台風発電で世界を変える起業家、チャレナジーCEO・清水敦史さん「教科書を書き変えるという未来が、僕にはある」【TOKYO STARTUP GATEWAY】




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発明とは思いつくものじゃない

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2014年10月に会社設立、同10月にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のベンチャー支援制度を利用して、助成金を獲得。

しかし、順風満帆かのように見えた2014年12月、思わぬ落とし穴が待っていた。

 

専門家に頼んでコンピューターシュミレーションをしてもらったところ、なんと清水さんの技術では発電効率が1%以下しかないことが発覚したのだ

従来のプロペラ型発電機の発電効率は約40%。本人曰く、1%以下は「ただの板っきれを置いといたほうがマシなレベル」

それもそのはず、マグナス風力発電機は、これまで世界中の誰もが実用化に成功していない、通称「回らない風車」

「新しいアイデア」というよりは「誰もが思い付きはするが、実際にやろうとは思わないアイデア」なのだ。

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7月のNEDOの審査会までに発電効率を上げられなかったら、助成金は打ち切り。今までやってきたことがすべて水の泡になる。

「そこからは毎日試行錯誤の日々。発電機の円筒翼に段ボールや網戸を巻き付けたり、とにかく思いついたことを試しまくった。今思えばかなりバカみたいだけど、当時は真剣だった

それでも、審査会まで1ヶ月に迫った6月時点で、発電効率はまだ少しは改善したものの、まだ1%以下。ほぼ何も変わっていないに等しい。

 

しかしある日、状況を打開するヒントは実は一番近くにあったと知る。

「風の流れを体感しようと思って、発電機をぺたぺた触ってたら、発電効率が跳ね上がる瞬間があった。詳しくは言えないけど、その瞬間に起きたことを突き詰めたらエネルギー変換効率が30%まで上昇した。神が下りてきたと思ったね。流体力学の教科書を書き換えるような発見に必要だったのは、計算式じゃなくて自分の右手だったんだ

 

発明とは頭で思いつくものではなく、手で見つけるもの。

その愚直さは、電球のフィラメントを作る際、6000種類もの材料を試したというエジソンの逸話に重なる。

 

「『天才とは1%のひらめきと99%の努力』とエジソンは言ったけど、僕の場合99%の努力が1%のひらめきを生んだ。天才的なひらめきがないと、発明ができないなんてことはないと思う」

挑戦し続けるための二つの言葉

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沖縄のテストフィールド

無事、助成金打ち切りの危機を回避した清水さんだが、「本当の勝負は今年の夏だ」と語る。

「今年の夏に沖縄で、初めて屋外での実験を行う予定。台風が来て、従来のプロペラ型風車が停止してる中、うちのマグナス風力発電機だけが回り続けている構図を見せられれば、台風発電実現に向けて大きなアピールになる。逆にうちの発電機が台風で吹っ飛んだら、会社も吹っ飛ぶことになるけどね(笑)」

当面の目標は東京オリンピックまでに垂直軸型マグナス風力発電機を実用化すること。新国立競技場に設置するという野望もあるらしい。

 

「これから先も困難が待ち受けてると思うけど、自分にはこれまでいくつもの修羅場を乗り越えてきたという自信がある。だから、どんなことがあっても乗り越えられるはず」

その失敗しても挑戦し続けるバイタリティーはどこからくるのか。

清水さんがいつも自分の心の支えにしているという、二つの言葉を教えてもらった。

 

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」 ジュール・ヴェルヌ

「事を成就するためには、志があり、忍耐があり、勇気があり、失敗があり、その後に、成就がある」 田中久重(東芝の創業者)

誰もが実現不可能と決めつけていた技術に人生を賭け、平均年収日本一の企業に入社しながらそれを捨てる勇気があり、絶望的な状況下でも挑戦し続ける。

まさに上の言葉通りに生きる清水さんには、必ず成就があるに違いない。

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今年の夏の実験、成功してほしい…!!

→次ページ、清水さんにとっての「やりがい」と世界を変える方法

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田中マルクス

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