今週末に開催される、五月祭。沢山の模擬店から漂う美味しそうな匂い、安田講堂前なら床も揺れるほど賑わいと熱気を見せる数々ステージ。部屋を覗けば未知なる展示が待ち受ける、そんな心躍る2日間が目の前に迫っています。
その中でも忘れてはならないのは、東大ならではの「学術企画」。今回、五月祭最大級の展示を誇る「医学部」の企画展示にUmeeTが切り込みます。
皆さん、今日はよろしくお願いします。五月祭展示についてさっそくお伺いしたいところですが、そもそも医学部って外部からはあまり良く分からないんですよ。先に東大医学部ってどんな特徴のあるところか教えてください!
古川「医学部は文字通り医学の勉強をするところですが、東大医学部の良い所と言えば、進路の選択肢が多いことですね。」
医学部の進路って、みんなお医者さんになるんじゃないんですか? 外科や内科とか?
「いえいえ、研究の道もあるんです。先輩の進路も、『臨床医』(注:“お医者さん”)は勿論ですが、医療分野の基礎科学研究者だったり、行政方面だったり色々です。東大法学部准教授の米村先生も医学部出身です。
僕は公衆衛生、つまり感染症とかに興味があって、実はその分野で有名な先生も東大に多くいらっしゃいます。そういった医学研究の権威の方が東大に多くいらっしゃいますし、同期でも『研究医』(注:“医学の研究者”)を目指す人が沢山いる。臨床医、研究医、そのほかも多数。
医学という武器を手にどう未来にメスを入れるか、個人が選択しやすいような環境が揃っているんです。」
ブラックジャックが100人いても作れない環境がここにあるということですね。展示も多様なものが見れそうです。
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そんな素敵な人と環境が揃った医学部、五月祭で今年はどんなことをするのですか?
広報・古川「今年は『情熱医学』というテーマを元に20個ほどの医学部企画を行います。」
松岡修造が参上しそうなテーマですね。でも、どうして情熱なんでしょう?
「本当の意味で『身近な医学』を達成させたいと思った為です。その決意表明です。
医学って一人一人の身体をみる学問ですから、本来ある程度は自分で知っていた方が良いんです。医者の学問でなくて、それぞれ、皆さんの学問です。今回の五月祭企画で、誰にとっても分かりやすく医学を楽しめる事を第一に考えました。」
心につきささりますね。その情熱からどんな企画がなされるのでしょうか。
「無料で血圧を測ったり、骨密度を測ったりできます。手術体験もありますね。どれもこれもおススメだらけなのですが……、3つご紹介します。」(次ページ)
小森「一つ目は、今年から始まるポスター展示です。
「癌はどのように発生するのか?」「どうして癌で人は死ぬのか?」にお答えするような身近な病気についてのご紹介から、最新の研究成果までポスターでおのせしています。
何といっても分かりやすさに「情熱」をかけました。そしてこんなに研究って面白いんだと思ってくれたら、研究医目指せばいい、そう僕のように」
癌なんて、気になるトピックですね。他にもたくさんの話題が揃っているそうです。
高橋「二つ目は、情熱カンファレンス(注:会議)です。NHKのとある番組のようにプロの総合診療医を4名お呼びしていて、『問診から結果まで』の間に、医者が何を考えて、何が起こっていたのかを一部始終お見せします。
例えば、『こういう風に調子が悪い』と患者さんに言われたときに、医者は何を考えて、どの病状だとみなし、どういう診察をしようと選ぶのか、その過程を全てお見せするのです。
事前予約で参加券を配布しましたが、当日参加もできます。ぜひ、いらっしゃってください!」
副代表自らがプレゼン、指摘を全て直し、当初無理だと言われていた企画を実現したそうな。タフだ……。このありがたい企画も今年初めてです。
情熱カンファレンス、土曜13時から、医学部本館3階の大講堂で行われます。無料で誰でも歓迎です。
関「何といっても、医学部企画を語るのに欠かせないのは特別講演会です。兎に角、雲の上のような方々が集まります。今年のテーマは『理想の医療とは』の下で、『スポーツを通じて健康になる』ことなどを話し合います。
ご好評を得て整理券は完売しているのですが、中継室として150人程度入れる当日客用の部屋を用意しています。しかし例年本当にすぐに席が埋まりますので、見に来てくださる方は医学部本館が開く9時にいらっしゃる事をお勧めします。」
特別講演会は、日曜日10時から、医学部本館3階の大講堂で行われます。9時半開場なので、30分待てば、メダリストの為末大さんや厚労省参与の山本雄士さん、TBSキャスター膳場貴子さんの対談を聞けるとは……。語彙力ないのでヤバいとしか言いようがないです。
関「今年の医学部企画は、数十年間脈々と受け継がれてきた中でも、戦後最大規模の企画です。企画数と企画の質を考慮しても、過去最大だと自信を持って言えます。実際に来ていただければわかると思います。
来ていただければ、戦後最大のおもてなしをいたします。」
そして、戦後最大の医学部企画がもっと思い出深くなるように、記念品も販売されるそうです……!
東大医学部に入った人のノート、なんてそれだけでも随分ご利益ありそうです。他にもシャーペンやボールペンなどの記念品も取り揃えているそうです。
来年も豪華な医学部展示を見たい方、記念品を買っていきたい方、ぜひお買い求めくださいね。
赤門を潜り抜けて、真正面に見える医学部本館。そこに行けば、彼らに、そして数々の展示に会えます。
それでは医学部の皆さま、取材ありがとうございました! 五月祭当日も応援しています!