「何があっても生き残る」 日本の生態系トップ?に君臨する東大生と虫を食べる

2016.09.14

アリサ

ブンブン、ハローUmeeT。こんにちは、アリサです。

「虫食べる面白い後輩がいるんだけど取材しない?」という友達の誘いに、「絶対面白い!つないで!」と秒で返事をした結果、悟りを得ることになった、今年の夏の思い出を綴ります。

なお、以下の写真には閲覧注意のものを含みますので、お気を付けください。

取材までのいきさつ

“「生き残ること」を目的に、食虫や狩猟、栽培を行っているスーパー東大生がいるらしい。”

絶対面白い。是非お話を伺いたい。早速彼と接触を図ります。

「取材させてください!!!」

返事はすぐ返ってきました。

「実食するかもですね」

え……。セミ、食べるの……?

いや、そんな軽いノリで食べていいもんなの?取材にポテチ用意しときますねみたいなノリでセミって食すものなの?

不安なのがばれてしまった。

「不安なら食べなくていい」なんて言われて、食べなかったら記者魂が廃る!

食べてやろうじゃないか!!!

……取材班のうちの誰かが!!!

基本UmeeTの取材はライター・カメラマンと、取材対象の話を聞きたいメンバー(いわゆる野次馬)何人かで行います。つまり、取材陣のうち、うら若い乙女であるわたしを除いた誰かが実食すればそれでOK!

というわけで、さっそく同行者を探すべく、UmeeTのグループに話を投げます。

しかし、誰からも反応がもらえない。

興味を示してくれた人も都合がつかず断念。カメラマンすら見つからない危機的状況。みんな忙しすぎやしませんか。そこに現れた救世主!

カメラ担当のかめちゃんが釣れました。かめちゃんセミ食べないのか、マッチョなのに……。

結局取材はわたしとカメラのかめちゃんの二人で行うことになります。

もしかしなくても、セミ食べることになるのかなぁなんて不安を抱きつつ、取材の日はすぐ訪れたのでした。

「自分がカマキリの役目を果たそうと思って」

そしてついに来たる取材の日。

場所は三鷹市にある某国際宿舎

指定された場所(ベンチ)に到着するも、肝心の食虫少年の姿が見当たりません。

あたりをキョロキョロ見渡してみると……?

誰かいる。

まさかあの人が例の食虫少年なのか……?他に人いないし。

え、なんか収穫してない?

はい。

こちらが、今回取材させていただく食虫少年サバイバーこと小林くんです。

学生証
  1. お名前:小林義信さん
  2. 所属:理科二類1年
  3. 最終目標:とにかく生き残ること
  4. 高校時代の陸上タイムベスト:800m 1分56秒37

編集(以下、編)「あの、何をされているんですか?」 

 小林くん(以下、小)「バッタとってるんです

  なぜ今バッタをとっている?

捕えたバッタをビニール袋にポイポイ入れていく小林くん
これは……手前の黄色い花は、キュウリ……?

雑草の生い茂る某国際宿舎の一角が開墾されていました。なぜこんなところに畑が?   

小「自分と友達で開墾しました。 自然栽培が理想で。雑草とかもそのままにして、キュウリも支柱なしで自然のまま、一切の手を加えずに育てているんです。 おかげでこんな風にバッタも増えて、より自然に近く、いい感じです」   

かっこいい……。鉄腕D○SHみたいだ……! 

小「ただ、まだ自然栽培としては不完全なんです。肉食のカマキリがいません。 だから、自分がバッタを捕食することでカマキリの役割を果たしているんです」  

 前言撤回。理解できない。

なぜカマキリになる必要があるんだ……

あと捕まえたそのバッタたち食べるんですね

 ツッコミが追いつきません。外でこんなに騒いでいても仕方ないので、きちんとお話を聞くべく屋内に移ります。いやー登場シーンから衝撃的だった。

「生き残る」

そもそも小林くんにとって食虫は、「生き残る」という最大の目標を達成する手段の一つにすぎないとのこと。

なぜそれほどまでに、生き残ることに強い意識を向けているのでしょうか。その意識の根底には、何か原体験があるのでしょうか。

小「特に原体験というものはないですね。小さいころから、自給自足に憧れていて。はじめは農作物の栽培から手を付けました。

中学生の時に本屋で新冒険手帳というのを見つけて、これはサバイバル術が書いてある本なんですが、小学生のころ読んだ漫画バージョンのものと内容がほぼ一緒だったんですね。それで興味がわき、実際に挑戦していました。木の枝を組み合わせたカマドを作ってみましたね」

小林くんの愛読書。図はカマドのページ

小「あとは、鳥やウサギの捌き方をひたすらに暗記していました」

なんて中学生だ……!

それにしても、捌き方を暗記しても実際に動物を捌く機会ってそんなに無いですよね。

小「東大のゼミでも、千葉の演習林でシカを捌けますよ

あった!捌く機会、身近にあった!

 食虫への目覚め

編「虫を食べるに至ったきっかけを教えてください」

小「高2のころ、スカパーでやっていたテレビ番組がきっかけです。

イギリスの元軍人がサバイバルを指導してくれる番組だったんですけど、彼が『殿様バッタはこう食べるんだ!』って言ってナイフでバッタの頭を切り落として生のまま食べてたんですね。『It tastes terrible!!』って」

そりゃ不味いわ!てかどんな番組だよ!

小「それをみて、『俺も食べなきゃ!』って義務感がわいてきて」

なんで!?何の義務感!?

「俺も食べなきゃ」って

小「次の日、校庭でバッタ捕まえてテレビの通りに頭を切り落して生で食べました」

驚きの行動力!!!

小「生で食べるとすごく苦くて、虫は生で食べちゃだめなんだって思いました。だから、雑草に逃げました」

「逃げ」……?ダメなの?普通のごはんじゃだめなの?

小「ただ、雑草の弱点として、早春じゃないと美味しく食べられないことが挙げられます。夏なんかはダメ(美味しく食べられない)じゃないですか。

その点、虫のほうが安全かつ大量に捕獲できるんですね。植物がなくても虫があればいい。夏は虫のハイシーズンなので」

観光地みたいに言わないでください。

夏は虫のハイシーズンなので

編「嫌いな虫はないんですか?ゴキブリとか」

小「特に思い浮かばないですね。一握りで殺せるような虫に人間がひえーってなっているのが滑稽でならないです。ゴキブリは、食べてみたいってむしろ憧れていました」

やばい……やばいぞ……目がマジだ……。

小「自分は注目を浴びたいとかはなくて。ただ食料としていろんなものを食べて生き残りたいだけです」

「虫食べてる俺SUGEEEE!」アピールのためにやっているわけでは決してないと。

ではここで突然ですが【小林くんに聞く!食べられる虫難易度分け~これはちょっとハードル高いかも~】を発表したいと思います。

・初級……セミ、バッタ

・中級……コオロギ、カイコ

(小林くんのコメント:カイコは糸も取れるし食べることもできるしで、余すところがなくてイイですね

・上級……タガメ

・超級……ゴキブリ

(小林くんのコメント:屋内のゴキブリはどんな菌を持っているかわからないので、食べるなら食用として養殖されたものにしましょう

食虫少年の理想

編「”こうありたい”という目標はありますか?」

小「例えば大災害が起こってライフラインが死に、物資が滞った時に、何の影響も受けずに生きていけるようになるのが目標です。

夏と秋はいけますね、虫がいるから。でも冬はだめです。狩りをしなければ食料が手に入りませんが、自分はまだ狩猟免許を取得していないので

狩猟免許……。

小「来週取りに行く予定です」

狩猟免許をとるための教材を見せてくれました

狩猟免許ってそんなにさっくりとれるものなんですか?わたし普通自動車免許ですらS字カーブで苦労したんですけど……。

小「狩猟免許は罠と網と銃猟で成り立っていて、罠と網は簡単なんです。でも、銃が難しくて。説明も詳しくて、すごいんですよ。

実際に銃猟をやるってなったときに教えてくれる人がいないので、師匠を募集しています。紹介してほしいです

読者様の中に、狩猟免許をお持ちの方はいらっしゃいませんかー!!

ぜひ小林くんの師匠になってあげてください。

でも例え免許を取得しても、東京だと狩猟は難しくないですか?

小「調布にイノシシを狩りに行きます

調布にイノシシいるんですか!?てか狩っちゃっていいんですか!?

小「イノシシなら銃を使わずとも罠で獲れますからね。基本、保護区間と狩猟期間っていうのがあるんですけど、害獣のイノシシとかはこれらに関係なく狩ることができるんです。茨城はイノシシ被害がすごいので、捕っていいよって」(注:小林くんは茨城県出身です)

震災によって瓦礫と化した街を背景に、イノシシを狩る小林くん。想像ついちゃうのが怖いなぁ……。

ちなみに、ご両親は食虫や狩猟について何ておっしゃってるんでしょう。

小「特には。『なに食べてるのー?』とか、『もしかして虫食べたー?』とか」

反応かっる!!!

次ページ:いよいよ例のアレを実食しちゃいます。編集部の運命やいかに!?

この記事を書いた人
アリサ
はじめまして! アリサです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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