「プログラミングで一番人生が変わったのは、僕ですね。」6万人が利用するProgateの代表・加藤將倫氏をエンジニア集団で直撃!

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Progate というサービスをご存じですか?

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初心者から、創れる人を生み出す」 ことを理念とした無料のプログラミング学習サイトで、6万人以上のユーザーがいるんだそう。今日はその生みの親、工学部4年の加藤さんに、東大生エンジニアが会ってきました!

取材班

IMG_2256工学部3年、株式会社ZANONの河村さん。いつも家にひきこもってニュースアプリ「カレッジーノ」を開発している。今日は1ヶ月ぶりに電車に乗った。

 

IMG_2269工学部3年、株式会社FiNCでインターンしているオラオラ系エンジニア大田さん。メンターとして後輩に教える立場で、指導用にProgateを使うことも。

 


挫折続きだったプログラミング勉強が変わった瞬間

 

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学生証

  1. お名前:加藤將倫(まさのり)さん
  2. 所属:東京大学工学部電子情報工学科4年
  3. 進路:Progate CEO、投資家

 

— 今日はよろしくお願いします。数万人が使うサービスを作った学生……と聞いて、「5歳の時からC言語やってました的な天才エンジニアなのかな?」と思っていましたが、加藤さんがプログラミングを学び始めたのは大学2年生からだそうですね。どういう経緯でプログラミングを勉強し、身につけたんですか

 

大学2年生の終わりに、今 Progateで一緒にやってるメンバーに「プログラミングサークルを立ち上げるから、入らないか」と誘われたんです。その時はみんな全然プログラミングできなかったんですけどね。

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プログラミングサークルに加藤さん(右)を誘った、Progate共同創業者の村井さん(左)。

力んではいたものの未経験者だけなので、中途半端な感じになり……。そこでサークルは休止して、村井と自分は受託で仕事を受けて、実践で鍛えることにしました

 

その際に、プログラミングサークルの活動で知り合ったエンジニアの方に教えてもらったんですが、その人の教え方がすごい良かったんですよ。手取り足取り教えるんじゃなくて、「この順番で学びなよ。このマニュアルがいいよ。」みたいな教え方で。

 

誰でも順番と方向性さえ分かれば、ちゃんと学べるんだ、って痛感しました。それまでは何を学べばウェブサービスが作れるのか分からないから、手当たり次第、手を出して挫折してしまう、という感じだったんです。でも、その時初めてつくるものとそこに至るまでのステップを示してもらえたので、モチベーションが湧いたんです。

「何やってるの」と言われて何も返せない自分がすごくイヤだった

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— なるほど。僕は高校の頃、授業でプログラミングに初めて触れたんです。起業したいという気持ちを元々持っていたこともあって、大学に入ってからも延々と一人で勉強してました。加藤さんは、起業はいつから考えていたんですか。

 

それが、起業する3ヶ月くらいまでは全然考えていなかったんです。2014年7月に起業したんですけど、その年の3月くらいにsouth by south westっていうアメリカのスタートアップのイベントに、バーで知り合った社長に連れて行ってもらえたんですよ。出会ってまだ数日なのに、「英語が喋れるんなら、お前も来いよ」って。そこで感じたことが2つあって。

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south by south west の様子。 http://www.sxsw.com/ より

— (バーで社長と知り合う、って所が凄い。コミュ力高すぎだろ…)

 

一つは、起業家がかっこいいということ。みんなアクティブで、楽しそうに自分のプロダクトのことを語るんですよ。「まだ全然有名じゃないけど、絶対うまくいくんだ!」って。

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south by south west の様子。 abcnews.go.comより

もう一つ思ったのは、そういう人に「君は何してるの?」って言われて、「えっと、東大行ってます……」「あっそ」みたいに終わっちゃうのが凄いイヤだ、ということ。自分もなにか「こういうことやってます!」って言いたかったし、言えないことがめちゃめちゃ悔しかった。

その2つの思いをきっかけとして、「僕もなにか、自分なりのものを作って、ビジネスがしたい」と起業することにしました。

 

僕ら2人はその時期にはけっこうプログラミングができるようになってて、色んな人に教える機会が多かったんです。

色々な教材を見ていて、「自分だったらこうしたいな」「こうやって教えればいいのにな」とIT教育に関して思う所があったんです。たとえばcodeacademyは英語が出来る人じゃないとやれないし、かなりテキストベース。僕自身も昔挫折しちゃった。もっと、直感的に理解できる、初心者でも続くものを作りたいし、作ったら楽しそうだよね、って話していました。自然とProgateを作ることになりました。

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スライド形式で直感的に学べるProgate

始めて投資が決まった日のこと

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共同創設者の村井さん(中央)と、投資家の松山さん(右端)達と。

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— そもそも、最初に出資してもらうまでってどんな感じだったんですか。起業していない学生にはイメージがつきにくいです。

 

起業して1週間後くらいに、ベンチャーキャピタルが開いているパーティーで会った方にエンジェル投資家の松山大河さんを紹介していただいたんです。それで「君たち面白そうだから投資してあげるよ~」って言っていただけて。その投資の話が決まった時は凄い嬉しかったですね。

 

村井と二人で、僕が昔バイトしてた茗荷谷の居酒屋に飲みに行って乾杯しました。「自分たちのプロダクトを見せて、投資してもらった」ってのが、当時の僕達にとっては凄い嬉しくて。めちゃくちゃ無邪気にはしゃぎましたね。それからも2回増資してるんですけど、毎回その飲み屋に行って祝ってます。

創設メンバーが辞めていくのが、一番辛かった

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2014年にユーザー数が1000人を突破した時に撮影。

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— 僕は、まだ「これがやりたい」というものはないので、起業をするつもりはないんですが。起業していて、何が一番辛いんでしょう。

 

一番最初からやってたメンバーが、良くない形で辞めていった時。それは凄い辛かった。自問自答しました。「なんでやってたんだっけ」って。元々自分と周りの人を助けたくて始めたサービスなのに、良くない形で別れてしまった。すごく、悩みました。

 

— どう向き合ったんですか。

最初は負の感情が大きくて、フラストレーション溜まったんですけど。

自分の周りで起こるものに対して、人のせいにするんじゃなくて、「原因は自分だ」ってしっかり認めないと同じ事を繰り返すだろうなというのを思って。

これからも辞めていく人はいるし、うまくいかないことはあると思うんですけど。その度に辞めていった人のせいじゃなくて自分のせいにすれば、同じパターンでの辞め方は減っていくと思うから。それを繰り返していくしかないんだろうな、と思っています。

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— 僕の働いてる会社の社長も言っていました。辞めていく時が一番つらいと。経営者ってそうなんですね。

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— 僕は、自分の会社がどんどん成長していく中で、自分の実力が追いつかなくなって、自分が何をすればいいのか分からなくなったことがあって。それが一番辛かったんですね。必死にもがいて、エンジニア職に進む事になったのですが、加藤さんにもそういう時期はあったんでしょうか?

 

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東大駒場キャンパス付近にて。

わかります。実際僕も、progateの開発環境とメンバーが充実していく中で、自分の役割ってなんだろう、と考えるようになり悩んだ時期があります。

天狗になってたんだと思う。まだ何の経験もないのに

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オフィスにて

もともと僕はエンジニアとして開発に携わってきたんですけど。このまま開発を続けていって良いのか、社長としてやるべきことはもっとあるのかもしれない、と考えたり。

それが去年の年末から1月。悶々と悩んでたんですけど、その間に周りはどんどんコードを書いて成長していくわけです。

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そんな中で僕は一人悶々としていてあまり成長していない。これは結局良くない、と考えて出た結論としては、「このフェーズって、自分の役割を考えるのは甘いな。取り敢えず目の前にあることを全力で、誰よりも上手くやっていくっていう姿勢を持っていないと」と。

ちょっと数年間、普通の大学生活と違うことをしていたからといって、天狗になっていたんじゃないかと。

役割を考える前に、まだ何も経験ないんだから経験を積まないといけないんだ。最近はそう思っています。

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メンバーと。

— Progate共同創設者の村井さんは「プログラミングは人生を変える」と言っていますが、自分たちがprogateやってたから誰かの人生を変えたな、という経験はありますか。

ありますね。いま一緒に働いている僕の寮の後輩は、元々プログラミング未経験だったところから、インターンしているうちに出来るようになって。それがその子にとっていい経験か悪い経験かは分からないですが、少なくとも選択肢を増やすことはできたんじゃないかなと。他にも、僕ら昔progate campってのをやったんですけど、そのキャンプの卒業生にも起業した人とかIT企業で働いている人がいて。

あとはやっぱり、progateのサイト上のご意見箱で良いフィードバックもらえると、めちゃくちゃ嬉しいです。「progateで初めてプログラミングに触れました。そして、こういうものが作れるようになりました!」って。

逆に、辛辣な意見をもらうときはヘコみます

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— どんなのが来るんですか。

結構短く、「これクソだな」みたいな(笑)

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— 厳しい上に改善の余地がない……。中にいるのは生身の人間なんだ、ということを考えないのかもしれませんね……。

最終的な、ふたつの目標

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加藤さんの将来の最終的な目標ってなんなんですか。

二つ夢があるんです。一つは、progateをめちゃくちゃ大きくして、素晴らしいサービスにする。

もう一つ、もっと長いスパンでやりたいなと考えているのが、自分も投資する立場になって、その頃に起業したいと思っている人たちに自分の経験を伝えるということ。

さっきプログラミングは人生を変えるって話があったと思うんですけど。progateをやっていて、一番人生が変わったのは自分だと思うんです

起業するまでは、こんなふうに自分の人生を考えることもなかった。辛い経験から前向きに進もう、となるほど辛い経験もしていなかったし。昔の知り合いにも「すごく変わったね」、って言われるんです。

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そういった意味で起業は全員に薦められるものではないけど、少なくとも自分はいい経験をしたな、と思うので。10年後、20年後に同じような道を進んでいく人がいるのであれば、それを応援する立場のことをやっていけたら良いなと思ってます。

今僕らは投資を受けているんですけど、すごく感謝していて、投資して下さる方を格好いいなと思っているんです。自分たちも成功していて、その上でその経験を僕らに伝えてくれている。そういうことを自分も将来やりたい。

両親が教員だったのは影響してるかもしれませんね

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— お話を伺っていて、「自分のあとにプログラミングを学習する人のために」「自分のあとに起業する人のために」と、自分の後に続く人たちに自身の経験を教えよう、還元しようとする方だなあと思いました。なんでそういう傾向があるんだと思いますか。

 

そうですね、両親が元々教員だったんですよ。なので、教えるのは、そういうのもあってか好きですね。良い影響を与えることが出来た時は達成感があるし、感謝されるのも普通に気持ちがいいし。教える行為がとても好きです。

学生へメッセージ

— それでは、東大発メディアということで、学生に向けてメッセージをお願いします。

 

エンジニアになれ、とも、起業しろ、とも言う気はないんですけど、プログラミングを学んだことで、僕は選択肢が広がったんです

だからアメリカに連れてって下さる社長さんがいたし、起業しているし。

いま起業していることが正しいかどうかは今後の自分次第だと思うんですけど、そもそもその選択肢を与えてくれたプログラミングには本当に感謝しています

プログラミングって論理的に思考することができれば、あとは紐解いていくだけなので。学ぶ順序さえわかっていれば絶対できるんです。

それによって人生変えられるかどうかは自分次第だし、それが自分に合わないなと思えばやめてしまえばいいし。

ただ、まずは試して欲しいと思います

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— 本日は本当にありがとうございました!!

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ABOUTこの記事をかいた人

Kansiho

前代表。東大文学部、ネットサーフィンとウェブ制作が趣味です

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