【法学って何が楽しいの?】中学生でも5分でわかる「法学」の話




LINEで送る
Pocket

法学って結局なにが楽しいのか

ここまでくると、なぜこんなことに楽しさを見出す人間が存在するのか、いよいよわからなくなります

「そもそも自分は生徒指導の先生になんてならない」「校則の文言とか過去の処分とか、興味の湧きようがない」と間髪入れずつっこみたくなる。

ご安心下さい。私を含め法学部生の大半も、「そもそも自分は弁護士になんてならない」「条文とか判例とか、興味の湧きようがない」という感覚を、実は何度も味わっています

つまり、皆さんの感覚は至極まっとうですし、同様に我々も最初から変わっているわけじゃありません。

じゃあ、どういうわけで、こんな法学に楽しさを見出す人が出てくるのか。

 

ではここらへんで、「校則」に代わる例に登場してもらいましょう

たとえば、あるとき映画を見て、それがとても面白かったとします。

映画館 イラスト

さて、その映画の中に、意味深な不思議な1シーンがありました。当然、「あのシーンはどういう意味があったんだろう」と疑問が湧く。調べてみると、ある著名な評論家がそのシーンの解釈を述べていて、あなたは「なるほどそうだったのか!」と納得する。

そのとき、何となく満ち足りた気分になりませんか。

「興味→疑問→理解」というプロセスを経るとき、人は楽しいという感情を抱きます。

 

では、逆につまらない映画を見た時は?

そもそもつまんないから1つ1つのシーンに興味も疑問も生じないでしょうし、仮に引っかかる部分があっても「まぁつまんないしどうでもいいや」となる。

そう、これこそまさに、多くの法学部1年生が陥ってしまう状況なのです

面白いとも思わない映画と、いやいや向き合い、権威ある先生に「映画の基本的な表現技法」だの「この映画の山田監督は黒猫をこんな場面で象徴的に使う」だの教え込まれる、そんな感じ。「興味→疑問」というプロセスが、そもそも生まれないのです。

しかし。

黒猫 イラスト

よく使われる表現技法や「山田監督の黒猫の使い方」をいやいや学んでいくうちに、山田監督の別のつまんなそうな映画を見て「ここはこういう技法だ」とか「このシーンは黒猫が出てくるからこういう意味だな」とわかるようになる。

あるいは「あれ?ここでは白猫が出てきたぞ。じゃあここはどういう意味が込められてるんだろう」と疑問が生じ、自分で調べようと思うかもしれない。

するとある評論家が「白猫はこういう意味だ」と言っていて、それを知り「なるほどなぁ」と納得したり、「いやそれは違う」と感じ自分なりに考えて答えらしきものに行きつく。なんとなく、満ち足りた気分になる。

そうした経験を繰り返すうちに、その監督の映画の魅力に気付いていき、気付かぬうちにどっぷりはまっていく…、なんてこと、ありえませんか?

私は最初、法学がわからなすぎて、退屈すぎて、もうどうしようかと散々悩みました。

そんな苦しい時間を経て、しかし、私は条文や判例という名の「つまらない映画」に、いつしか大きな興味と問題意識を持つようになりました。法学的な思考や知識が身につき始めるとともに、条文や判例が少しずつ色彩をもって見えるようになる、思えばなんとも不思議な感覚でした。

ただ残念ながらこの感覚は、言葉では伝わりません。だからこそぜひ皆様自身で、この「映画」をまずは見て頂きたいのです。

法律の裏側にあるドラマ

ただ、一つ言えることがあります。

条文や判例は、ただの「つまらない映画」ではないということです

それこそ、これがどこかの高校の「校則」なら、どれだけ研究してもつまらないままでしょう。一方、法律の条文や判例は、その時々の国会や裁判所が、社会の状況や人々の価値観、対象事件の当事者の利益等々、いろんなことを考え悩んで議論して送り出した、極めて深い「作品」です

とっつきにくいが、それだけ研究しがいがある。まさに「噛めば噛むほど味の出るスルメ」のようなものだと思います。

国会 イラスト

かつ、いうまでもなく国会や裁判所は、我々の生活を実は身近な見えないところで支えている統治システムです。

これらの産物を多角的に研究することで、自らの生きる社会について理解が深まり、社会の在り方や自分の市民としての生き方を考えるきっかけにもなるのです。

大げさに聞こえますか? でも、実際私はそう思っています。これこそ、私が法学を学び続けようと思う、原動力そのものです。


いかがでしたか?法学のイメージ、なんとなくつかめましたか?

憲法をめぐる政治問題や間近に迫った民法改正を背景に、いま、法学への関心がじわじわと高まっています。本屋にも一般向けの素晴らしい入門書がたくさん置いてあります。

もし今日の小旅行でイメージを少しでもつかめたなら、次はぜひそれらを手に取ってみてください。

そこにはきっと、思わず興味をひく「お化け」が、あなたを待っているはずです。



LINEで送る
Pocket

ABOUTこの記事をかいた人

東京大学法学部4年

この記事に感想を送る▼

メールアドレス (必須)

メッセージ