初めましてこんにちは。純ジャパながらPEAK4年の金子萌と申します。UmeeTで記事を書かせて頂くのは初めてで緊張しています。
私は今年の夏休みに、友達と2人で東南アジアをバックパックしてきました。
私はバックパックというものに以前から憧れがありましたが、都内女子校出身一人っ子ということもあり、大分過保護気味の親ハードルを越えることができず、諦めていました。
しかし!今回、タイの大学に1年間留学をしていたという強力な友達の助けを得、またここでは書ききれないくらい様々な契約を親と結ぶことで念願の! バックパック旅行を果たしました。(ちなみに心配性の親を安心させるためにこまめに連絡をとっていたら携帯代が優に4万円を超えました…笑えない)
今だからこそ言える話も沢山、そんな旅行記の一部を皆さんにもお届けできればと思います。
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行程はベトナムのホーチミンから入り、ハノイ、ラオスのルアンパバーン、ビエンチャンをまわりタイのチェンマイから帰りました。
ベトナムのバイクに何度も轢かれそうになったりとか、ラオス国境越えの27時間のバスってもはや夜行バスじゃないだろとか、ナイトマーケットで散財しすぎたせいでチェンマイでトゥクトゥクに乗れず15キロのバックパックを担ぎながら6km歩いたりとか、見知らぬラオス人と人生初バイク2人乗りで本気で死を覚悟したりとか、最後の最後にオーバーブッキングに遭って1時間半の交渉の末にビジネスクラスチケットを勝ち取り優雅に帰国したり、、、
エピソードは枚挙にいとまがないのですが、こちらではラオスでの体験に焦点を当てたいと思います。
街の美しさから、イギリスの旅行誌で人気の行き先1位にも選ばれている、ラオスの古都、ルアンパバーン。寺院も多く、日本でいう京都のような雰囲気を感じました。ベトナムのバイクの多さに辟易していた私達は、ルアンパバーンのゆったりとした空気がすっかり気に入ってしまい、滞在予定日数を伸ばすほどでした。フランスの植民地だったこともあり、街並みは美しく、騒々しくなく、 ご飯は美味しく、人々は人懐っこく、物価は安く、、、私の中で老後に移住したい町ランキング暫定1位になりました。
そんな天国のような場所、ルアンパバーンで私は象使いになりました。え?聞こえないって? もう一度言います、象使いです。
私も最初、一緒に行った友達に「ラオスでは象使いになることも予定してるよ!」とLINEで言われた時、へ? 象使いって何だそれwww冗談でしょwwwwwそれに象って臭いしあんま好きじゃないwwwwwwと思っていてスルーしていたため、ルアンパバーンに着くまで忘れていました。
しかし友達は「象使いになる!象使いになる!!」とハッスルしているので、半信半疑のままツアー 会社に行くと…
ありました! 象使い(mahout、マフーと言います)の資格が取れるツアーが沢山あったのです!!
本当にあるんだ! と驚く私をよそに、さっさと2人分申し込む友達。ここまで来て引き下がるわけにもいかない! と、覚悟を決める暇もありませんでした。
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ルアンパバーン市内から30分ほどバスにゆられてAll lao elephant campという所に着きました。 着くとすぐに象とご対面…!
予想より小さかったですが、迫力は満点でした。特に説明もなく、すぐに象に乗ることに。まずは2人で象の上の椅子に座りました。よくアラブの王様とかが家来従えながら乗ってるやつです(そんな豪華じゃないけど
この椅子を括り付けている一本のロープは先が輪っか状になっていて、それを象の尻尾に通して支えています。それだけです。尻尾に輪っかを通してるだけのロープで人2人を支えているんです。 輪っかがいつ尻尾から外れないか心配で仕方がありませんでした。
そんなロープに支えられている椅子に座っても高いやら落ちそうになるやらで安定しないのですが、 意外とすぐ慣れ、他の観光客と写真を撮り合いっこしたりしてました。
最初は椅子の上なんだね~なんて油断してたのも束の間、ラオス人の象使いの人から「お前、前に来て象の上に直接乗ってみろ」みたいなことを言われ、驚愕…!
恐る恐る象の頭に直接乗ってみると、痛い!!!
何がって、毛がです。象の毛は太い上に硬くて、触れるとチクチクするんです。
何も支えるものはなくて直接象につかまるしかないのですが、これが意外と安定する。慣れると、心もとないロープに頼るしかない椅子の上より、直接象に触れている安心感がありました。
象はぬかるみの中でも草むらの中でもへっちゃらで、おいおい、どこ行くんだ、というところにも突き進んでいくのですが、それすらも楽しめる余裕が出てくるようになりました。
親と約束したバックパックの条件の1つに、デング熱予防のため長袖長ズボンでいること、というのがあり、私は2週間毎日めちゃくちゃ暑い中長袖長ズボンを文字通り死守していたのですが、あまりの興奮にこの瞬間だけは上着を脱いでしまいました。
一時間半近く象ライドを楽しみ、午前中は終了。最後は乗っていた象に愛着がわきました。
乗せてもらった後は、お礼を言いながら象にえさをあげます。1日に60キロ近くの草を食べるそうです。細いものも鼻で器用に掴む技術はお見事、まるで手のようでした。
一休みした後は、訓練着に着替えていよいよmahoutの訓練です。屋外の教室のようなところへ行き、象を操るための象語の練習。小学校の教室のように、「PAI PAI(進め)」 「HAO HAO(止まれ)」などと大きな声で暗唱しました。
象語と言っても、殆どラオス語らしいのですが、「BOON BOON(水をかけろ)」だけは純粋な象語なのでラオス人に言っても通じないそうです(この時はまだこの言葉の恐ろしさを知る由もなかった…)
そしていよいよ、象使い見習いとして象に乗ります!
一回目は高いところから象に飛び移ったのですが、今回は地上から象に乗ります。いえ、登ります。象語のSONG(膝を曲げろ)を使い、曲げてもらった膝を踏み台のようにして、耳を掴んで登ります。
耳に一瞬私の全体重がかかるのが申し訳なくて仕方なかったですが、失敗するとその分何回も痛い思いをさせるので思い切ってえいやっと登りました。
耳は幸い千切れませんでしたが、断末魔のような象の心の叫びが聞こえたような気がしました…バックパック中に美味しいものを食べ過ぎたことをここまで後悔した瞬間はありませんでした。
それでもなんとか無事に登ると、ついに象を操ります。習った象語を駆使して華麗に象をコントロール…!はできません。全く言うことを聞いてくれません。命令しながら象の背中を蹴るのも、最初は遠慮してポンポン、という感じですが、馬じゃないけど馬耳東風、象耳東風、全く聞く耳持たずという感じだったのでしまいに思いっきり蹴っていました。
それでもほぼコントロール不能。心が折れかけます。象使い先輩のサポートを受けながら、目を離すとすぐに草むらの中に突進して草を食べ始める象を必死に道に引き戻します。
「水の中 森の中 土の中」進む様子は、お前ポ○モンかよと突っ込みたくなります。コントロールするというより何とかしがみついてると言った方が正しいような状況でした。
とは言ってもまあ緊張もそう長くは続かないので、小一時間も乗っていれば操縦はほぼ諦めて最後には空を眺める余裕なんかも出ていました。
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先ほどの後悔も一瞬で忘れて、美味しいお昼ご飯をお腹いっぱい食べた後も、また乗ります。3度目ともなればさすがに慣れ、余裕綽々で乗っていましたが、そんな時にそれは起こりました。
私を乗せてズンズン進んで行く象。その先にあるは川。
「え、、、まさか入らないよねここ?!」先ほど習った「BOON BOON」という言葉が脳裏をよぎります。
私の不安は的中し、象は川に入って行きました。
更にどんどん進み、ついには象全体がどっぷり浸かってしまいました。
当然、上に乗っている私達もびしょ濡れ、、、
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