まだまだ明けない梅雨の季節(ギリギリセーフ…?)。雨の日が続くと家に籠りがちになりますが、
ただダラダラとTwitterのタイムラインが流れていくのを眺める
だけで終わっている方はいませんか?実はこういうときこそ、映画や小説、音楽を身体の中に吸収するチャンスなんです。「晴耕雨読」という言葉がありますが、外に太陽が出ていなければ、部 屋で教養の畑を耕しましょう。
……という訳で今回はそんな梅雨の時期におすすめな映画や小説について、東大生にアンケートした結果をまとめました(お答えいただいた皆さんありがとうございました!!!)。有名作からちょっとディープな作品まで、最後までお楽しみください。
まずは洋画からです。コメディからシリアス系、ミュージカルまで幅広くおすすめの映画が集まりました。
『ミッドナイト・イン・パリ』
「突然1920年代のパリに迷い込んでしまった売れない小説家ギル。彼はそこでフィッツジェラルド夫妻、ジャン・コクトー、ヘミングウェイ、そしてピカソの愛人アドリアナと出逢う・・・。”観客”が思いっきり”観光客”になって雨模様が美しいパリの街を楽しめる作品。梅雨だからこそ観たいロマンチックな映画です」(文学部3年)
早速僕も大好きな映画がきました。ちょっと説教臭くなりそうなテーマを独特のウィットとロマンチックな雰囲気で包み込み、エンターテイメントに昇華させてしまえるのはまさにウディ・アレンならではですね。
『きっと、星のせいじゃない』
「癌患者のふたりの恋愛について書いた作品です。恋愛っていいなと自然に思えます。見終わったときには涙が止まりません。オーガスタスが弱音をはくシーンが一番心に残っています」(文科一類1年)
『ショーシャンクの空に』
「雨と聞いてまず思い浮かんだ。獄中ではない環境でも参考にできそうな、アンディの生きようとする姿勢」(工学部3年)
「超名作映画で、私にとって最も雨のシーンが心に刺さった映画です。エリート銀行マンの主人公が冤罪で服役させられ非常に凄惨な生活に追い込まれるのですが、自らの能力を活かして牢の中で活動をしていく描写がとても面白い映画です。加えて主人公が屋根修理をしているシーンのビールがやたら美味しそうなのもポイントです」(工学部4年)
「名作映画」というと必ず名前があがると言っていいほど超有名作ですね。僕は小学生のときに、ミスチルの歌詞にこの映画のタイトルが出てきたことでその存在を初めて知りました。
『きっと、うまくいく』
「3バカが最高です。笑いあり、涙ありの作品で、音楽もとても良いです。点数をきにしがちな東大生にこそ見て欲しい作品です」(文科一類1年)
『私の中のあなた』
「受験終わった日に見て号泣しました。1人で見るべし」(文科一類1年)
『雨に唄えば』
「サイレント映画全盛期、ドル箱スターのドンとリナはカップルだと騒がれていた。しかし実際はリナの一方的な片思い。やがてハリウッドはトーキー映画がブームになり、ドンは駆け出しの女優キャシーと出会う……。雨の中でドンが踊る軽やかなタップダンスは最高!憂鬱な梅雨を一気に明るくしてくれるミュージカル映画です」(文学部3年)
“Singing In The Rain”という名曲を映画の中で聴きたいという想いだけで僕もこの映画を観ましたが、内容的にも結構面白かったです。”Singing In The Rain”は『時計じかけのオレンジ』での使用も非常に効果的なので気になった方はそちらもチェックしてみてください。
続いて邦画からも、いくつかおすすめ作品が集まりました。
『いま、会いにゆきます』
「とにかく泣ける名作。愛と死について考えさせられます。竹内結子の演技も最高です」(編集長)
『となりのトトロ』
「言わずと知れた宮崎駿監督の作品ですが、雨のシーンが印象的なのであげてみました。大きな葉っぱを傘にするのは誰もが一度はやってみようと思うし憧れます。トトロや、めい、さつきの愛くるしさに加え、時代背景をふまえた家族愛が描かれている作品だと思うので、今もう一度観てみたい映画です」(工学部4年)
毎年夏になると金曜ロードショーで放送されるイメージですが、今年もあるのかな。小さい子供の頃は大好きで、中高生くらいで一回「トトロなんて……」というマインドになり、今は一周まわって「やっぱってトトロいいな……」となってくる頃ですよね。
『スカイ・クロラ』
「押井守監督作品で原作は森博嗣の公開当初話題になっていたアニメ作品。見終わった後決してすっきりするような映画とは言い難く好き嫌いが分かれるとは思う映画だけれど、やりきれなさやどうしようもなさを感じながら自分の人生をふと考えたくなる作品と思っています。静かな部屋でもう一度観たい映画です」(工学部4年)
『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』
「日本人の心。一本は観ておきたい。タイトルに傘と入っているものを選んだ」(文学部3年)
「寅さんなんて面白いの……?」と思っているそこのあなた、侮るなかれ。毎回必ず同じストーリー展開、寅さんの笑顔、古典的すぎて逆に笑ってしまうギャグ、オープニングの唄……そのすべてが観る者を安心感で包み込むのです。そして何といっても監督山田洋二はなんと東大法学部出身。日本人なのに寅さんを一作も観ていないのは実にもったいない!!
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