”空から”研究を見てみよう!

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院生=井の中の蛙?

「そういえば、他の人ってどんな研究をしているんだろう?」

これは私が研究室で時々ふっと思うことです。

 

ところで皆さん、普段の研究室ライフはどのようにお過ごしですか?

だいたい毎日朝から晩まで研究室で研究して、お昼休みは弁当を買いに行ってデスク飯、あるいは近くのお店に食べに行く…という院生が多いんじゃないかな、と思います。(中には時々気分転換でスポーツして汗を流す!爽やか院生もいると思いますが…)

 

しかし、ある時こんな感じの生活を送っていた私は考えたのです!

 

「そもそも、今自分がしている研究って世間的にメジャーな分野なのかな?それとも、マニアックな分野だったりするのかな?」

「研究の世界にも流行り廃りがあるらしいけど、じゃあ今は何が流行っているのかな…?今やっている研究って流行りに取り残されてたりするのかな…?」

…などなど。

 

つまり、

「広〜い視点で見た時に、自分の研究はどんな立ち位置にあるのかな?」

ということに疑問を持ったのです。

 

と同時に、

「今の自分って自分の研究だけにフォーカスしてるから、めっちゃ視野狭まってるな〜」

ということに気づいたのです。

 

「大学院生による大学院生のための異分野交流コミュニティ RICへの招待状」でも言っていたように、同じ研究室の人の研究は把握してるけど、隣の研究室の研究さえもサッパリ…なんて人も多いのでは?(かくいう私も…。)

まさに“井の中の蛙“状態

そんな井の中の蛙な自分は初めて学会に行ったとき、(発表件数が1000件くらいの大きな学会)

「えっ!!!同じ分野の研究者ってこんなにいるのか!!!」

とびっくりしてしたのを今でも覚えています。

 

と同時に、

「この人たちはどんな研究をしているのかな?同じ分野の中でも特に人気があるテーマとかってあるのかな?」

と、自分の専門分野の全体像を見てみたいな、と思うようになりました。

 

ということで、本記事では過去に私が持った疑問を解消、すなわち研究分野の全体像を見渡す(“空から”見る)方法を紹介したいと思います!

このカラフルなウニみたいなのを使って分析します。(これの詳しい解説は、後ほど!) 

 

論文数ってどのくらいあるの?

まず初めに本題の方法の説明に入る前に、どうやったら“空から”研究を見ることができるのかちょっと考えてみましょう。

 

研究者は、自分たちの研究成果を「論文」という形で世の中に発信します。

つまり、全体像が知りたい分野があったときその分野の論文を全部調べれば、理論上、全体像を把握することができるはずです!

 

いきなりですが、ここでクイズ!!!!

 

Q. 一年間で世界で発行されている論文の数はおよそ何本くらいでしょうか??

  1.       3万
  2.       250万
  3.       9800万

 

 

予想できましたでしょうか?

 

ちなみに、それぞれの数値は…

 

①      3万:ジャーナル(雑誌)の数

②    250万:一年間で世界で発行されている論文の数1

③      9800万:ジャスティンビーバーのインスタのフォロワー数(2018年3月現在)

 

ということで、答えは②250万でした!

 

つまり、この結果から何が言いたいかというと…

論文は常にものすごい数が発行され続けている!(しかも発行のペースは年々加速している!)

ということです。

単純計算すると、だいたい1日に7000本の新しい論文が毎日発行されているということになります!

 

自分の専門に限ったとしても、こんなハイペースで発行されていては「論文を全部読んで研究の全体像を得る」…なんていうのはほぼ不可能なのです…。

そこで!コンピューターか何かが自動的に大量の論文を分析してくれたらなぁ…と思いませんか?

実は、そういうシステムがあるのです!

 

学術俯瞰システムとは…2

一言で言うと、まさに大量の論文を自動的に分析して全体像を作成するシステムです。

 

もし私たちが大量の論文の内容を理解しようと思ったら、一本一本地道に目を通していくしかありません。

これに対して、学術俯瞰システムは論文を近い研究内容ごとに自動的にグループ分けし、そのグループごとのキーワードを抽出します。

これによって、おおまかな研究の全体像を捉えることができます!

 それでは次に、実際に学術俯瞰システムを使ってみた結果を見てみましょう。

 

実際に使ってみた

先ほどのクイズの答えで、ジャスティンビーバーのインスタのフォロワー数に驚いた人がいるかのしれないので、今回は

インスタグラム

に関する研究について調べてみましょう!!!!

 

学術俯瞰システムを使って、インスタグラムに関する研究を調べた結果、下のような全体像が得られました!

インスタグラムに関する研究の俯瞰図

図の線の一本一本は論文間の引用関係を表していて、線の端は論文を表しています。(次の章でまた詳しく説明します。)

 

この結果を見てみると、赤、青、黄、水色、オレンジの5つのウニのようなものが観察できます。(緑のウニは小さいので今回は無視します。)

よって、インスタグラムに関する研究は大きく5つに分かれていることがわかりました。

 

また、各ウニの高頻出キーワードを下にまとめました。

 

 

キーワードを観察してみると、同じインスタグラムに関する研究でも、心理学的な研究、ビジネス的な研究、危険な行動に関する研究、位置情報に関する研究…などなど様々な切り口の研究が行われていることがわかりました!

 

やはりインスタといえど、それについての研究はとても学術的ですね!(う〜ん、思ったより真面目な結果になってしまった!(笑))

 

俯瞰図作成の流れ

次に、どうやって学術俯瞰図を作るのか、その手順と原理について説明します。

 

①検索語を決める

分析したい研究分野に関係のある単語を検索語に設定します。

今回はインスタに関する研究の俯瞰図を調べたかったので、検索語を” instagram”に設定しました。

 

②検索語を含む論文を抽出する

①で設定した検索語を含む論文をデータベースから引っ張ってきます。

 

③論文間の引用ネットワークを構築

②で抽出した論文同士のうち、引用関係があるものを線で結びます。

 

④論文のグループ分け

③で作成したネットワークを、特に密になっているところを一つのかたまりとみなしてグループ分けをし3、それぞれに色をつけることでカラフルなウニが出来上がります。

この段階で、論文が似ている研究内容ごとにグループ分けされます。

 

⑤かたまりごとの研究内容を調べる

各ウニのキーワードを調べることで、それぞれにどんな研究が含まれているのかを調べます。

 

学術俯瞰システムのおおまかな流れ

  

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