「自分で人生を切り開くの向いてない」その言葉で内定を蹴り、ウガンダに飛んだ東大生がいた。

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意識の高いサークルや学生団体に所属すること。インターンを経験すること。ゼミに入ること。

大学を卒業するまでに、ほとんどの人がどれかを満たしていますよね。本当にそれがやりたいならいざ知らず、「周りがやっているから」「就職に有利だから」という理由でやっている東大生も多いのではないでしょうか。みんながやっている意識の高そうなことはとりあえずやるけれど、それ以外の事はどうせ無駄だからやらない。

こんな大学生活の過ごし方に疑問を持った経験はありませんか?

とりあえず周りの友達に足並みをそろえて意識の高そうなことを始めてみて、将来への備えとする。でも、もしこの東大生あるあるのレールから外れたらどうなるんだろう?

 

今回わたしがインタビューしたのは、途中まで、このありがちなルートに全力で乗っかっていたにも関わらず、それを突然ぶっ壊したこのお方。

内定を蹴って東大を一年休学し、ウガンダへと飛んでゼロベースから営業を行っていた、水垣舜一さんです。

 

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☞学生証

  1. お名前:水垣 舜一さん
  2. 所属:東京大学法学部
  3. 進路:未定

 

進路未定……未定??

ステータスだけを見ると謎が深まるばかり。そんな水垣さんの進路に対する考えをうかがってきました。

 

「自分の人生を自分で切り開くの向いてないんじゃないですか」

 

水垣さん、本日はよろしくお願いします。

 

早速ですが、内定を蹴ってまでウガンダに行こうと思ったきっかけを教えていただけますか?

 

水垣さん(以下、水)「はい。大学4年の時でした。いろいろと挫折が重なっていて、とってもしょっぱくて。このまま大学を出たくない、そう強く思ったのがきっかけでした」

 

 

どのような挫折があったのでしょうか?

 

水「たくさんあります(笑)2年をつぎ込んだ競技ディベートの試合があったのですが、下馬評では優勝間違いなしで、自分でもいけると思っていた最後の試合。まさかの、決勝前に敗退してしまいました。

 

また、当時付き合っていた彼女に『あなたと居てもワクワクしないの』と言ってフラれてしまって……。

 

極めつけに、当時所属していたゼミの活動が認められて紹介してもらった、バイト先でのプロジェクトで結果が出なかった。その時に教授に言われたんです。

 

『水垣さんは、自分の人生を自分で切り開くのに向いてないんじゃないですか(笑)』って」

 

(こんなに恐ろしい「(笑)」初めて見ました……)

踏んだり蹴ったりですね。

わたしが水垣さんの立場であれば、ただただ落ち込むばかりだと思います。

例え失敗が重なっていたとしてもレールに乗ったまま内定先に就職するほうが良いように思われるのですが、それがどうしてウガンダにつながったのでしょう?

 

水「教授にそう言われたとき、『なんて自分はしょっぱいんだ』って思いました。『このまま大学出たくねェな、マジ』って。

 

それで、原点に立ち戻ることにしたんです。

 

就職先は、はじめに修業をするにはとても魅力的な場所でした。でも、元々は途上国の社会を変える仕事がやりたくて、『将来は途上国で』とも言っていました。

 

いつまでも先延ばしにするようなカッコ悪いやつになりたくなかった。10年後に『学生時代は自分も青臭いこと言っていたなあ(笑)』って回顧するのは嫌だった。笑い話にしたくなかった。それなら、もういっそ飛び込んだ方がいいんじゃないか、と

 

やだ、めちゃくちゃカッコいい……。

今まで築いてきた安定へのレールを突如ぶっ壊すなんて、なかなかできることではないです。

なんという決断力。

 

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国際会議の運営をされていたころの水垣さんのお写真

 

「どこまでも泥臭くやろう」と決めた

 

水「当時の自分はとても打算的でした。ゼミやインターン、ボランティアなど、『これやっておくと将来役に立ちそうだなぁ』と思うことをとりあえずやっていたんです。

 

自分のやりたいことは何なのかわからなくて、ふわふわした状態でした。

 

そういうのって楽じゃないですか。未来に投資するというか、無駄にはならないだろうし、人に聞こえがいい。自分に理由を説明する必要がない」

 

確かに、将来を理由にして、「とりあえず」ボランティアやインターンに参加する人は多いと思います。わたしも、周りをみて就職のためにインターンについて考え始めたうちの一人です。

将来の役に立ちそうなことをやる、いわゆる「無難なレール」に乗っかっていたかつての自分を、どう思われますか?

 

水「もっと自分の心に正直になればよかったな、と。

 

どうせやるなら、いつか役に立ちそうなことではなく、自分が今一番やりたいことを真っ先にやっておけばよかったなと思います。大学に入った瞬間アフリカに長期で行くとか。



もちろん、やっていたことの全てが無駄だったとは思いません。今に続く大切な出会いもたくさんありました。一度やってみてはじめて、興味がないのだと気づくこともあり、これもとても大事なことでした」

 

将来への投資として今好きでもないことをかっこつけてやるよりも、今自分がしたいことを真っ先にやってみるべきだということでしょうか。

やりたいことがあるのに、将来を理由にそれを後回しにしてしまうことはもったいない。何かしらやれば、やっただけ得られるものもある。

 

実は、今のわたし自身、自分のやりたいことが特にこれと言って見つかっていない状態です。どうすれば打ち込めるものが見つかるのでしょうか?

 

水「もしやりたいことがなくて悩んでいるのなら、動けばいいんです。

特にやりたいことがない状態に何も感じないなら、それで全然かまわないと思います。

ただ、もし今何かに没頭していない状態に不安を感じてしまうような人なのであれば、やりたいことの種が何もないなんて、そんなことはないはずです。学問でもサークルでも、趣味でもなんでもいい。自分が少しでも興味を持っていること、やっていて楽しいなと思うことを、なんでもいいから一歩踏み込んでやってみればいいんです。

 

自分探しってよく言いますけれど、全く違う自分を探そうとするから見つからないんじゃないかと思うわけです。今やっていて、楽しそうだなぁと思うその先にしか目標はないんじゃないかって。

 

やりがいなんて人によって違うから、だから自分は『一生やらないようなことをやろう』って思ったんです。とことん泥臭くやってやろう、と」

 

なるほど。これといった特技もないわたしですが、やっていて楽しいと思うことならいくつか思いつきます。打ち込みたいことの種を探して、まず踏み込んでそれらをやってみようと思います!

 

ウガンダで奔走する毎日

 

ウガンダでは、どのようなことをされていたのですか?

 

水「2つの会社のスタートアップを経験し、100件以上の飛び込み営業を行っていました。日本ではありえないようなたくさんのトラブルに見舞われる日々でした(笑)」

 

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客先のウガンダ人スタッフにスマホの文字の打ち方からサービスの使い方までを教えている水垣さん

 

日本ではあり得ないトラブル、めちゃくちゃ気になります。例えばどんなことがあったのですか?

 

水「まず、せっかく苦労して取った営業先とのアポイントメントが直前でキャンセルされるのは当たり前でした。

 

ようやく初めのお客さんが取れて、商品のプリンタを納入して喜んでいたら、2日後にプリンターが作動しないというクレームが入りました。

 

大急ぎで駆けつけたところ、プリンターに紙が入ってなかったんです(笑)」

 

プリンターに紙が入ってなかったら動かないの当り前じゃないですか!

 

水「ですよね(笑) あとは、グーグルマップがまったくもって不正確なせいで、グーグルマップを頼りに社長を営業先まで連れていくと会社がなかったなんてこともありました。社長にめちゃくちゃ怒られましたね……」

 

え、会社がなかったんですか。

 

水「はい」

 

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会社がありませんでした。

 

日本ではあり得ないですね。わたしなら折れて即帰国してしまいそうです。水垣さんは、もう辞めたいと思うことはありましたか?

 

水「いいえ。

 

ウガンダでは、トラブルが楽しかった。わけがわからない中で物事を進めていくのが、本当に楽しかったんです。あとは、一年休学してウガンダまで来ているわけだから、結果を出さなければ帰れないという思いも勿論ありましたね。

 

自分なりに頑張ったとは思いますが、人生をかけて挑戦している社長や他の社員さんに比べると、甘えているところも失敗したことも沢山ありました。まだまだやることがたくさんあるのだと確認できたことが収穫でした

 

自分が本当に望んでやったことだからこそ、困難も楽しむことができるということでしょうか。

全力で打ち込めば、成功も失敗もすべてが良い経験になるんですね。

 

悩んでいるからこそのメッセージ

 

実は水垣さん自身、今現在も自身の将来について悩み続けているとのこと。

東大生あるあるのレールをぶっ壊してウガンダへ飛んだ水垣さんも、将来について悩んでいるのだと思うと、なんだか親近感が湧いてきます。

手探りで色々やってみた水垣さんご自身の経験をもとに、将来に漠然とした不安を抱くわたしのような東大生に、アドバイスをください!

 

水「はい。東大生って、『食わず嫌い』が多いと思うんです。

自分は東大生だからこんな仕事やりたくないってやる前から決めつけちゃうとか」

 

ギクッ(塾講師と家庭教師のアルバイトしかやっておらず、やったこともないインターンに消極的な編集にクリティカルヒット)

 

水「僕は、そんな食わず嫌いを潰していきたかった。食わず嫌いで自分が出来ていなかったことを知りたかったし、実際潰していったおかげで見えたものもたくさんありました。

 

自分やりたいことがわからなくても、少しでも興味がわいたものをとりあえずやってみる

 

やってみて、これは違うなと思ったら、次は少しずらしたものを試してみる。違うと思ってもその分野のすべてがダメなわけではなくて、ちょっとだけ離れたところにやりたいことが転がっているかもしれない

 

あとは、中途半端も勿体ないと思います。常に余力を残して、『本気出せばまだいける』ってスタンスだと、前に進めない。全力でやってみて、それを続けるかやめるかきっぱり決めたらいい」

 

なるほど……。わたしは、「たいして興味のないことに時間を割くなんてもったいない」と考えていましたが、これがまさに食わず嫌いですね。わたしのやりたいことが、もしかしたらその近くに転がっているかもしれない。インターン、もう少しまじめに考えてみよう……。

今のわたしには敷かれたレールを壊してウガンダに飛ぶほどの度胸はないですが、レールの向かう先を変えることならできそうです。まずは、自分の向かいたい先を探して、食わず嫌いを一つずつ潰していこうと思います。

 

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ウガンダでの活気あふれるマーケットの様子

 

また、水垣さんは一年休学されてウガンダへ飛ばれています。今、休学すべきか否か悩んでいる東大生へメッセージをお願いします。

 

水「もちろん、一概に休学をすすめることは出来ません。しかし、やりたいことの種があるのに、”後れ”が怖くて迷っている人は、しても後悔はしないと思います。



1年大学に長くいることを、”後れ”としていまだにマイナスのイメージを持つ人もまだまだいると思います。

しかし、やりたいことをやるのはリスクではないし、一年くらい遠回りすることもまたリスクではない。

遠回りをすることが正しいとは言いませんが、怖くてやらなかったら後々後悔することになるかもしれない。


よく、休学することで同級生に後れを取ることが怖いという話も聞きますが、後れって何だっけ?何のレースしてるんだっけ?そのデメリットって実際どれだけ大きいんだっけ?』って。

一年間やりたいことをやってみた方が、自分の問題意識に近い分野でたくさんの情報や友人に出会うことが出来ます。就職を前提に考えても、他と差別化された経験が積める分、人材としての市場価値はむしろ上がるのではないかと思います。そう考えると、デメリットよりメリットの方が大きい場合も十分ありえる。

自分の周りでも、トビタテ留学JAPANなどの国の取り組みもあり、留学や海外インターンを挟んで大学を5、6年かけて卒業する人たちも珍しくありません。

これを読んでいる人で、もし何かやりたいことを持っていて、周囲からの後れを気にして挑戦を迷っている人がいるのならば。この記事が、そんな人たちの背中を押すことにつながればいいですね

 

休学がしたいなら、すればいいじゃないか!

 

こう語る水垣さん自身、現在もオランダで学んでいる最中だそうです。(取材はアムステルダムからのスカイプで行いました)。

 

とにかく行動に移してみること。将来の自分が後悔しないように、今の自分がやりたいと思った、その気持ちを捨てないこと。とにかく様々なことに手を付けてみることが、結果的に将来の自分の助けになるのではないでしょうか。

 

水垣さん、今回は本当にありがとうございました!

 

また、水垣さんがウガンダで出会ったFablab(詳しくは以下)について、後日寄稿をいただけるとのことなので、是非そちらも合わせて読んでみてくださいね!

 

Fablab(ファブラボ)……ファブラボは、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、実験的な市民工房のネットワークです。個人による自由なものづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指しています。(公式サイト

 

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ABOUTこの記事をかいた人

アリサ

実質時給692円で働いていました。お友達が欲しいです。

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