そんなことを言ってる東大の留学生がいるという話を聞いて、「こんな松岡修造みたいなアツそうな人にインタビューしてみたい!」と、人生初・インタビュアーの仕事に手を挙げたワタシ。
上から無事”OK”をもらい、期待に胸を膨らませながらインタビュー会場へ・・・!
そして、そこにいたのは・・・
めっちゃ優しそう!!!
こんな人が「東大の閉塞感を打ち破ってやる!!ゴラァ(゚Д゚)」なんて言う姿、想像できないけど、インタビューの中でその内に秘めた熱血さを引き出したい!!
そんな使命感を胸に抱きながら、私の初・インタビュアー体験はスタート。果たして、彼女はどんな人なのでしょうか?
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さて、よろしくお願いします!
お願いします笑
いきなりですが、「東大の閉塞感を打ち破る!」ってどういうことなんですか??
(どんなアツイ答えが返ってくるのかな??ドキドキ!)
(あれっ、なんか想像してたのと雰囲気違う。予想と違う展開。俺、大丈夫かな・・・)
ただ、日々、過ごす中でなんとなく「閉塞感、あるな~」って感じることはよくあって、
その度になんとなく、「閉塞感、なくしたいな~」って、思ってはいました。
ほうほう。じゃあ、その「東大の閉塞感」って具体的に何なんですか??
私が感じたのは、まず、東大では周りの人が何をやっているのか分かりにくいし、そもそもいろんな情報があまり入ってこない、っていうことかな。
留学生友達から、「せっかく日本に来たのに、日本人の友達できなくて英語ばっかり話しちゃってる!」ってよく聞くし、留学プログラムってPEAKとかU-STEPとか色々な種類があるんですけど、その留学生同士の間でも、ちょっとプログラムが違うだけで、お互いに接する機会が全然ないんです。
やっぱり、純粋に、今まで知らなかったものを知るって、楽しいじゃないですか。何か新しいものが生まれるかもしれないし、可能性がすごく広がるなーって思うんです。
(「知らなかったことを知る」かあ。確かに、心躍る気持ちもわかるかも。というか、留学プログラムがいろいろあるなんて知らなかった!)
留学生同士や、留学生と日本人学生の間に壁があるってことは、東大では、留学生が変に特別扱いされてたりするんですか?
まあ、留学生みたいなマイノリティが特別扱いされること自体は、どこに行ってもあることだとは思いますし、東大でも特別扱いはあると思います。
昔、私が入学したころの総長が「駒場に留学生用の寮を作って、そこだけを”英語の地域”にして日本人学生の英語の学習を推進しよう!」っていう提案をしたことがあったけど、それはなんか国際化とは違いますよね笑
留学生は英語じゃなくて、日本語をもっと話して勉強したいわけで。
そりゃ、そうですよね。じゃあ、逆に、香港では外国人の扱いは、どんな感じだったんですか?
そうですね、香港では、外国人も現地人も、もっと混ざってました。例えば、私が昔住んでいたアパートでは、一階にショッピングモールがあったんだけど、そこでは外国人の店員さんが結構いて、彼ら、広東語で話しかけても答えられないんです笑
そういう時には、
って切り替えないと、注文すらできない笑
もし同じことが日本で起きたら、たいていの日本人は
ってパニックになると思うんです。
やっぱり、英語の経験値がどれほどあるかで、留学生に対する扱いも変わってくるなーって思いますね。
(買い物のために英語を話すって、すごい環境!いや、それとも日本が国際色なさ過ぎてヤバいのか?)
経験値、ですか。東大でも、英語が苦手な人は「英語を話すのも嫌だし、留学生となんて話せねえわ!」って言って経験すらしようとしない人が時々いますよね。
そうですね、もちろん留学生と話すときに、英語が完璧じゃなきゃいけないわけじゃないし、留学生も日本語を勉強してて、ちょっとは日本語が分かるわけだから、
って思いますね。
※ちなみに、ここまで会話はすべて日本語です。そして、これから先もずっと日本語です。オリビアさん、日本語超うまい、というか、留学生と思えないくらい流暢でした。
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中川さん「そもそもさ、オリビアはコミュニケーションマンだから、言語を超えて心で会話してるよね。落ち着いてるし、慎重だし。あと、オリビアと話すのが楽しいし、日本に溶け込んでる感がすごい。そういうのって、日本語が超上手なのもそうなんだけど、それ以上に、人を受け入れる広い心があるからなのかなって思うんだけど。」
ん?心で、会話・・・?
うーん、なんだろう、たぶん、私は多くの日本人が思う「ザ・外人」じゃないんだと思います。六本木のクラブにはいかないし、そもそもお酒飲めないし。
昔から、日本のアニメが好きだったんだけど、でも、それとは対照的に、香港の文化が嫌だったんです。なんか殺伐として、生き急いでいて。
香港では、「人に優しくすると、損をする」って言われてるんです。でも、人に優しくしたいじゃないですか。
それは、もちろんそうですね。
別にそれが原因で香港から逃げてきた!ってわけじゃないんですが、
私にとって、「日本」は人生の芯なんです。
うまく言えないですね。永遠に日本人にはなれないけど、それでも「日本人みたいになる」っていうのを大事にしてるんです。特に、日本に来てからは日本の国民性や、文化がとても自分に合ってることに気づいたんです。
永遠になれない・・・んですか?
日本人の血が入っていないから。きっと、日本に何年住んでても「あいつ、外人だから」って言われると思います。これは、どこに住んでても同じですけどね。「自分の国」がないんです。
・・・それってつらくないですか・・・?
うーん、いや、慣れました!共通の趣味を持つ友達を作っちゃえば、外人とか日本人とか気にならなくなるし!あと、何よりもやっぱり日本は自分に合っていて、住みやすいんです!
(なんか、言葉一つ一つが深い。考えさせられるな。)
中川さん「芯かあ。オリビアには、芯となるような憧れの人とかって、いるの?」
え?!?!(このとき、私は堂本剛さんを知りませんでした。ゴメンナサイ)どういうところに魅かれたんですか?
剛くんの歌詞かな。
広東語や英語って、何かを言い切っちゃうところがあるけど、日本語では言い切らない「曖昧の美」があるんですよね。それが彼の歌からすごくよく分かるんです。
やっぱりそう考えると、留学のきっかけとなったのは、剛くんの存在が大きいですね。
日本に来る前には、はっきりと「曖昧の美」なんて感じてなかったんですけど、日本に来てからはよく分かるようになってきました。
例えば、日本人の「本音と建前の使い分け」とか。
これ、嫌いな外国人多いけど、私は「曖昧」なほうが居心地がいいから、ますます日本文化に魅かれた、って感じですね!
(日本文化への愛が超深い!そしてアツい!こんなところでアツさを見ることができるとは!!それにしても、「つよしくん」・・・ですか。オリビアさん、オタク・・・なのかな?)
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剛くんへの憧れ(?)は、東大や日本の閉塞感にも勝つんですね笑。初めの質問に戻っちゃいますが、オリビアさんは閉塞感を打ち破ろうとすることはないんですか?
閉塞感って、東大の中はもちろん東大と社会の間にもありますよね。あと、東大生は神!みたいな風潮も。
そういう閉塞感や風潮は嫌だし、変えたいです。
でも、私は全然過激じゃないし、そんなに大きなことは考えてないんです。
ただ、身近なところから変えていきたいなって思うんです。
自分のできる範囲から、変えていきたいなーって。
東大生じゃない周りの人とか、世代が違う人とたくさん話をして、
って思います。TEDxもそういう機会を与えてくれる団体だし。
要は、めんどくさがりで、平和に生きたいっていうことなんですけどね笑
(「めんどくさがり」とかって、謙遜してるけど、自分の中にしっかりとした芯を持っていながら、ゆるっとふわっと周囲から意識改革をしていく・・・。こんな人、初めて見た。)
最後に、一言、何か伝えたいメッセージはありますか??
うーん、あ!
ってことかな!
(さすが、まとめもブレずに「ふわっと」着地!オリビアさん、確かにウェイって感じは全然ないですもんね。)
今回は、取材前に僕が心の中で持っていた固定観念がすべて崩れ去ったインタビューでした。
「オリビアさんは超熱血で、留学生だからテンション超高くて・・・。」みたいな、オリビアさんの人物像が、インタビュー前から勝手に心の中に出来上がっていて、私は「それに沿って記事をかこーっと。」なーんて勝手に思ってました。
今から考えると、これって、もはや理想的ともいえる「固定観念の塊」ですよ!
この固定観念というベールのせいで、その人の人間性や中身が見えなかったりしますし、もしかしたら、日常にあふれているちょっとした「固定観念」も「閉塞感」を生む一つの要因なのかも、
と自分自身でも猛省中ですM(_ _)M
ちなみに、インタビュー中に登場したお二人が所属する「TEDx」というのはTEDxUTokyoの運営をする(協賛金を募ったりするそうなので、かなり本格的な)サークルです。
興味があれば、ぜひとも下記のサイトをご覧ください。
↓詳細はこちらをクリック↓
また、日経のCollege Café にオリビアさん自身が書かれた記事もあります。
↓詳細はこちらへ↓