【三度の飯よりコレが好き・社会心理学】「人間である以上、所詮私も研究対象」

LINEで送る
Pocket

自分が研究していること

私は、「赦す」(普通の「許す」は許可を与えるという意味でも使われるのに対して、「赦す」は誰かの加害によって生まれたネガティブな感情が軽減されていくという過程を指します)ということ、

特に「赦しはどうすれば促進されるのか?」に興味をもっており、それを知るために赦しの促進要因についてまず調べています。

 

私自身、人を赦せなくて苦しんだ時期があったのですが、最終的にその人を赦したことによって、自分の心の動きについてより深く考えるようになったり、他人に対して寛容になれたりしたという経験がありました。

その時に自分がたどった精神的な過程を科学的に証明したいと感じたこともあり、大学3年生の冬ごろから「赦し」に関する研究をやっていきたいと考えるようになりました。

人はどうやって他人を赦しているのでしょうか

さて、人を赦したいと思ったとき、皆さんならどうしますか?

 

ひどいことをした相手の立場に立ってみる(「視点取得」といいます)」と答える人もいるかもしれません。実際、それは赦しを促進する強力な要因としてこれまでの学説でも支持されてきました。

しかし、相手が明確な加害意図を持っていた場合はどうでしょうか?私は、そのような場合には相手の加害意図やその背景についても深く考えることになってしまい、逆にますますネガティブな気持ちを持ってしまうのではないかと考えました。

これが、私が卒業論文で示そうとした仮説です。

 

具体的な手法としては、加害意図の有無や視点取得の有無の条件分けを含むシナリオを読んでもらった後、加害者への赦しの程度を測るアンケートに回答してもらうという方法をとりました。

データ分析の結果、仮説は支持されず、視点取得は加害意図が強くても弱くても赦しの促進要因になるということが分かりました。

自分の研究のココが好き!

私は、自分が興味を持っていること、というだけでなく社会の役に立つ研究を行いたいと思っています。

赦せないということは、いつまでも被害者の立場に置くということであり、そこに存在する負の感情は確実に被害者の精神を蝕みます。その苦しみを軽減するには相手を赦すことが必要だと思ったのです。

実際に、赦すことで精神的な健康が取り戻されるという報告もあり、私も赦せなさに苦しむ人を少しでも助けることができればと思いこのテーマを選択しました。

 

私の立てた仮説は実際には支持されませんでしたが、視点取得という行為についてもっと知りたいという気持ちが強くなり、研究という営みの奥深さに惹きつけられました。

これから研究したいこと

「赦し」は、研究者によって定義も様々ですし、類似概念も多く複雑です。

そのため修士進学後本格的に研究をしていくにあたっては、赦しの中でもよりピンポイントで自分の興味のある部分を明確化しなければなりません。

また、赦しの促進要因について探っていくのと並行して、「赦しはもう一度加害行為をされる可能性を高めてしまう」という主張に対しても反対意見を述べていく必要もあります。

 

そのような中でも自分の研究の方向性を見失わず、ゆくゆくは、赦せないことにより苦しみを抱えている人たちに対してよりよい介入の仕方のヒントになるような研究成果が発表できれば、と考えています。

そんな成果が得られたら、まず一番に、人を赦せずに苦しんでいた過去の自分に教えてあげたいですね。


第一弾にふさわしい愛の詰まった文章でしたね…!

次回文学部英文科の方にお話していただきます。お楽しみに!

 

LINEで送る
Pocket

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、文学部行動文化学科社会心理学コース所属のみやこんぬです。大学1〜3年の間は吹奏楽サークルに所属していました。本記事では、社会心理学に興味を持ったきっかけや研究テーマをお話しします!

この記事に感想を送る▼

メールアドレス (必須)

メッセージ