「東大のゴミ」じゃ終われない!失意の東大生・大熊将八が競技ダンス日本一に登りつめるまで~大学編~

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唯一無二の存在になって、ハンカチ王子を超えるんや!そのためには東大に一番で合格・競泳で全国制覇、この二つを成し遂げるしかない!

中学生の大熊が描いた大きすぎる夢。

しかし、現実は厳しい。

結局、競泳はインターハイ予選落ち、東大には合格点ぎりぎりですべり込んだ。

 

普通の人ならきっとここで終わる。

「あの頃の俺、中二病で変なこと言ってたわw」

そうやって飲み会のネタなんかにして、自分が「唯一無二」ではないことを受け入れる。

 

でも、大熊は諦めない。

究極の努力信者は、どん底から跳ね上がる瞬間を信じ続ける。

そんな彼の復活の物語。

高校編もあわせてどうぞ!

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☞学生証

  1. お名前:大熊将八さん
  2. 所属:東京大学経済学部4年生
  3. 進路:ハンカチ王子を超える人気者

負けて入った大学

フラストレーションでいっぱいの大熊は、入学当初は少しひねくれた大学生だった。

 

「新歓で体育会系の部活を回っていてよく言われた、『東大生でも日本一目指せるよ』という言葉に正直めちゃくちゃイライラしていた。俺はそんなもん中学生から目指してたわ!何を今更言うんや!って。今から思えばすごくいやな奴。笑」

「あと、『インターハイに出たなんてすごいね』って水泳のことを褒められるのがいやだった。自分はやりきったと思ってなかったから

 

それでも他に打ち込めるものを見つけられず、なんとなく入部した水泳部。そこには日本選手権の決勝にまでのぼりつめた自分よりすごい人がいた。

 

東大生でかつ水泳ができる、そんなポジションすら自分のためには用意されていない。

すっかり腐ってしまった彼は、練習に遅刻を繰り返し、やがて退部した。

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東京に来ても、相変わらず何も成し遂げられない。何もがんばれない。当然、モテない。

どうすれば、こんな自分を変えられるだろう?

 

そんな時、大熊の頭にふと思い浮かんだもの。

それは、ダンスだった。

 

東大の水泳部には、一年生が「かっぱ踊り」というダンスを駒場祭で踊る、という恒例行事があった。

振り付けはいたって単純なのだが、彼はろくに踊れず、『お前、水泳はできるけどダンスは致命的に向いてないんだな』と先輩から酷評されたことを思い出した。

なんせ、勉強や水泳と違ってダンスは中高時代から大の苦手。今までずっと敬遠してきた。

 

自分でも絶対できないと自覚しているダンスで、もしも優勝とかできたら、その時は自分を認められるかもしれない。ましてや競技ダンスなんて絶対に無理。でも、それができたら超すごい!

 

思い立ったら即行動。さっそく競技ダンスの冬の全国大会を見学しに行った。(この辺の行動力はさすが)

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wikipediaより

そこで、男女一組になって全身で表現する競技ダンスにすっかり魅了された大熊は、東大の競技ダンス部への入部を即決する。

 

この時、大学一年生の12月。彼の人生はここから大きく変わることになる。

「東大のゴミ」では終われない

予想通りダンスはまったくうまくならなかったが、得意の下ネタを使った漫談で大熊はいつも宴会の主役だった。OBとの連絡役なども務め、競技ダンス部はとても居心地がよかった。

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当時の持ちネタを披露するも、社会の窓が全開の大熊さん

いつしか最初の決意も薄れていった。

「最初はすごく易きに流れていた。でも、それでもいいのかなと思った。生きるか死ぬかみたいな生き方はやめて、なごやかに生きようと。サークル的なノリで楽しむのもありだと思い始めた」

 

これはこれでハッピーエンドな気もするが、神様はそこまで優しくないらしい。

大熊の反骨心に火をつける出来事が起こった。

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ある日の大会後の飲み会で、酔っぱらった審査員から思わぬ一言を浴びせられる。

 

「おい、お前、東大のゴミじゃん。東大って強いのにこんなゴミが混じってるとはな!」

 

曲がりなりにも勉強や水泳で結果を残してきた大熊にとって、こんなことを言われたのは人生で初めてだった。激高した彼はその審査員に宣言する。

 

「今度あなたが審査することがあれば、僕に票を入れたくなくても入れざるを得ないような演技をしてやりますよ!」

 

大熊の人生が再び動き出した。

なごやかには生きられない運命なのかもしれない。

かつての自分に恥ずかしくないように

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パートナーの動きについていけない

とは言ったもののダンスが上達する気配はない。

大会では常に予選落ち。0点で最下位をとったこともあった。

 

固定ペアを組むパートナーとの関係もぎくしゃくし始める。

自分には何も不満を言わないが、飲み会のたびに端っこの席で泣いているところを見かけた。

ド下手くそな自分に不満があるんだろうが、はっきりと言ってくれないパートナーに息苦しさを感じた。いっそ、あなたのせいで、とか言ってくれたら楽なのに。

 

もうやめよっかな……。

 

かつて楽しかった競技ダンス部の活動が、だんだんつらくなってきた。三年生になると、立ち上げに関わった投資分析サークル、瀧本ゼミの活動などに少しずつ心が移っていった。

あの時の自分は今思い返せば本当に最低。主将とかが大変そうにしてても、瀧本ゼミを逃げ口上にしてきちんと責任を持たなかった。2年生・3年生の自分はしょうもなかった」

瀧本ゼミの活動でもずば抜けた結果を出せるわけでもない。

それでも、ダンスをやらない言い訳にしていた。

 

結局、勉強からも水泳からも逃げ出した高3のころの自分に逆戻り。

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周りに流されてインターンの面接を受けるなど就活を始めた時、ふと気が付く。

「学生時代がんばったことは?」と聞かれても、大学時代のことで話せることが何もない。

どうしよう?

そうやって悩んでいた時、ある大人からこう言われた。

 

「かつて、がんばっていたころの自分に恥ずかしくないのか」

 

その言葉に目覚めた大熊は、決意する。

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「1年卒業を遅らせてもいいから、とにかく競技ダンスをやり抜こう!」

 

今度こそ逃げずに立ち向かう。覚悟を決めた。

練習の臨界点

決意はしたものの相変わらず上達しない。3年最後の大会も1次予選敗退。

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なぜ、こんなにダメなのか?

大熊はようやくあることに気が付く。

今まであらゆることを自己流でやってきた。授業を聞かなくても成績はよかったし、水泳部のコーチは自主性を重んじてくれていた。その2つはセンスがあったからそこそこできたけど、ダンスのセンスは自分にはまったくない。だからうまくなるためには、やり方を変えてとにかく他人から謙虚に学びまくるしかない

 

さっそく、過去の優勝者と社会人10年目の大先輩に頼み込んで指導をお願いした。

サークル的なノリで楽しもうとしていた時にOB係をしていたことが、ここで効いてくる。

その際、とにかく素直に聞くこと、決して分かったふりをしないことを徹底した。

 

そうやって練習を重ねていた、卒部まで残り3ヶ月に迫った9月のある日。

今までの練習の蓄積が臨界点を迎えるような、バケツから水があふれだすような瞬間が、突然に訪れた。

今まで教えられてもいまいちピンときてなかった動きを一つ、完全につかんだのだ。

「その日は本来練習をするはずじゃなかったんだけど、パートナーに無理を言ってやってもらっていた。そしたら、一つの動作が完全に体にはまって、パートナーとの動きがすべてかみ合った。これだ!つかんだ!っていう瞬間が突然来た。自分でもびっくりした

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東部戦、3位入賞

そこからの成長は速かった。

(覚醒前の写真と全然雰囲気が違う!)

部内選抜を余裕で突破。今まで予選落ちしていた大会で次々に入賞。

 

このままいけば、誰も抜かせない所まで絶対に行ける。

かつてないほどの手ごたえを感じ、「勝てない相手はもういない」というほどの自信を持って、冬の全日本選手権を迎えることができた。

これ以上ないほどのハッピーエンド

競技ダンスの大会では、優勝したペアのみ自分たちの選んだ曲で踊ることが許される。(オナーダンス、という)

オナーダンスのための音源を用意するのは、本来なら優勝候補のみ。

大会で一度も優勝したことがない大熊だったが、この日は音源を用意していった。

 

それほど自信があったのだ。

 

結果は、

 

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優勝!!

優勝候補を破っての大金星だった。

 

自分のペアの番号が読み上げられた瞬間、大熊は泣き崩れた。

勉強でも水泳でも泣いたことがない。人生初のうれし泣きだった。

気が付けば、パートナーも泣き崩れていた。

 

「大熊とペアを組んでよかった」

 

いつも黙って隅で泣いていた彼女が、今は彼の目の前で喜びの涙を流している。心からの賛辞を送ってくれている。

 

「これか、これをのぞんでいたのか、俺は」

 

大熊が人生最高の達成感を味わった場所。

それは奇しくも、3年前初めて競技ダンスを知った、冬の全日本選手権だった。

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絶対に不可能と思っていた夢は、これ以上ないくらいのハッピーエンドで幕を閉じた。

いい投資は成功への近道

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「今までの人生、実はいい投資を受けてばかりだった」

自分の人生を、大熊はそう総括する。

 

「裕福ではないのに教育への投資を惜しまなかった親、引きこもりになっても支えてくれた高校の先生、親身になってダンスを指導してくれた先輩、自分を見捨てず、ペアを組み続けてくれたパートナー。いろんな人がいい投資やチャンスを与えてくれていたからこそ、自分はうまくいったのかな

 

人は一人では生きられない。

誰かから何かを与えられ、そしていつかは自分が与える側になる。

そうやって社会は回っている。

 

この記事を読んで、「諦めかけていた夢をもう一回がんばってみよう」と思えた人がいたのなら、その人はきっと大熊さんからいい投資を受けたということになるだろう。

そしていつか、夢をかなえて誰かに何かを与える立場になった暁にはUmeeTにご連絡を。

 

ぜひ取材させてください!

 

 

めでたしめでたし…かと思いきや、まだ続きます。

次回、「競技ダンス日本一は準備体操に過ぎない」と豪語する大熊の今後とは…

こうご期待!

 

 

大熊さんのデビュー作、「進め!!東大ブラック企業探偵団」はこちら

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ABOUTこの記事をかいた人

田中マルクス

人生が加速する

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