君はもう、「みんなで筋肉体操」を観たか?
2018年、NHKが満を持して真顔で世に送り出した希代の名番組「みんなで筋肉体操」。
ゴリマッチョな3人のイケメンが己の筋肉をいじめ抜く美しい姿に心打たれ、マッチョの道を志した視聴者は少なくなかったはずだ。
講師を務める谷本道哉氏の決め台詞「筋肉は裏切らない」が流行語大賞にノミネートされたり、
コミケ会場でのコスプレ(?)がバズりまくったり、
遂には紅白歌合戦にまで出演して天童よしみの歌をマッチョに盛り上げたりと、
世間の話題をさらいにさらいまくった。
「”2018年は筋肉の年だった”と言っても過言ではない」という説が一部の界隈ではまことしやかに語られているほどだ。
(番組を残念ながら見逃してしまったおともだちは、太っ腹なNHKさんがYouTubeで公開してくれているので要チェックだ!!)
https://www.youtube.com/watch?v=WndOChZSjTk&feature=youtu.be
さて、筋肉体操で話題となった、あのゴリゴリマッチョ三銃士の中に、実は東大卒のイケメン弁護士がいたことを皆さんは知っているだろうか。
その名は、小林航太さん。
流行の最先端を行く異色のエリート弁護士のぶっ飛んだ生きざまに、UmeeT編集部が迫ってみた。
小林さん、今日は日々筋肉でお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます!よろしくお願いいたします!!
よろしくお願いします。
早速ですが、小林さんの大学生活に迫らせてもらいます。流行語大賞にもノミネートされ、一躍時の人となった小林さんですが、どんな学生時代を過ごしていたんでしょうか?
そうですね、学生時代はひとことで言うと「よくいる普通のオタク大学生」でしたね。
「よくいる普通のオタク大学生」…? 小林さん、オタクなんですか…?
ええ、オタクです。
そ、そうなんですね。オタクの人って、割と細身の人が多いイメージがあるので少し意外でした。でも、それだけマッチョということは、きっと大学ではガッツリ部活動をされていたんですよね…?
いえ、ゆる~い文芸サークルに所属してました。あまりガッツリ活動しているところは嫌だったので、なるべくゆるいところを選んだ記憶があります。一、二年の時に所属していたのが、“新月お茶の会”というサークルです。
新月お茶の会公式Twitterより引用。現在もバリバリ活動している文芸サークルである
筋肉体操のストイックな雰囲気からは全く想像がつかないですね!サークルではどんな活動をされていたんですか?
サークルで本を作ってコミケで売ってたりしてました。もともと『げんしけん』みたいな女の子とワイワイするイメージで入ったのに、全然そんなことなくてショックだったのを覚えています…。
理想と現実の差ですね…。それで、科類は文科一類とのことですが、やはり弁護士になられただけあって、勉強の方はみっちりされていたんですよね。
いえ、決して褒められたことではないんですが、あまりやる気のある方の学生ではなかったですね。あまり授業には出ずに、シケ対頼みでなんとか単位はギリギリ取る、といった感じでした。
ますますイメージがわからなくなってきました…。ところで、今のところ筋肉成分が完全にゼロの学生生活なんですが、何をきっかけに筋トレにハマったんですか?
筋肉が出てくるまではもうちょっと時間がかかるんですよね。まず、2年生の時にたまたま2ちゃんねるのコスプレの掲示板を見て、面白そうだなと思ったんです。
コ、コスプレですか?
ええ、コスプレです。最初はコスプレをすること自体より、衣装を作るのが面白そうだなと思ったんですが、とにかくやってみようと思ってたんですね。それで、HALOという海外ゲームの主人公、「マスターチーフ」のコスプレを作ってコミケに行ってみたんですよ。これがその時の写真です。
小林さん公式Twitterより引用
いや、めちゃめちゃクオリティ高くないですか!?!!?!?? これ、作るのめちゃめちゃ大変そうですね。
そうなんです。衣装づくりは基本的に死ぬほど大変ですね。この衣装は特に色塗りが大変で、駒場の学生会館に部室があったんですが、そこでラッカースプレーを使って一人で塗ったのをよく覚えています。臭いんですよね、ラッカースプレーって。
あのボロい学生会館でラッカースプレーの臭さと戦う青春…。
それで、筋肉はまだなんですね。
ええ、まだです。もう少し待ってください。
「筋肉の人」って聞いてインタビューしに来たのに…
で、そんなコスプレ活動をしつつ三年生になり、特別な理由もなく法学部に進学しました。ここで一つ問題が発生したんですね。
問題というと?
私はずっと実家暮らしをしていたんですが、実家が横浜にあるんです。駒場は、湘南新宿ラインで渋谷に出ちゃえば比較的行きやすいんですが、本郷って行きづらいんですよ。駒場と違ってキャンパスも駅から微妙に遠いし。
あ~確かにそうですね。駒場の「駅徒歩10秒でキャンパス」は正直めちゃめちゃありがたい。
そうなるとどういうことになるかというと、ますます大学に行かなくなったんですね。
今をときめくエリート弁護士とは思えない発言ですね…。
法学部の授業って全部大教室だし、出席とらないじゃないですか。そうなるとやっぱりちょっとめんどくさくなっちゃいますよね。
ちょっとめんどくさくなっちゃった。
そんなこんなで、コスプレ以外には特に何も生産的な活動をすることなく三年生になっちゃったんですが、三年生になると周りがみんな進路のことを考えるようになるんですよね。ロースクールのために勉強を始める人とか、官僚を目指す人とか、普通に就職するためにインターン行ったりする人とか。
なるほど、そこでようやく「そろそろ自分もちゃんとしなきゃ!」って思い始めたわけですね。
ええ、自分でもそうなると思っていたんですが、法律関係の仕事をしたいなあ、となんとなく思いつつなんとなくだらだらしていたら、四年生になってたんですよね。
なんとなくだらだらしていた。
ええ。ちょっとさすがにこのまま卒業するのはまずいな…と思ったので、わざと単位を取り切らずに戦略的留年をしました。
戦略的留年って言う人、9割が戦略ないですよね。
で、五年目に入ったんですが、いまいちスイッチが入り切らなくて、うっかり六年目を迎えてしまいました。
時間軸がバグってませんか?
よい子の東大生の皆さんはマネしないでくださいね。そうして、六年かけてようやく大学を卒業したんですが、やはり最初に目指した弁護士の道を進みたいと思って、一年間勉強した後にロースクールに入りました。ただ、普通法学部出身の人はある程度法律の知識があるので二年コースに入るんですが、自分は一から勉強しなきゃいけないと思って、三年コースに入学しました。
勉強する気があるのかないのかわからない。
で、司法試験に受かりまして、今は弁護士をさせてもらっています。
さらっと司法試験に合格しないでください。
次ページ、小林弁護士が脱ぐ。