「ハンカチ王子よりチヤホヤされたい」究極の努力信者・大熊将八の挫折と挑戦~高校編~

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水泳で10年連続全国大会に出場、京都の名門私立高校から東大に現役合格、学生競技ダンスで日本一、先日、自身が書いた小説『進め!!!東大ブラック企業探偵団』が講談社から出版された

 

こうやって経歴を並べてみると、誰もがうらやむ順風満帆な人生に見える。さぞ、人生イージーモードに違いない、と思うかもしれない。

しかし、僕は彼ほどハードな人生を送っている人を知らない。

 

常に自分に満足することなく、過去の自分自身や巨大な何かに追われ、格闘し続ける男。

どん底にいても、いつか跳ねる瞬間を信じて愚直にがんばり続ける、究極の努力信者。

 

きっとそれが彼の本質だ。

こぎれいなことだけ言うインタビューは欺瞞だ。かっこ悪い部分も見せなくては

と語る彼。

その言葉通り、「そんなことまで言っちゃっていいの?」とこちらが心配するくらい、自身の人生とこれからの展望を洗いざらい話してくれた。

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☞学生証

  1. お名前:大熊将八さん
  2. 所属:東京大学経済学部4年生
  3. 進路:ハンカチ王子を超える人気者

ハンカチ王子に勝ちたかった

0歳11ヶ月から水泳を始めた大熊は、恵まれた体格を生かして小3の時から全国大会の常連。

京都の名門私立・洛星に進学してからもその勢いは止まらず、国体での入賞経験もある。

しかし2006年夏、そんな彼の前に大きすぎるライバルが現れた。

 

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wikipediaより

ハンカチ王子こと、斎藤佑樹である。

駒大苫小牧のエース・田中将大との投げ合い、37年ぶりの甲子園決勝再試合に日本中が熱狂する中、大熊は一人嫉妬に狂った。

なんで俺じゃないんや。俺なんて勉強も水泳も頑張ってるし、もっと注目されていいはずや。ハンカチ王子ばっかりずるい!

はたから見ると意味不明な悩みだが、彼はいたって本気である。

あふれる思いを抑えきれなかった大熊は、「どうして自分じゃなくてハンカチ王子が世間でもてはやされているのか」という思いをつづった長文メールを水泳部の先輩数人に送り付けた。

ほとんどの先輩からは黙殺された。唯一返信してくれた先輩からのメールには、「とりあえず先輩には敬語つかえ」とだけ書かれていた。

 

先輩も多分、どこから手を付けていいかわからなかったんだろう。

超がんばるか、死ぬか

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大熊のライバルはハンカチ王子だけではない。

彼の通う中学は京都でも有名な名門校。

生徒の多くが開業医の子息や上場企業の御曹司で、一部が映画「ソーシャルネットワーク」に登場するファイナルクラブのような上流階級グループの雰囲気を醸し出していた。

そんな垢ぬけていて、どこか余裕感すら漂う金持ちグループに、母子家庭育ちの彼はずっと引け目を感じていた。

彼らにどうやって自分を認めさせよう?

大熊は考える。

圧倒的な努力を積み重ねれば、何も持っていない自分でも、生まれながらの勝ち組を超えられる。圧倒的な努力の先にある、誰も見たことがない景色を見たい。誰にも似ていない、唯一無二の存在になりたい。それはお金で何もかも手に入れてしまう彼らが、決してたどり着けない境地だから

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そして、決意する。

「ハンカチ王子を超えるためには、鼻持ちならない連中を見返すためには、東大に一番で合格・競泳で全国制覇、この二つを成し遂げるしかない。どちらか片方持っている人はいても、どっちもやる人はいない。そこまですれば、唯一無二の感動が得られるはず!

その言葉通りに、彼は文武両道に圧倒的な努力を重ねる。

特に水泳は、多い時で1日25㎞、時間にすると8時間も練習に打ち込み、中学生にして高3と同じメニューをこなし時には血便が出るほど、とにかく自分をいじめ抜いた。

 

大熊の辞書に「ほどほど」の文字はない。

「超がんばるか、死ぬか」それが彼のモットーだ。

夢破れ、引きこもりに

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そんな努力に、大会の結果はなかなか比例しない。ハンカチ王子の背中は遠ざかるばかり。

満たされない心の隙間に流れ込んできたのは、ネットの海にあふれる「隣国がやばい」という偏った情報。

2chなどに強く影響された彼は、いわゆるネトウヨ(ネット右翼)になってしまう。

しかしただのネトウヨで終わらないのがこの男。当時務めていた生徒会長の権限を使ってとある法案に反対するための決議を試みたり、議員にメールを送ったり、友達の親に向けて檄文のようなものを書いたり。

とにかく行動するネトウヨだった。

「今から考えたら本当に未熟で恥ずかしい。当然周りはドン引き。仲のいい友達にも、お前にはついていけない、と愛想をつかされてしまった」

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高1で国体に出場した時の大熊

自分の活動を誰も理解してくれない虚しさを抱えたまま迎えた高1の9月。

国体で7位入賞するも、達成感を得られなかった彼の中で何かがぷつんと切れた。

ある日を境に彼は学校に行かなくなり、家に引きこもるようになった。

 

「超がんばる」ことをあきらめた彼は「死ぬ」ことを選んだのだ。

復活の高2

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そんな絶望の淵から、彼は自分の力で這い上がる。

「自殺未遂をして親を泣かせてしまった時、さすがにやばいと気づいた。これ以上引きずるともう戻ってこれないかもしれないと思った。結局ビビりだから、落ちぶれ切れなかった」

親や先生の助けもあり、高2の4月に学校に復帰してからの彼の立ち直りは早かった。

100kgあった体重を20㎏近く落として、インターハイの参加標準記録を突破。

勉強では東大余裕でA判定、複数の私立高校を巻き込んで行う文化祭の実行委員会で幹部も務める、など水泳以外も軌道に乗り始め、ようやく楽しい学園生活を取り戻した。

でも、高1での挫折経験もあってか、偉大なことをしてやる!とは言っていても、できなかったら、また失敗したらどうしよう、そんな思いを抱えるようになってしまった。

 

後悔の高3

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そして迎えた高3夏、最後のインターハイ。

彼の目標、「東大に一番で合格・競泳で全国制覇」を成し遂げる最後のチャンスだ。

しかし、インターハイの前哨戦の近畿大会で思うような結果を出せなかった彼は、全力で取り組んでも成果が出せない恐怖にとりつかれ、勉強を理由に水泳の練習をおろそかにするようになってしまった。

かといって勉強を本気でしていたわけでもない。

そんな中途半端な状態のまま参加したインターハイは予選敗退、つづく引退試合の国体でも振るわなかったが、自分同様にインターハイで失敗した知り合いの女の子は、見事に巻き返して準優勝していた。

友人の快挙を喜ぶと同時に、湧き上がる思い。

 

あの時あきらめなければ、自分だってあの表彰台に立っていたかもしれない。もっとやれたはずなのに

 

それからは、もう取り戻しのきかない水泳のことばかり毎日考えて、受験勉強に集中できない日々を過ごした。

結局東大には現役合格できたものの、ぎりぎりすべり込んだような形。

一番とは程遠い。

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ハンカチ王子を超えられなかった。

金持ちグループに自分を認めさせることができなかった。

唯一無二の存在になれなかった。

 

そんな失意に打ちひしがれたまま、上京。東京大学に進学する。

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そんな失意の彼はどのように復活したのか、なぜ水泳ではなく競技ダンスで日本一に挑むことになったのか…

気になる大学編はこちらから!

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ABOUTこの記事をかいた人

田中マルクス

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