈴を鳴らすインド人。思い浮かべてください。コレはある種の恐怖です。

こんな感じ

何とか重い体を引きずりホールへ行くと、50人ほどの参加者が。

ほとんどがインド人で、中には僕のような旅行者も。

終わった後に集合写真を撮りました!

一人一人の席が指定してあり、幸か不幸か、僕は指導をしてくださる方の真正面。

最初のお題は、呼吸に集中すること。

呼吸が鼻の中を通り、上唇に当たる感覚に対して、ただ集中し続けなさいと言われます。

(これは、ヴィパッサナー瞑想に取り組むためのウォーミングアップ的な瞑想法で「アーナーパーナー」といいます)

そしてそれを3日間やりなさい、と。

「えぇ…」。さっそく帰りたくなってきた僕であったことを白状します。

ただ、続けていると、確かに感覚が鋭敏になってくるのがわかります。

何も考えずに呼吸に集中する時間と、いろんなことを考えてしまう時間。

その二つを行き来して、だんだん何も考えていない時間を増やして、集中していく。

これが瞑想の第一歩なのかとの手応えを感じましたね。

しかしながら、体が半端なく痛い。そもそも正座を30分するだけでも足が痺れてしまう僕。瞑想中はほとんど下半身の感覚はありませんでした。

ちなみに、プログラムはこんな感じ。

  • 午前4時~4時30分:起床
  • 午前4時30分~6時30分:瞑想
  • 午前6時30分~8時:朝食
  • 午前8時~9時:グループ瞑想
  • 午前9時~11時:瞑想
  • 午前11時~13時:昼食と休憩
  • 午後1時~2時30分:瞑想
  • 午後2時30分~3時30分:グループ瞑想
  • 午後3時30分~5時:瞑想
  • 午後5時~6時:休憩
  • 午後6時~7時:グループ瞑想
  • 午後7時~8時30分:講話
  • 午後8時30分~9時:グループ瞑想
  • 午後9時~9時30分:就寝

次ページ:本当の瞑想はここから……

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下山明彦
はじめまして! 下山明彦です。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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