あけましておめでとうございます。
代表の村田です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、皆さんはこの三が日、いかがお過ごしだったでしょうか。
自分は実家に帰って、自室の本棚に眠っている面白そうな本をつまみ読みしたりしていました。母親と妹が元旦からHey!say!JUMPのライブに行ってしまい、暇だったのです。
今回はそのなかでも特におもしろかった本を読みUmeeTについて考えたことを書いて、新年のあいさつとしたいと思います。
この作品は、大学でロシア語教師や英語教師を務めていたこともある著者が、外国語について書いたエッセイをまとめたものです。
大学の語学教師といっても、異色の経歴の持ち主。
中学生からロシア語を学び始め、高校時代にはロシア語の専門学校に通う。大学もはじめは文学部史学科に入学したものの、どうしてもロシア語がやりたくなり、上智大学のロシア語科に転入。さらに大学院でもロシア語を学ぶために、今度は一度東大に学部入学した後、学部に在籍しつつ院試に合格。学生時代から通訳のバイトなどに明け暮れ、学んだことのある外国語はロシア語、英語、ウクライナ語、ベラルーシ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、セルビア語、チェコ語、ポーランド語、その他多数……。
エッセイの内容も、夏休みを使ってリトアニアにリトアニア語のサマースクールを受けに行ったとか、ウクライナ語とロシア語の語彙は共通するものが多いけど、「アイスクリーム」「靴」「床屋」などはロシア語とウクライナ語で違う単語だとか、昭和初期の露和辞典の挿絵がどうだとか、とにかくマニアックな内容が多い。にも関わらず、これが実に面白い。
僕自身は語学にも言語学にも全く興味がなく、むしろちょっと敬遠しているくらいなんですが、そんな人間でもあっという間に、楽しく読めてしまう。
ああ、UmeeTにもこんな面白いコラムをもっとたくさん増やしたいなあと思いました。
一体なぜ、こんなに面白いのだろう。考えているうちに気づきます。
それは、書いている人の性格とか人間性とか、そういう個性が文章ににじみ出ているからなんだ、と。
マニアックな話題だからこそ、それに魅力を感じている執筆者の人となりが文章に現れることで、はじめてふつうの人が読んでも面白いものになる。そう思いました。
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たまに「UmeeTが今まで記事を出し続けることができた一番の理由は何ですか」と聞かれることがあります。
もちろんメンバーそれぞれ考えることは違うと思いますが、僕は必ず「面白い人に興味をもってもらえる、魅力を感じてもらえる存在でいられたことだ」と答えています。
マニアックなこと、誰も気に留めないようなことに、自分のエネルギーや時間を注ぎ込んでいる。
そんな人は、やっぱりおもしろい人です。
そういう人たちに、魅力を感じてもらえるメディア、コミュニティでありつづけること。そしてそうやって出会った人たちに文章を書いてもらうことが、そのまま面白い記事につながる。
アカデミックなこと、マニアックなことなのに、楽しく読めてしまう。それは、書いている人自身のおもしろさが文章ににじみ出ているから。
団体を、メディアを続けていく上で大切なことはたくさんあるけれど、最後はやっぱり人を大事にする団体でありたいと、改めて年のはじめにそう思いました。
これからもおもしろい東大生、魅力的な東大生を惹きつける存在であり続けられるよう、メンバー一同頑張っていきますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(それにしても、黒田龍之助先生、ぜひ一度お会いしてみたいです。もしお知り合いの方がいましたら連絡いただけると大変うれしいです。よろしくお願いいたします。todaiumeet@gmail.com)