突然ですが,駒場生協書籍部のもっと奥,
階段を降りたところにあるこの建物のことをご存知でしょうか?
んー無骨,一見実験棟か豆腐工場のようですね?
四角くて白い...いえ,なんでもありません(汗)
『この怪しげな建物の正体を駒場生の皆さんに知ってもらう!』
それが,今回ご紹介させていただく駒場演劇祭の最終目標と言ってよいでしょう,たぶん。
申し遅れました! 駒場演劇祭代表のタクティーと申します。
昔から舞台芸術が好きで東大入学後は,演劇サークルTheatre MERCURYに入団,今は引退し劇団遊馬などで活動中。主に音響を担当,たまに役者で出演しています!
筆者が某K塾にて浪人生活を始めた数年前の春のこと,浪人仲間と五月祭を巡ることに。めでたく合格し牛串屋やタピオカジュースの販売に精を出してる東大生たちをかわしつつ,有名なレゴ部はじめ展示系を一通り見て回りました。友人と分かれ,そのころから演劇好きだった僕は、そろそろお目当ての演劇でも観ようとパンフレットをパラパラ...
「んっ?」
ダンス,マジック,お笑い,室内楽etc. と文化系サークルのパフォーマンスが目白押しの中,
「演劇が,載ってないじゃない…」
日本で最大級の学園祭で演劇公演をやっていない。
東大って演劇活動ないんかーい。けっこうショッキングな出来事( ̄□ ̄;)
早くも受験勉強へのモチベーションが削がれたのでした。
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でもまあ,杞憂でした。個性豊かな学生で溢れかえるこの大学で,承認欲求を満たす表現活動の代表格である演劇(ほんとか?)をやってないわけがない。むしろ他の多くの大学に比べると活発。その答えが先述の豆腐工場にあります。
工場の中を覗いてみましょう!
どど〜ん
からっぽです。どうやら工場ではなかったみたい(しつこい)。
16メートル四方,高さ7メートルくらい,黒い壁の空間が広がっています。
この建物,正式名称は多目的ホール,人呼んで『駒場小空間(こましょう)』
劇作家の野田秀樹らがかつて活動した「駒場小劇場」が前身で代替として1998年に誕生した施設なのです。(もうすぐ築20年,最近ホームページが新設されました!)
御託はさておき,公演に際してはこのまっさらな空間に舞台と客席を組み,装飾を施していきます。
実際に見てみましょう!
ジャーン!!
これは昨年度冬,東京大学ESSドラマセクションによって上演された英語劇「オペラ座の怪人」の舞台写真!あの殺風景なホールに突如豪華絢爛な舞台が現れました。なんとお手製のシャンデリアまで吊ってあるじゃないですか!?(゚〇゚;)
しかし驚くのはまだ早い!写真上方に舞台を照らす灯体があるのがお分かりになるだろうか?なんとこの公演,シャンデリアや壁のろうそく照明に加え,約130台近くの灯体を使用しているのです。
「そんなに使ってどうするんでしょうね?」
そう思ったあなたにこれも見て欲しい!
でで〜ん!!
なんということでしょう,同じ舞台が一瞬で別世界になったではないか。濃淡や舞台とのバランスにも注目していただきたい!美しいの一言。
ついでにもういっちょ
どかーん!!(←うるさい)
ついつい雰囲気にのまれてしまいそうですね。そう,駒場の片隅には知らぬ間に異世界が出現していた。
さらには音響や映像による演出が加わり,役者が演技をします。
演劇はいわば総合芸術!
ホールには本格的な公演を行うために必要な設備が充実しています。
東大の演劇活動はこの駒小を拠点として行われているのです。
駒小では現在,年間20回を越える演劇公演と,音楽・ダンス系サークルによる多くのライブも行われていますし,駒場祭期間中も文三劇場企画の会場となっています。
しかし残念なことに,数々の大規模な公演が行われているにも関わらず,その知名度は高いとは言えません。駒場小空間に足を運ぶことのないまま,駒場演劇を観ることのないまま卒業してしまう東大生がたくさんいるのが現状です。
その原因は作品のクオリティや観に来る側の演劇に対する関心のなさといったことよりも,むしろ公演する側の「観に来てもらうための努力が足りていない」のではないかと思います。現に,前述の五月祭のような一般の方に観ていただける格好のタイミングで名乗りをあげる劇団がほとんどありません(いろいろ事情もあるのですが…)。
とはいえ,集中している時期には月に4,5回の演劇公演が行われているのです。いってみれば毎週文化祭みたいなものなのですから
「いっそお祭りにして,駒場演劇をより多くの方に知ってもらおう!」
という思いから駒場演劇祭は始動しました。
昨年第1回は4団体で総動員数2512名。
第2回を迎える今年は新たに3団体を迎え総勢7団体で開催中です!
公演の詳細は,ぜひ駒場演劇祭のホームページをチェックしてみてください。
駒場演劇祭公式ツイッターでも最新の情報をお知らせしています!
これが駒場演劇だ!
次のページでは魅力あふれる、これまでの公演の様子をお伝えします。