【ほこたて対決】「絶対に投票に行きたくない東大生」VS「絶対に若者を投票に行かせたいお笑い芸人、たかまつなな」【18歳選挙権】

2016.06.04
田中マルクス

今年の夏に行われる参院選から、ついに「18歳選挙権」が施行されます。

つまり、大学生全員に、なんなら高校生にも選挙権があるってことです。すごいですね。

でも、ぶっちゃけ投票行きたくなくない?

僕なんてちょうど今年20歳になったので、18歳選挙権のお得感まったくないし、そこもなんかムカつく。

あとなんでせっかくの休日に、あんまり知らないおっさんの名前を書くためだけに、遠くの投票所まで行かなきゃいけないの?それ、なんの苦行?

そんなことするくらいなら、家でスプラトゥーンしてたほうがよくない?

「投票率がー」とか「若者の政治離れがー」とか言われても、行きたくないものは行きたくない。

投票するメリットが感じられないし、別に投票しなくても捕まらないし。

投票に行きたくないという熱い思いは絶対に誰にも負けない自信がある。

こんな感じで、政治についての関心ほぼゼロ(というかマイナス)の僕ですが、

「あのお笑い芸人のたかまつななが、18才選挙権を機に、若者と政治の距離を縮めるための会社を設立したらしい」

という噂を聞きつけたので、先ほどの熱い思いをぶつけてみることにしました。

こうして、「絶対に投票に行きたくない東大生」VS「若者を絶対に投票に行かせたいお笑い芸人」のほこたて対決が幕を開けたのです。

「今年、初選挙」っていう大学生!政治とかマジで無理~、っていう人!僕同様に投票なんて行きたくないっていうあなた!

この勝負の行方を見守ってください!

ラウンド1 僕の一票なんてあってもなくても一緒じゃないの

学生証
  1. お名前:たかまつななさん
  2. 所属:東京大学大学院 学際情報学府教育部(慶応大学大学院政策メディア研究科でもあります)
  3. 進路:若者と政治の距離を縮めるために、株式会社笑下村塾を設立

たかまつさん、今日はよろしくお願いします。突然ですが、投票に行きたくないです。

「本当に突然ですね…。私は投票に行かない人はバカだと思います

うおっ!いきなり怒られた。まあ、でも「東大の入試に公民は必要ない」とか言って、高校の公民の授業中ずっと爆睡してたからバカといわれてもしょうがないか…。

選挙に行った方がいいってのはわかるんですが、僕のたかが1票でなにも変わらなくね?だったら行かなくてよくね?って思っちゃうんですよね。

「1票を笑うものは1票に泣きますよ。例えばこの写真、なにをしてると思いますか?」

http://www.nishinippon.co.jp/feature/photo/show/100446より

スーツ着たおっさんが二人が深刻そうな顔して並んでますね。うーん、葬式ですか?

「大喜利じゃないです。あと、まったくおもしろくないです」

さすがプロの芸人、笑いに厳しい。

「実はこれ、2015年の熊本市議選なんですが、この二人の得票が同数だったので、くじ引きで当選者を決めてるんです

くじ引きって学級委員かよ…。熊本市ってかなり大きい自治体なのに、こんなことってあるんだ…。しかも最近だし。

「どうですか?1票って大事でしょう?」

いや、こんなレアケースを引き合いに出されてもなあ…。東京では起きないと思いますし。

あと、選挙って個人戦じゃなくて、団体戦だと思うんですよ

選挙は団体戦…?投票って一人でするものでしょ?

「選挙の後、地区別・年齢別・性別に投票した人数が算出されますよね」

ニュースとかでよく見るやつですね。

「これで若者の投票率が低かったら、政治家はどう思うでしょう。投票に行かない層なんて、政治家からすると存在しないのと一緒です。存在しない人のために政策を作ろう、とか思いますか?

思わないですね。別に若者がどう投票しようが自分の当落に関係ないし。

「そうですよね。逆に投票率の高い高齢者層は無視できない。高齢者向けの政策が通りやすくなるのは当たり前ですよね。若者は高齢者と比べて一人当たり1億2000万円損しているともいわれています

©笑下村塾

そんなに!知らなかった…。でもそれって自分の保身しか考えない政治家が悪いのでは?

政治家はただ合理的な判断をしてるだけじゃないですか。悪いのは投票しない若者ですよ

自分が投票した候補が当選しなかったら意味がない、とかじゃなくて、若者がちゃんと存在するよってことを主張するだけでも、投票する意味があるんですね。

自分の1票が「若者」とか「大学生」とか自分の所属する集団全体の地位とか発言権に関わる、って考えたらあってもなくても一緒ってことはなさそうです。

でも、ぶっちゃけまだスプラトゥーンの誘惑に勝てないですね…もっと頑張ってもらわないと…

ラウンド2 そもそも投票したい政党・候補者が見つからないんだけど?

投票しなきゃいけないっていうのは分かったんですが、投票したい人がいないんですよね。自分の名前とか書いたらダメなんですか?

「ダメです、ただの無効票です。じゃあ、逆に絶対に当選させたくない人はいないですか?」

ああ、なんかたまにどう考えてもやばい人っていますよね。特に東京はネタ候補者みたいなのが多い気がする。

当選させたくない人を当選させないために、それ以外の候補に入れるっていうのも立派な投票の理由だと思いますよ

そんなネガティブな理由で投票しちゃダメじゃないですか?

「先ほども言った通り、投票しないというのが最悪なんです。それに、投票したい人がいないならあなたが選挙に出ればいいじゃないですか」

いやいやいや、投票に行くのすらめんどくさい人が、選挙に出ると思いますか?

「なら自分の周りの優秀な人に出てもらうとか。政治家っていうのは自分の意見を代わりに言ってくれる人、『政治家=あなた』だと思ってください。それが国民主権ってことですよ

国民主権って教科書的には理解してたけど、「政治家=自分」って考えたことはなかったですね。

「だから投票に値する人が誰もいないっていうのは自分勝手。政治家のレベルが低いってことは、国民のレベルが低いことと同義ですよ。もっと政治を自分事として感じてください

投票したい人がいないっていうのは、政治を他人事だと思ってる証拠。テレビで酷評されてる残念な政治家も、あなたが選んだあなたの代表なのに。

東京都民=僕=舛添要一って言われたら、ちょっとだけなんとかしなきゃって思えてきた…。

思えてきたけど、まだ休日に家から出る気にはならないな…。僕のひきこもり力をなめないでほしい。引き分けです。

ラウンド3 別に主張したいことなんてないんだけど?

遠くの投票所まで行くのが、めんどくさいんですよね。スマホでサクッとできたら投票するんですけど。

「究極のめんどくさがりですね、あなたは…」

投票の仕方一つとっても、今の選挙のシステムって若者向けじゃない気がします。被選挙権が25歳以上なのも不公平ですよね。

「最初に言ったように、投票しない人の意見なんて通らないんです。逆説的ですが、選挙のシステムを若者向けにしたいなら、若者が投票に行って意見を主張するしかない。権利は獲得するものであって、与えられるものではないですよ

「投票しないと自分の主張は通らない」っていうのはよくわかるんですが、別にそこまで主張したいこと、ないんですよね。毎日そこそこ幸せに暮らしてるし。

「中高6年間男子校だった者には国から彼女が支給される」公約を掲げてる人がいたら、二億票くらい投票するんですが、そんな人いないでしょ。

日本社会の闇、男子校

「その、そこそこ幸せって当たり前のことじゃないですよ例えば、あなたは何学部?」

あそ文学部です。

「最近だと、文系学部が廃止されるなんて話もありましたよね。法律一つ変わるだけで、自分の居場所がなくなるかもしれない。政治ってそれくらいパワーがあるものですよ

たしかに、文系学部廃止されたら困るし、それを阻止してくれる候補者がいたら絶対投票しますね。

「安保法案だって消費税だって、日本人である限り無関係なんてありえませんよね。主張したいことがないんじゃなくて、考えてないだけなんです。無関心で人任せなだけです

言われてみると、主張すべきことって案外たくさんあるのかもしれません。駒場東大前に急行を止めろ、とか。

「それは選挙じゃなくて京王に言いましょう。でも、自分のためだけじゃなくて、誰かのためでもいいんですよ周りに困ってる人、何とかしてあげたい人いません?」

官僚になった先輩が激務で大変そうだから、もっと官僚の地位を改善してほしいとか、なんとかしたいことってよく考えたら身の回りにあふれてますね

「大学生とか若者ってかなり人数がいるから、十分に政治権力を持ちうるんですよ。政治は怖いとか思われがちですが、投票はテロやデモなんかよりずっと直接的に自分の思いを社会で実現できる手段です。投票に行かないと、絶対損しますよ!

うおお…、めっちゃ投票に行きたくなってきた。とりあえず、「投票に行きたくない熱い思いは誰にも負けない」とか言ってたさっきの自分をぶん殴りたいです。

みなさんも、何か変えたいこと、不満に思ってることがあるなら、投票にいきましょう!いくら意見をもってても、主張しない限り存在しないのと一緒ですからね。

Yesでいいのか?サイレント・マジョリティ?

たかまつさんはなぜ起業したのか?

僕はたかまつさんに直接教えてもらって無事更生することができましたが、政治教育の現場はなかなか厳しい状況のようです

生徒たちは「政治って難しい」と敬遠するし、先生たちも忙しくて、なかなかどうやって教えていいか分からない。儲からないしリスキーだから企業もなかなか入ってこない。

18歳選挙権、せっかく政治との距離を縮めるチャンスなのに、今のままでは、何も変わらない。ここでまた何も変わらなかったら、政治教育の在り方について真剣に議論されるのは、これが最後の機会になるかもしれない

そのような危機感を感じたたかまつさんは、「笑いながら、政治を学ぶ」という新しいスタイルを出張授業として展開するため、会社を起業しました。

その名も「笑下村塾」

お笑いを道具に世直しする、という意味が込められているらしいです。

実際に使用するスライドや教材を見せて頂いたのですが、めちゃくちゃわかりやすい&面白い!

これで政治学習=睡眠時間っていう時代は終わりですよ!(そう思ってたの僕だけですか?)

このコンテンツの開発費用と日本中の高校を駆け巡る資金を集めるために、クラウドファンディングを行ってるそうなので、理念に共感した方は応援してみてはどうでしょうか?

最低2000円から支援できますし、なんと10万円支援すれば1日たかまつさんのマネージャーになれちゃいます。激アツですね。

たかまつなな1日マネージャー体験 ¥100000

それにしてもRYO!さんといい、みかん愛好会の会長といい、最近東大生が起業するの流行ってるんですかね?

このビッグウェーブに乗って、僕も昼寝するだけの会社とか作ろうと思います。

それでは!

この記事を書いた人
田中マルクス
はじめまして! 田中マルクスです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
記事一覧へ