昨年は15万人も集まり、普段では想像のつかない程の熱気と活気を見せる五月祭。色々な“東大”による不思議空間が形成され、実に多様な人や、多様な企画と出会います。
数々の出会いのある五月祭、その中でも忘れてはならないのは、「学術企画」との出会い。今回は、人間と機械の関係を豊かにする「機械情報工学科」の企画展示にUmeeTが突撃します。
機械情報工学科のみなさん、今日はよろしくお願いします。
機械情報工学って、どんな学科なんですか? 無知なわたしに教えてください!
代表・安永さん「ロボットとかモノづくりが好きな学生がわらわら集まってくる学科ですね。高専から編入する人もいます。
学科内に町工場みたいにごつい機械が色々ある工房があって、図画工作みたいなことも出来まして。そこはいつも金属カスだらけです。」
自ら作れる場があるなんて凄く楽しそうです! どんなものをつくったりするんでしょう?
「んー色々あるんですが……。あ、授業では、エンジンを作りましたよ、金属板から。」
金属板からですか…?! エンジンの原材料を考えると確かに金属板ですが……。金属板からエンジンだなんて、洋服作るのに羊を渡される以上のレベルで想像しにくいですね。機械系ではこんなものも当たり前に作っているんでしょうか。
「モノづくり、めちゃくちゃ楽しいですよ。納豆の、パックの蓋を開けてかき混ぜ終わるまでを自動でやってくれる機械を作っている友人もいます。みんな、自由に作っています。」
朝ごはんの時短ってやつですね(?)。それにしても、発想も、実際に作れるのもスゴイですね。
「そんなかんじで僕らは機械に接するんですけれど、それだけでなくて、人間にも接するのが僕らの学科です。
僕みたいにモノづくりやプログラミングで、機械にアプローチする人もいるんですが、直感とか視覚とか、人間の研究をして人間にアプローチする人もいるんです。いわゆる、VRとかの研究ですね。
学科全体で『人間と機械の距離を近づける』ことを目指して、色々な研究やモノづくりをやっています。」
機械と人間の壁がどんどん薄くする、機械が出来ることを増やしていく、その現場を先導しているのが機械情報工学のみなさんなんですね。
考えたものを「形」にできる力って、本当にロマンに溢れて良いですね。憧れます。
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副代表・中山さん「今回の企画は、理屈抜きに楽しい、そんなテーマパークにしようと思っています。
私たちが学科で普段味わっている機械であれこれ試して、思ったことを実現させる楽しさを、この企画を通してぜひみんなにも味わってもらいたいです。
機械情報工学ってなんとなく難しそう……ってイメージをお持ちの方も多いのですが、まずは理屈抜きに、いっぱい楽しんでもらえたらな、と。知識のない方も、小学生のお子さんも、誰でも気軽に楽しめるような設計をしています。
折角ですから、その楽しさをぎゅっと味わえる、おすすめの4つの体験と、思いのこもった2つの展示をご紹介しますね。」
代表・安永「一つ目は、パスタブリッジです。ゆでてないパスタを橋のように組み立てて、強度を競ってもらいます。
パスタって1つだと折れやすいですよね。でも構造化するとどんどん強くなっていくんです。どれくらい強くなるか、ぜひ試してみてください。
二つ目は、ロボット工作。こちらは、歩くロボットを、その場で作って持ち帰ることができます。実際に機械を作って、それが動くようになると、とても嬉しいですよ。
ちなみに、色々な「工作教室」も開かれますが、土曜日曜ともに、午前10時から、工学部2号館の223教室(M2会場)で整理券を配布していますので、ぜひ忘れずに取りに行ってくださいね。(先着順)」
「三つ目は、サンドブラスト体験。皆さんに切り絵みたいなことをしてもらって、絵の形にガラスを機械で削り取ることで、ガラスの表面に白い模様を描きます。」
サンドブラストって、大学でも出来るなんて驚きです。それ用の機械、どうやって入手したのですか?
「サンドブラスト用の機械は、研究室のご好意でお借りしています。あ、その研究室、世界一小さい摩擦係数を実現させた研究室ですよ。そういう研究関連で機械を持っているんです。」
だいぶさりげないところに、機械情報工学科の凄さを垣間見た気がします……。
「四つ目は、ロボット調整&レース体験。ライントレスロボットと呼ばれるロボットが黒い線の上をなぞって進もうとするのですが、いち早く進むように調整してみてください。
タブレットで数値をいじるという、簡単でしかも奥の深いゲームになっています。」
ちなみにこのロボットと制御システム、設計図ゼロの状態から担当者が作り上げたそうです。研究室や、学生のみなさまの力で、工作する、調整する、使う、あらゆるフェーズでの魅力を体感できるのですね。
4つの体験、どれも楽しそうなものばかりですが、ここで紹介していない体験や研究室での体験もまだまだあります。
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「熱を入れていてぜひ見ていってほしい展示は、キカイ×アートとメカノサイエンスです。
キカイ×アートでは、東大生が自ら作ったメディアアートを色々用意しています。機械をどのように使いたいか自ら考えて、それを実現させていった空間です。
周囲の音に反応して花を開かせてみたり、みんな思い思いのものを作っていますが、特にモザイクアートがおススメです。」
モザイクアートって、沢山の写真を集めてモナリザみたいにするやつでしたよね。見てて楽しいです。
「そのやつですね。画像処理を使ったインタラクティブな展示をやりたいと思って、今回作ってみました。写真をお持ちいただくと、その写真を花や車で再現します。」
記事のお読みの皆様も御察しの通り、モザイクアートのプログラミングも機械情報工学のメンバーが1行目から打ち込んだそうです。
「そして、もう一つはメカノサイエンス。ゲームで遊んでもらいながら、機械の『要素』を楽しんでもらう企画です。
機械で実現できることは様々ですが、それを支えている『要素』の魅力にも触れてもらおうと。
『マグヌスパイプ』『デファレンシャルギア』など知っていたら格好良さそうだけど、なんだその意味……。というものの仕組みも、ゲームをやるだけで直感的に分かるようになります。
百聞は一見に如かず、ぜひ一度ぶらっと足を運んでみてください。」
機械によってモノづくりする楽しさ、こんなに贅沢に味わっていいんでしょうか。
安永さん「 楽しみに来て下さい。勉強するとかが目的ではなく、楽しむのが目的ですので。」
中山さん「ギュッと全部が凝縮されています。欲張りさんに是非。」
ありがとうございました! 機械のありとあらゆる「わくわく」を凝縮した空間に胸が高まっていきます。
ぜひ工学部2号館の皆様の所に遊びに行かせていただきますね!
(テクノ ファクトリーHP)http://ut-mech.com/2016/#