【日本の大学最古の学術標本を展示している!?】東大博物館の謎に迫る!!

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博物館としての役割

 

最後にお二人に、博物館のあり方に対して伺った。

筆者:僕はこれまで展示場としての博物館の側面ばかり考えてきたんですが、東大博物館は資料の保存に注力しておられると知ることができ、新たな発見になりました。

久保さん:いや、そもそも博物館の本来の目的は資料の保存であって、むしろ展示の方が副次的な目的なんです。

そしてまた博物館は、保存されている資料を用いて研究を行う場でもあります。

しかも、これは東大博物館に限った話ではなくて、実はどこの博物館もそうなんです。

例えば、僕はここに来る前に福井の恐竜博物館にいました。恐竜博物館は家族連れもたくさん来られるような、レジャー施設としての側面が強いですが、そこでも最先端の恐竜研究が行われています。

どうしても博物館は一般の利用者にとって、イベントスペースのイメージが前面に出てしまいますが、本来はそうではないんです。

小高さんこの東大博物館では、博物館の研究的側面を来場者の皆さんに知っていただけるよう、展示に工夫をしています

例えば、資料研究室の一部をガラス張りにして、来場者の皆さんに見えるようにしています。

パソコンに向かって作業をされる。

引き出しの中には標本が入っている。

そのほかにも先ほど通ってもらった、巨大動物の骨が置いてある脇には、実際に標本の移送や保管に用いる箱をそのまま展示に利用していますね。

番号で割り振られているようだ。

人間の骨が展示してあるブースでも保管のあり方を再現しています。

それぞれの箱の中には大量の人骨が入っている。

筆者:確かに、実際の研究のありようがよくわかる展示でした。

小高さん:東大博物館は、資料の質、量ともにおいて、研究するには非常に恵まれた環境なんですよね。

院生の利用はありますが、学部生は利用する機会があるということを知らない人が多いのか、あまり利用者はいませんね。許可をもらえば、学部生でも資料研究ができるので、貴重な資料を有益に活用していってほしいです

久保さん:とはいえ、知的好奇心を持って展示を見ることで、その分野に対して興味を持ち、研究という道に進んでいく人がいることも考えれば、展示という側面も重要ではあります。

小高さん:はい。博物館は世界観が大事なんですよね。東大博物館は解説なども少なく、やや分かりにくい展示になっているかもしれませんが、それがかえって東大の博物館としての特色になっています。

小高さん:また、考えなければいけないのは、もっと小規模な博物館の問題です。

そういう場所は、自治体などからの支援を得るために、人に来てもらえるような展示づくりに力を注いで、社会にアピールしていかなければいけない。だから小規模な博物館は東大博物館のように研究に専心できないのも現状です。

東大博物館は大学博物館としての歴史もありますし、また世間からも注目されがちですから、博物館としてどのようなあり方を取るべきか考える必要があります。そしてそれを実行していかなければいけません。

研究機関としてのあり方を大事にしながら、国立大学の一施設として、どのような立場をとっていくべきかが課題です。

筆者:博物館のありようはとても複雑なんですね。

今日の学術の発展において、博物館が大きな役割を担っていることが分かりました。

本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 

最後に

 

みなさんいかがでしたか。

みなさんの考えていた東大博物館とは異なる面が見えたのではないでしょうか。

 

取材に応じてくださった、小高さん、久保さん、そして博物館に所属しておられるみなさんにお礼申し上げます。

 

そしてこの記事を最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

チロルです。 小学校の時に、少年が全国に散らばったチロルチョコを集めに旅に出る、という漫画を描きました。

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