東大卒ミステリー作家が追いかけた「ゆめ」

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突然ですが、みなさん!

東大生ならもちろん本を読みますよね!(謎の偏見)

これだけ賢いんだから、さぞかし多くの本を読んで知識を蓄えていることでしょう。

東大生ならこれくらいの読書、当たり前ですよね…

もちろん、そんな東大生のうちの1人である私ももちろん本を読みます。

え?本当かって?

漫画20冊に対して、文庫1冊くらいの比率でしっかり読書してますよ!!!!

 

そしてある日のことでした、、、

駒場の書籍部をブラブラしていたら一冊の本とPOPを見つけました。

駒場の書籍部にありました

辻堂ゆめ『いなくなった私へ』

人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃はある朝、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ます。昨夜からの記憶がなく、素顔をさらしても誰からも認識されない状況に戸惑う。さらにはニュースで上条梨乃の自殺報道が…。梨乃は自分を認識できる青年・優斗らの力を借り、自らの死について調べだす。『このミス』大賞優秀賞受賞作!

東大在学中に書いたデビュー作がこのミス大賞,優秀賞に選ばれているとのこと。

え、何かすごい。。。

気になって調べてみたら、辻堂さんは法学部在学中に作家デビューしたらしいです。

 法学部出身で、あんなにきつい授業を受けながら小説を書き続けていた。

しかも今は会社員と小説家の二足のわらじ状態。

キャパが凄い、、、

この人あれだ、天才だ。。。

多分こんな感じ(違う)

 

そんな辻堂さんに会ってみたい、、、

ということで会ってきました!!

小説家ってどんな人?

さてさて、という訳で取材のアポを取り、日時が決定したわけなんです。

決まったはいいものの、事前に下調べもせずに取材に行くのは非常に失礼なので、小説家についてのイメージを膨らませてから行きたいと思います。

小説家ってどんな人なんでしょうか???

全知全能?のAIに聞いてみました

 

なるほど、イメージは大体掴めてきました。
(ちゃんと下調べしましたよ!!笑)

 

実際に会ってみると……

取材行く前は小説家だし、すごい変わり者なのかなとか勝手にビクビクしてたんですけど、とてもいい人でした!(ボキャ貧)

それでは以下取材の模様をお送りいたします!

学生証

  1. お名前:辻堂ゆめ(つじどう ゆめ)さん
  2. 所属:東京大学法学部卒業
  3. 略歴:神奈川県藤沢市出身。中学1年生から高校1年生までをアメリカで過ごす。2014年法学部在学中に、第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞。代表作に同賞を受賞した『いなくなった私へ』がある。現在は会社員と小説家の兼業をしている。

Q.作家になろうと思ったきっかけについて

ー作家になりたいなぁと思ったのはいつ頃だったんですか?

辻堂さん:幼稚園のときですかね。

ーよ、よ、幼稚園ですか、、、ずいぶん早いですね……。

辻堂さん:幼稚園のときに本を読んで、純粋に面白いなぁと感じたことが一番最初に本に対して興味を持ったときでしたね。

筆者の思い出せる幼稚園時代

 

ー小説家になりたいなという夢が具体化したきっかけとかって何かあったんですか?

辻堂さん:中学校のときに一人で小説の完成系を書き始めたことですかね。

小学校のときにも自分で原稿用紙に書いてまとめるみたいなことはしてたんですけど、実際にちゃんとした小説を書き始めたのは中学校のときなんです。

あとは、中学校のときにリレー小説みたいなことをしてましたね。中学一年生の時は友だちとノートに半分ずつ書き合って話をつくったりしてました。中学2,3年のときは短編小説みたいなものを書いてましたね。

当時はアメリカにいたので、小説を見せ合ったりできる日本人の友達とかは全然いなくて、インターネットでリレー小説みたいなのが出来る所を探したんです。

ある日5,6人ぐらいの人が参加してるページを見つけて、そこに参加させてもらいました。そしたら、ある時にみんなで書いた短編を見せようってなって……。

他の人に自分の作品をちゃんと見てもらうっていうのは、多分これが初めてでしたね。

 

中学生時代の筆者

 

ーなるほど!参加してる人ってどんな感じだったんですか?

辻堂さん:私が一番若くて、当時14歳?くらいで、あとは二十歳くらいの人が2~3人と三十歳くらいの人が2~3人で、男女混じってる感じでした。 

ー辻堂さんはどんな小説を書かれていたのですか?

辻堂さん:当時は純文学系をよく読んでいたので、家族小説みたいな感じの純文学を書きました。

べた褒めされたというわけではなかったんですけど、自分が完成させた作品を人に読んでもらえて、具体的な感想をもらえたのが嬉しかったですね。

お父さんと子供がいて、お母さんが死んでしまっているという設定のお話でした。
物語の中で子供がクリスマスに貰ったケーキを捨ててしまうというシーンがあったんです。

私の作品を読んでくれた方から「一見暖かそうなお話だったけど、そのシーンで子供のモヤモヤした感情を感じました」という意見を貰ったんです。

自分が予想していた反応とは少し違いました。

でも、読んでいる人が読んで抱いた感情と、自分が考えていたことが違うってことを実感できた気がしました。
感想を貰うと作者の側にも新たな発見があって、それが面白いなと感じました。

例えば小説のラストを絶賛する人と酷評する人がいるじゃないですか。あれに似たようなことだと思うんです。

確かに本の感想って一人一人違いますよね。

 

Q.ミステリー作家として

ーそもそもなんでミステリーを書こうと思ったんですか?

辻堂さん:高校生の時に湊かなえさんの『告白』をよんだことですかね。

アメリカから日本に帰る飛行機の中で読んだんです。
アメリカでも日本の本は読んでいたんですけど、そんなに種類はなかったし、それまではミステリーってあんまり読んだことはなかったんです。

読んでみると、びっくりした回数もすごい多かったし、ミステリーってすごい面白い!と思ったんです。トリックとかを予想すると読みながらワクワクしちゃいますよね。最後にはどんでん返しもあって……。これがきっかけですかね。

謎ってワクワクしちゃいますよね

 

ー辻堂さんが小説を書く上で特に意識していることってありますか?

辻堂さん:そうですね、大きく分けると2つあります。

1.驚かされたことによるくやしさや快感、「騙された!」と思えるようなミステリー的な要素を盛り込む

2.主人公の人間ドラマなどの話を通して、読者の心に働きかけるものがある

ただ単にミステリーのトリックが凄いとかだけではなく、登場人物に感情輸入がしっかり出来るように気を付けています。読み手に対するメッセージ性みたいなものを作品の中にしっかりと入れるようにも心掛けています。

たしかにミステリーのトリックも重要ですけど、登場人物の動機とか人間関係も気になりますよね。ミステリーの主人公はトリックではなく、結局は人間なわけですし。
奥が深いですね、、、

ートリックのネタとかってどういう風に考えているんですか?

辻堂さん:高校くらいからやり始めたことなんですけど、日常でふと気づいたこととかをすぐにメモするんです。

自分が夢の中で見たこととか、友達と話しているとき、電車の中とか日常の中で気づいたこととかを書き留めるって感じですね。

ーそのメモから作品を作ることって多いんですか?

辻堂さん:ほとんどすべての構想はこのメモから出来上がってますね。

小説ってゼロから書くことはできなくて特にミステリーはアイデアありきだと思うので大事かなと。

高校時代のメモでまだ使ってないものとかもあるんですよね。例えば『いなくなった私へ』も作品のアイデアはこのメモを見返してたときに思いついたんですよね。

 

とても丁寧に答えていただきました

 

Q.人生のターニングポイントについて

1.アメリカに行ったこと

ーそもそも何でアメリカに行ったんですか?

辻堂さん「父親の転勤です。ですから、自分から行きたいと思っていたわけでは全然ないんです。

アメリカに行って、まったく勉強が出来ないとはどういうことかを知りました。

私は当時、英語が全くできませんでした。英語ができないと授業を理解することが出来ないので、学校の成績はビリに近かったです。日本では勉強が全然わからないなんてことはなかったけど、アメリカに行ってからは勉強がとても大変でした。言語ができないだけで凄い劣等感を感じるんです。

この経験から来ているのかは定かではないんですけど、編集者の方によく目線が低いと言われるんです。悪い意味ではなくて、登場人物の目線から話が出来ているということらしいです。

アメリカ時代に感じていた自分への劣等感が少なからず今の小説家として自分に影響を与えているんだと思います。

東大生ってやっぱりグローバル、、、

 

2.東大に来れたこと

辻堂さん:まずは東大っていうネームバリューが大きいですかね。

東大在学中にデビューしたというだけで、注目してもらえましたし、東大生っていうだけで周囲からの印象もかわりますよね。(ちなみに辻堂さんは文1を0.1点差で合格しているんです。運命的なものを感じました笑)
あとは、普通に生きてたら中々出会えないような人に沢山あえたことです!

 

色々な人に出会えるというのは確かに東大の魅力の一つですよね!

東大生って意外に普通でつまらないと思ったそこのあなた!
UmeeTの記事をネットサーフィンしていれば個性豊かな色々な東大生に出会えますよ!!

みんな違ってみんないいって感じですね

 

3.作家になれたこと

ー作家になるって大変なことだと思うんですけど、辛かったことはありますか?

辻堂さん:絶対小説家になりたいから、小説を書かなきゃいけないと思っていたわけではないんです。

高校の受験勉強のとき、大学のサークルで代表を務めていたとき、法学部の授業で忙しいとき。どんなときでも空いている時間があれば「今日は小説がかける、やった!」という感じで書き進めていました。

高校生のときは受験勉強がとても大変だったので、夜に自分のケータイで3行だけ書くのを楽しみにしてました。

インタビューをしていて感じたことなんですけど、おそらく辻堂さんが小説を書いていない時期ってないんですよね。
本当に小説を書くのが好きなんだなぁと感じさせられました。

まさに「継続は力なり」ですね。

 

ーもし作家になれてなかったら、今頃何をしてたと思いますか?

辻堂さん:小説を書き続けていたと思います。

ーえ?

辻堂さん:どのタイミングで小説家になれるのかはその人によって全然ちがうじゃないですか。

20代とか若いころから小説家としてデビューする人もいれば、50代頃にデビューする人もいますよね。自分が書いている作品もどのタイミングで評価されるかはわからない。

でも小説を書くことは好きなので、ずっと書き続けると思います

おぉカッコいい、、、

正直言ってほれました。

辻堂さんの意志の強さを感じました

 

なぜ小説家になれたのか

取材の中で辻堂さんがこんなことを言っていました。

 

大変なことが重なり過ぎると、好きなことでもきらいになることってありますよね。

小さい頃に器械体操をやっていたんです。器械体操は好きだったんですけど、コーチに怒られのが怖くて萎縮してしまったり、体に大きいアザを沢山つくったり、好きなのに疲れやストレスなどの要因が上回って嫌いになってしまう。

自分の好きなことを嫌いにならないようにすること。
これは意識的にも無意識的にも注意していますね。

自分を振り返って、自分がなんで作家になれたのか、そう聞かれると、

「好きでい続けられたから」

そう答えるのが一番しっくりくるかなと思います。

 

辻堂さんは天才だから作家になれた。

そうではないと思います。
取材をして感じた事、それは一見すると大変そうなことを沢山やってきたということ。
そして、自分が好きなことを好きでいられるように努力をしていた。

だからこそ、辻堂さんは小説を書くことが本当に好きで、心の底から愛せるのだと思います。
小説を書くことを夢を叶えるための使命、課題ではなく、好き、楽しいという一心でやれていた、やれるようにしていたことがすごいんだと思います。

だからこそ「ゆめ」を叶えることできたのではないでしょうか。

自分も頑張ろうと思いました

 

東大生へのメッセージ

―東大生にメッセージをお願いします!

辻堂さん:難しいですね……。

現役東大生であること自体にある程度の価値があり、注目もされると思います。

東大生はみんなポテンシャルを秘めていると思います。みんな頭の中で思い描いていることはあっても行動に映せていない人が多いんじゃないかな。小説家になりたいなら小説を出版社に出してみる、アーティストになりたいならライブを開いてみる。

漠然と思っているのではなく、夢に繋がる行動を起こすことが重要だと思います。

「行動力」大切ですね。

 

これからの「ゆめ」

現在はミステリー作家として活躍中の辻堂さんですが、これから先も様々なことに挑戦したいとのこと。

もしかしたら、ミステリー以外を書く日も来るかもしれませんね。

辻堂さんの作品を読んでファンになってしまった筆者としては楽しみで仕方がありません!

また、最新作の『悪女の品格』ではこれまでの三作とは違い、テンポを重視した読みやすい作品になっているとのことです!

装画:おとないちあき     装幀:岩郷重力+WONDERWORKZ

 

駒場の書籍部にも平積みされていました!

是非ご覧ください!!

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