【アジアのエリートであるために】日中最高峰の舞台で東大生は何を思ったのか?

LINEで送る
Pocket

最高の舞台で何を学んだか?

───議論以外で印象的だったことは何かありますか?

田中:2011年には、運営スタッフの代表として東京セッションの開催・運営に務めたのですが、当時はちょうど東日本大震災の次の年で、その対応がものすごく大変でした。北京側に東日本大震災の実際の影響を認識してもらうことや、実際に安全を確保して開催することにとても苦労しました。

まずは北京側が何を最も懸念しているのか正確に把握するため、質問票を作って北京側の参加者・スタッフに回答してもらいました。回答を踏まえて、日本の状況を専門家に話を聞いて北京側に情報共有をしたり、東京開催以外のプランBを考えたりもしました。

また、企業の皆様も震災の影響に苦しんでおり、協賛先を探すことにも苦労しました。最終的には、無事セッションを開催することが出来て本当に嬉しかったです。運営スタッフとして京論壇に携わるのも、様々な経験ができ、とても面白いと思います。

 

土屋:セッション中、議論の進め方について、北京側の議長にメンバー全員の前で指摘をしたら、彼がものすごく怒り、場が凍りつくという事件がありました。

東大側が、メンバーの面前で指摘をしたのは、「中国の人は日本人と比べてガンガン意見を主張するから、こちらもストレートに伝えて平気だろう」というステレオタイプを心に持っていたからだと思います。けれども、その後きちんと話し合うと、彼は班員の面前で注意されることで、自分の名誉、リーダーとしての面子が傷つくと感じ、何より嫌だったということが分かりました。

実は、彼は最初上手く議論に入れなかった東大側のメンバーの一人が大丈夫かどうか、本人に配慮して裏で東大側の議長に伝えてくれるといったように、非常に細やかな心遣いをする人でした。私たちが相手の国に対する無意識の思い込みに縛られていたことを思い知らされるとともに、常に所属集団ではなくその人自身を見ることの重要性を痛感しました。

あと、北京側がもてなしてくれて、ご飯がとても美味しかったです!!!北京大の子に「私もう北京に永住する」と言いながら、毎食美味しい中華料理を食べていました(笑)

 

───京論壇での活動は、その後どのように活きてきましたか?

土屋:まず、英語力が非常に向上し、IELTSの点数も伸びました。その一方でやはり、母語でない言語で、様々なバックグラウンドを持ったメンバーの中、議論をリードして行く経験を積めたことは非常に大きく、自分自身の英語力の課題も痛感しました。

やはり日本語でメンバーの議論を進めていく場合と比べると圧倒的に難しいですし、自分の意見を表現する力、相手を説得する力、議論全体を進行していく力、それぞれ大きな力不足を痛感しました

この「英語力がやはり足りない」という危機感がきっかけになり、ペンシルベニア州のリベラルアーツカレッジであるスワスモアカレッジに、この秋から1年間留学に行くことになりました。誰も自分を知らない環境に飛び込み、そこで議論をリードしていくことが出来るようになりたいです。

加えて、京論壇ではキャリアや価値観について話す機会も沢山ありました。分科会の中で最年少の参加者だったこともあって、就活中や、既に進路が決まっている先輩から色々な話を聞いて、自分のキャリアに関する価値観が変わる機会をもらいました。

 

田中:京論壇への参加を通して、一人の個としてどれだけ勝負できるかという「個の力」が非常に大事だと改めて思いました。

京論壇は理念として「共創未来(共に未来を創る)」を掲げており、両国の若者による忌憚のない議論を通して、両国の「共創未来」の一助になることを目指していると思いますが、やはり忌憚のない議論をするにも実力が必要だと痛感しました。北京側は英語ができて、議論にも慣れているので頭の回転も早く、私も含めた東大生は議論についていくのに苦労していました。

さらに、北京大生は大学を卒業してから、アメリカやイギリスの大学院に直接留学にする人が多く、国境を越えて活躍しているのが、非常に印象的でした。京論壇での経験が良い刺激となって、私自身もアメリカの大学院へ留学することを決めました。

加えて、卒業後に実感したことではあるのですが、参加時にできた強いネットワークがあります。例えば、私がコロンビア大学留学中に、ニューヨークで同窓会をやったときは、シンクタンクで働いている北京大卒業生や、ローファームで働いていた東大卒業生、留学で来た人も含め、6、7人集まりました。京論壇の卒業生が、国境を越えて、各分野で活躍しているので、再会するたびに大きな刺激をうけています。

 

次ページ:東大生よ、一歩踏み出そう!

LINEで送る
Pocket

この記事に感想を送る▼

メールアドレス (必須)

メッセージ