【コペンハーゲン】デンマーク支部だより【ビール天国】

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☞学生証

  1. お名前:桑原さん
  2. 所属:東京大学法学部
  3. 進路:考え中

法学部3年の桑原といいます。

今は全学交換留学の制度を利用して3年の秋学期(9月~1月)の間デンマークのコペンハーゲン大学に通っています。

今は10月の末、留学生活もちょうど折り返しを過ぎたところです。街の木々はすっかり色づいております。

よく散歩する近所の湖のほとり

よく散歩する近所の湖のほとり

どうしてデンマークへ?

一言で言えば怠惰な自分を頑張らざる得ない状況に放り込むためと言いましょうか。

大学に入ったらそれなりに勉強をするつもりだったけれども、ついだらけてしまって、気が付いたら期末直前。なんとか試験範囲を詰め込んで乗り切って・・・、ということを繰り返して2年が経ちました。

サークルも頑張ったけれどもそれも引退して、ああ大学生活も終わっていくのかなと思ったときに、ずっと勉強したかったプライバシー法と社会学を学ぶために留学をして、環境にメリハリをつけてみようと思い立ったのです。

 

デンマークに決めたのには実は受動的な理由が働いています(笑)。

僕が留学に行こうと決めたのはたしか大学2年の1月で、そのころにはもう1次募集は締め切られていて、英米をはじめとした人気のところは埋まっていました。

そこで追加の2次募集では英語で受講できる比較的倍率の低くなりそうなところと自分の興味の勉強に強いところを探し、デンマークを発見しました。

コペンハーゲンはビール天国

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ニューハウン

デンマーク王国の首都コペンハーゲンは、実はあのドイツの北から突き出したユトランド半島ではなく、その東にあるシェラン島と言うところにあります。電車に30分乗ればバルト海を越えてスウェーデンのマルメに行くことができます。

 

人口は約56万人、愛媛県松山市とほぼ変わらない規模です。要は日本の地方都市みたいな感じで小さいし建物の密度も低めです。東京の混雑にうんざりしていた僕からすれば天国みたい

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都心から30分でこの風景…

公用語はデンマーク語ですが、ほとんどの人が英語を上手に話します。というか僕はまだ大学はもちろんスーパー等でも英語を話せないデンマーク人に出会ったことがないです。デンマーク語は英語に似ていて、英語を習得するのはとても簡単だそうです(あるデンマーク人談)。うらやましいですね。

 

それに小さい国ですからテレビや映画等のメディアも自国のものだけでは不十分で、そこに英米のものがあふれていることも影響しているそうです。授業にも英語のものが多くありますし、英語だけで十分に生活していけます。

 

ただデンマーク語を読めないと、お店でその商品が何なのかわからなくて困ることはあります。見た目だけで判断すると、買ってきたお米がやけにベチャベチャになるなと思ったらリゾット米だったり、食器洗剤だと思って使っていたものが実は漂白剤の類のものだったりということがときどき起こります。

出典:www.expedia.co.jp

出典:www.expedia.co.jp

街もきれいで治安も良いデンマークに唯一文句を言いたいのは、物価が死ぬほど高いことです(笑)。だいたい東京の1.5~2倍くらいでしょうか。500mlのコーラがスーパーで300円弱します。500mlの水はスーパーでは5,60円で買えますが、セブンイレブン(北欧中にはびこっている)では400円を超えます。外食は学食等で安く抑えても800円くらい。基本自炊ですね。

 

そしてデンマークはビールで有名な国です。ノルウェーやスウェーデンは全ての酒類に馬鹿みたいに高い税をかけているのですが、デンマークではアルコール度数の高いウィスキーなどへの税率は高いもののビールへの税率は低く、日本と比べ割安に買える唯一の(?)品がビールです。一缶130円くらいです。素晴らしい。

 

他の留学生もその値段に誘われてなのか元々なのか、ビールが大好きです。学期のはじめに大学の建物の前に全新入生を集めて学長が挨拶をするセレモニーがあったのですが、その後方にビール売り場が設けられていたのには驚きました。

僕はビールが好きなのですがお酒に大変弱いので、赤い顔をして学長のありがたいお話を聞いていました。ヨーロッパ人はお酒強すぎです。デンマークはビール好きでお酒に強いとより楽しめると思います。

 

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ツボルグとカールスバーグが人気。引用元:www.just-drinks.com

 

留学先の勉強事情

やはりしたかった勉強ができるのは楽しいですね。

今僕はヨーロッパ情報保護法、デンマークの社会学的分析、メディア社会学の三つの授業に加えて、留学生向けのデンマーク語の授業を取っているのですが、特にヨーロッパ情報保護法は面白く、この分野はヨーロッパで特に発達しているので本場という感じもあって楽しいです。

 

ちなみに欧米の大学はみんな死ぬ気で勉強していると聞きますが、ぶっちゃけた話コペンハーゲン大学ではそうとも限らないです。どの授業でもリーディングの予習課題が毎週50-100ページほど出て、「そこそこ」の要求する勉強量は日本より高いとは思いますが、やらなくても何とかなる授業も多いです。

 

僕も「そこそこ」レベルくらいは頑張っていますが、留学生活も半分が終わってしまったことに焦りギアを上げたところです。ここに宣言しておいて自分を縛ります(笑)。

 

せっかくヨーロッパに来たということで、旅行もしています。一週間の秋休みや週末を利用してクロアチアのドゥブロヴニクやノルウェーのベルゲンなどに行ってきました。長年憧れていた場所だったので格別の感動がありました。旅行のせいでちょっと勉強をさぼっていていま多少ピンチです(笑)。

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アドリア海の真珠ことドゥブロヴニク

 

一日のスケジュール

典型的な一日のスケジュールはこんな感じでしょうか。

8:00 起床、朝食
9:00 家事(洗濯掃除買い物等)
9:30 勉強、授業の予習
14:30 授業へ行く
18:30 帰宅、夕食
19:30 趣味の時間か勉強
24:00 就寝

午後の授業が多いので家事は午前中にやることが多いです。ずっと実家暮らしだったので、お母さまのありがたみを感じる時間。

勉強は大学図書館ですることもありますが、最近は家ですることが多いですね。無音の状態が欲しいタイプなのです。またデンマークの王立図書館、通称ブラックダイヤモンドにもときどき行きます。モダンな外観とは反対に、おしゃれな木製の机や本棚が備えられた自習室の雰囲気はいかにも伝統あるヨーロッパという感じで座席に座っただけでテンションがあがります。

勉強中の合間には良く散歩をします。コペンハーゲンは公園の多い街です。緑と池を眺めながらぼーっと歩くのは良い息抜きになります。

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散歩コースの公園の池、街の中心部にある

学校までは自転車で片道だいたい15~30分くらいです。デンマークは国土が非常に平坦な国です。山どころかコペンハーゲンには坂すら全くありません。ですから自転車が交通手段としてポピュラーで、ほとんどの道路に自転車通路がくっついています。

やっぱりつらいこともある

大変なのはやはり言語ですねー。

 

海外在住歴もないですし英会話が特別得意であるわけでもなく、リスニングは受験勉強の頃から苦手意識がありました。これは留学に来てみるとなかなか致命的です。

 

リーディングは苦手でも一人で時間をかけてやれば問題はないですが、リスニングが苦手だと面と向かったコミュニケーションにストレスがかかって友達を作るのも大変になります。早口の英語や癖のある英語を全然聞き取れず絶望もしました。留学を考えているならばリスニングだけは鍛えておいた方がいいです

コペンハーゲン大学 出典:777news.biz

コペンハーゲン大学 出典:777news.biz

やっぱりというべきか留学先で英語に苦しんでいるのは日本人だけです。でも仕方ないですね。日本に住んでいて英語は要らないですし。教育の問題もありますし。むしろ言語に苦しむのに、その言語で勉強しに来ている日本人はえらい??

 

それとやっぱり勉強はつらいですね。上に楽しいと書いたことにウソ偽りはないのですが、「強いて勉める」と書く勉強はそもそもつらいものなのだろうと思います

特に、勉強するために留学しているわけですから、成果を残すことへの重圧がかかります。

しかもその成果が成績評価ではなく自分を満足させることだから難しい。最近は課題の負担が増え、家事と授業以外の時間は基本机に向かっています。でも考えてみたら日本でも法律の教科書を読んでちんぷんかんぷんのことも珍しくなかったような…

 

食事もつらいことのひとつでしょうか。僕は白米が大好きなのですが、当然こちらのお米は日本とは同じ味はしないですね。同居人のドイツ人が3週間ほど日本に行っていたのですが、彼は日本の食べ物にえらく感銘を受けたようで、「コペンハーゲンのク○みたいな食べ物でいったいどうやって生き残ってるの?」と訊かれました(笑)。

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食堂は量り売り、お味の方は…

留学に来てよかったか

留学にきて良かったかどうかは、まだわからないです(笑)。

なんせまだ留学開始2ヶ月ですし、留学の得も損も人生のずっと先に出てくるものだって多いでしょうから。でも悪くはないとは言えます。新鮮な勉強をできていますし、慣れない環境に苦しむ中でいろいろ感じ考えることもできています。日本の良いところも良くないところも知って、帰ってからの過ごし方もきっと変わる気がしています。

 

冒頭で述べたように僕は結構非主体的な人間です。留学に来たのも長年の志を貫徹したものではなくて半分思い付きで、デンマークの選び方も偶然に助けられたものでした。東大内で状況に甘えず常に全力で“主体的”に頑張り切るということができなかったし、この環境内では変われないと感じた、だから異なる環境、非“主体的”でも頑張らざるを得ない環境に入ってみたのです。

 

確かに人間そんなに劇的には変わらないです。むしろ「劇的に変わったものは健全ではない」です(誰の言葉だったか失念しました…だれか有名人の言葉の趣旨です)。でも“主体的”でなくても勉強も文化も他にも様々なことを学べる環境に身を投じたことには満足しています。“主体的”であること自身が目的なのではなくて、学ぶことが目的ですから。

 

それにデンマークに来て今までの当たり前を剥ぎ取られてみて(例えば自由に使える日本語で勉強していたこととか)、日本に戻ってからの過ごし方もきっと変わるような気がしています。

 

 

読んでくださってありがとうございました!

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ベルゲンから日帰りで行けるソグネフィヨルド

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Kuwabara

法学徒。コペンハーゲンにちょっと留学。情報保護の領域に関心がある。

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