皆さん、「理転」に対してどのようなイメージを持っていますか?
大変そう、ハードルが高い、意識高そう…などなど。このようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか??
実際理系の方が数学や物理、化学などの専門的な知識が必要になりますし、東大入試においても理転する人は文転する人に比べて本当に少ないですよね。
巷にはこんなツイートも溢れていますし…(文系=ウェイ、という発想は滅びろ)
そんな中でも、東大には進振り制度を利用して理転をする人が毎年沢山います。
進振り直前の今こそ、理転に悩む皆さんを助けたい。
広く進振り全体についてアンケートを取った前回に引き続いて、(↓こちらも是非!)
13403
今回は、実際に理転を経験した(する)東大生5人にアンケートを行いました。理転することになったけど不安でいっぱいのアナタ、理転を視野に入れているアナタ、きっと先輩達が悩みを解決してくれるはずです!!!!
今回アンケートに答えて頂いたのは
の5名です。そもそも彼らはどんなきっかけがあって理転を考え始めたのでしょうか?
Sさん:大学に入った段階からすでに理系に興味があり、1年の時に履修した工学部物理物理工学科主催の「物理をエンジニアリング」という総合科目が楽しかったから。
Iさん:最先端技術を研究していらっしゃるスペシャリストである教授のもとで学べ、また興味のある分野(環境政策)について深く学ぶことができるから。
皆さん「自分の学びたい内容がたまたま理系だったから。」という意見で一致していました。かの教養学部も標榜していますが、理系文系という区別は便宜的なものに過ぎません。学びたい! という欲望に従えば良いのです!!!
[広告]
「文系から医学部に行った」というような都市伝説(?)に代表されるように、「理転=天才の成せる仕業」というようなイメージは多くの人が抱いていると思います。また工学部や理学部には要求科目を設けている学部学科も多いです。(今年、大量の要求科目を課すことで有名な理学部数学科に文系からの内定者が出ましたね!!!)
そんな中で、実際に理転するのはどれくらい大変なのでしょうか?
Nさん:例年の底点を見ての通り、基本的に枠が小さいぶん振れ幅が大きくなります。例年たいして高くなかったのに、今年は優秀な人が志望してるからめっちゃ高い、ということもあり得ます。
Kさん:特に取らなければならない授業は私の場合ありませんでした。東京の都市計画という駒場で行われていた授業が、学科の勉強について知ることができてためになりました。
Sさん:進学先によるし私の進学先は高くないですが、全科類枠は少ないので似た学科で後から迷うためには点数は80点ぐらいあると良いと思います。また私の学科物理系なので数学と物理力学、電磁気学、振動波動、ベクトル解析などは取るべき。微積、線形代数なども自習よりは取るといいはずです。
理転の際に狙うのはほとんどが「全科類枠」。そのためどうしても年によって底点は大きく変動することが多いようです。とはいえ80点ほどあれば医学部などを除けば困ることはないそう。
…過酷な入試を通り抜けてきた東大生なら本気出せば80点くらい取れるでしょ。多分。
また要求科目については学科によっても差があります。物理、化学をメインに扱う学部なら理系の必修の内容を軽くは押さえておいたほうが良いようです。
理転に不安は付き物です。だって周囲は全員根っからの理系な訳ですから…。そこで実際に進学する際や進学後に感じた不安や悩みを聞いてみました。
Xさん:不安はありましたけど、入ってみれば意外と問題ないです。
Sさん:勿論あります。勉強はしているつもりだけどやはり勉強面の不安はありますし、知り合いもあまりいないのでシケプリその他情報網に対する不安もあります。
Nさん:結論から言うと全然大丈夫でした。数学はあまり使わないのですが、化学を使います。僕はモルが理解できなくてそこで知識が止まってたんですが、調べながらなんとかやっていけましたまた前期教養と違って学科の教員との距離が近く気軽に相談できるのも大きいです。もしついていけなくても、必修をなんとかこなして苦手な科目以外の授業を履修すれば学部を卒業すること自体は簡単です。
意外と、「学業面での不安は解消された」という回答がほとんどでした。
「それは彼らが天才なだけでしょ…」と思うかもしれませんが、前期教養に比べて学生と教員の距離が近いというのは大きいようです。特に理系の方がその傾向が顕著でしょうし。
[広告]
最後に、彼らをそこまでさせた「理系」ならではの魅力とは一体何なのでしょうか。理転した彼らにこそ、「理系にしかない何か」について一言いただきましょう。
Iさん:理転を強く勧めます。勉強したいと思ってる人なら勉強に集中する環境は整っています。また講演会なども充実していて日本を代表する企業のトップや行政の方と話す機会も多々あります。
Kさん:学科自体が文系でやる大教室授業と違って、少人数の授業なので、その道の第一人者である教員と一人ひとりの距離が近いです。本人が望めばより深い専門分野に関する体験や議論が行えることかなと思います。
Nさん:私の場合、理転をして心配していたことは全然大丈夫だったんですが、進振りはトータルで失敗しました。一番興味があったのは機械や情報系だったのに、ついていけるか不安で多少文系にも優しそうな都市工(環境)に進学したのです。あんまり考えすぎず、素直に面白そうと思ったところに行きなよって、今なら昔の私に言います。苦手なことをやるより、やりたくないことをやる方がよほどキツイです。皆さんは理系文系の枠にとらわれずに自分のやりたい事を信じて突き進んで下さい!
みなさん共通していたのは、結局のところ「理転したいと思うなら、するべき。割となんとかなる」ということでしょう。
進振りを直前に控え、決断を迫られている皆さん。理転する人に限らず、先輩方の声が少しでも後押しになればと思います。