【三度の飯よりコレが好き・マテリアル工学科】「目的の像が見えるとアドレナリンが出まくります」

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自分の研究のココが好き!

私の思う電子顕微鏡の魅力として、まとめると「大きな電子顕微鏡と小さな3つのモノ」の関係性にロマンを感じています。

①大きな電子顕微鏡とその内部の小さな技術

顕微鏡と言われると実験室で使ったことがあるような手で持てるサイズを想像されるかと思うのですが、電子顕微鏡、特にSTEMは物によっては高さが2フロアをぶち抜くくらいあり、重すぎて地下にしか置けない(そうでなければ床が抜けてしまうらしい)という大きさです。

お値段もムチャクチャ……だそう

その巨大な装置の中に、小さなものを見るためのものすごく繊細な技術が数多く詰まっています

 

そんな機械を大部分手作業で動かすのでもちろん大変な部分もありますが、やりがいはその分大きいです

②電子顕微鏡を用いた大きな実験とそのための小さな努力

電子顕微鏡を用いて実験をしているわけですが、観察するサンプルを作るのも私たちの実験の一部です。

 

ご想像の通りすごく小さなサンプルを作る必要があるのですが、場合によっては数十から数百ナノメートルの薄さのサンプルを手作業でヤスリで削って作ることもあり、少しでも力加減を誤るとジ・エンドということもよくあります。

必死の研磨の末に出来上がったサンプルを電子顕微鏡まで移動させるときに落とすなんてことがあると、研究室の床を這って探すこともあります…笑。

落とすとこういう顔になります

いざ電子顕微鏡までたどり着いても、動かすために半日かけて顕微鏡の設定を行い、1日かけて実験を終えるとその解析に移ります。

 

実際電子顕微鏡を用いた大規模な実験が月一くらいで、残りの地道な準備や考察が不可欠です。

③大きな電子顕微鏡で小さなものを見ること

何と言っても一番楽しいのは、電子顕微鏡によってこれまで見えなかったものが見えてくるという所です。

例えば、2010年に世界で初めて直接観察された水素は、原子の中で一番軽いため検出が極めて難しく、10年前には可視化なんて無理だろうと言われていたそうです。

そんなものが本当に見えるようになるのってすごくないですか

 

実際新しい実験をしていると、突然顕微鏡のレンズが動かなくなったり、振動や磁場に弱いため運行する地下鉄の電車によって実験結果に影響が生じるなど、様々なトラブルがありなかなか思うように行きません。

この時ばかりは「千代田線よ止まれ」と思う。

また、新しい結像法を研究しているので、自分の考えた方法が合っているのかどうかはいつも不安で、手探り状態のまま研究が進んでいくことがほとんどです。

しかしその分、目的の像がようやく見えて来た時はアドレナリンが出まくります。さらにその像が想定していたようなものと違っている場合、それが何か新しい発見になるかも知れないという面白さもあります。

電子顕微鏡研究は日進月歩

今この時も電子顕微鏡の技術は日々進んでいて、今は原子間の結合をどれだけ細かく見るかというところまで来ています。

今後科学がどのように発展していくにしろ、今まで見えなかったものを見ようとする研究はどんどん進んでいき、どんどん新しいものが見えてくるだろうと思います。

 

その一端に関われる電子顕微鏡研究、楽しすぎますよ

 


 

「見えないもの」に対する愛と情熱に溢れた素敵な文章を、ありがとうございました。

次回は教養学部統合自然科学科物質自然科学の方にお話ししていただきます。お楽しみに!

 

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工学部マテリアル工学科 写真を撮ったりします。挙動不審です。やらかします。

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