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東大生が入学早々に仕掛けられるドッキリ、あなたはご存知ですか?【オリ合宿下クラ潜入体験記】

2017.07.02

オリ合宿。

東大生ならこの行事を知らない人はいないでしょう。

オリ合宿とは、二年生(上クラ)が同じクラス番号の一年生(下クラ)の親睦を深めるために企画する、一泊二日のクラス旅行です。

そんなオリ合宿で、二年生が一年生のフリをして紛れ込むドッキリ(下クラ潜入が時折仕掛けられているのをご存知でしょうか?

一部のクラスでは伝統的に(?)行われているのですが、知らなかった人やどんな感じか想像できない人もいるかもしれません。

この記事では、実際に今年下クラ潜入をした私の体験談やそれを通して見えてきたことなどを書いていきます。

なんで私が下クラに!?

そもそも私達のクラスがが下クラ潜入をすることになった理由は、去年上クラに潜入ドッキリをされた伝統(?)を引き継いだからです。

誰が潜入するか上クラオリター内で推薦投票を行ったところ、私に決まりました。

おそらく選ばれた理由としてはこいつド田舎出身だし高校の後輩が下クラになることはないだろwww」というのが大半でしょう。(というかそもそも高校の後輩が一人も東大来てなかった)

オリ合宿は上クラとして気軽に楽しみたかったので、正直下クラ潜入には乗り気じゃなかったのですが、選ばれてしまったものはしょうがありません。

「どうせやるなら全力でやってやろう」ということで、できるだけ多くの新入生と仲良くなろうと決めました。

だって、ネタバラシのときに「え、あんな奴いたっけ?」ってなってスベるのが一番怖いじゃないですか(笑)。(実際私が下クラのときは、潜入してた上クラの人があまり認知されてなくてネタバラシで微妙な空気になりました)

それだけは絶対に避けようと思いました。

「下クラ全員と話す」以外これといった作戦も練らないままあっという間に月日が経ち、下クラとしてのオリ合宿が幕を開けました。

そしてこの時私は重大なミスを犯していることにまだ気付いていないのでした…。

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諦めたらそこで潜入終了

オリ合宿当日の朝、集合場所で下クラの集団に混ざり雑談をする私。この時点で、上クラ数人はあからさまにこっちを見てニヤニヤしています。

私は上クラの会話に入りたい気持ちをグッと抑え、ひたすら下クラに話しかけました。

この時点では特に何も問題はなかったのですが、この後早くも潜入がバレそうになる時がやってきます。

バス移動の時間です。

バスに乗っている約4時間、隣に座った下クラと、ボロを出さずに会話し続けなければなりません。

まずは、「出身どこ?」「中高の部活は?」など無難な話題から入ります。このあたりは全然大丈夫です。

次にする会話も「サークルどこ入るか決めた?」「バイト何やる?」などお決まりのもので、これも特に困ることはありません。

そんな初対面の人同士がするような話題でダラダラと1時間半くらい話した頃でしょうか、ついに会話が途切れてしまいます。

もちろんそれまでにも何度か会話の間が空くことはあったのですが、それらは初対面でもさほど気にならないタイプの沈黙で、お互いが気まずさを感じるようなそれが訪れたのは初めてでした。

私の脳裏にあることがよぎります。

(やべえ、もう話題ねえ…)

おそらく相手も同じことを思っていたことでしょう。もともと私は初対面の人としゃべるのが得意じゃないので早くも話題が尽きてしまいました。

何とか沈黙を破ろうと必死に話題を探している最中、私は思い出してしまったのです…。

入学したばかりの東大生は入試の話が大好きだということを

そういえば、数学何完だった?」

急にそんな質問をされ、私はドキッとしました。

それと同時に、自分の犯した致命的なミスに気づきました。

今年の入試問題を全く見てなかったのです!

(こんなことならネットで入試問題見とくんだった…)私は激しく後悔しましたが、今は会話に集中しないといけません。

何完くらいが普通なんだろうと思いながら「3完だったよ」とテキトーに答えます(後になってかなり数学が簡単だったことを知る)。

必死に話をそらそうとしますが、「このまま入試の話が続いたらヤバい」という焦りから動揺してしまってうまく会話をリードできません。

「早くこの流れを断ち切りたい」という私の思いもむなしく、今年の理科の傾向がどうだったとか、模試では何判定だったとか、ひたすら入試関連の話題が続き、気付いたら近くに座っている下クラもみんな同じような会話をしています。

何とも恐ろしい光景です。

そんな中、ついに私に死刑宣告が下されます。

「英作文何書いた?」

………いや、今年の自由英作のお題とか知らんやん。

これはどう答えてもボロが出るやつや、と思いながらどう返すべきか必死に考えました。

オリ合宿開始2時間にして早くも大ピンチです。こんな他愛もない質問で潜入がバレかけるとは思ってもいませんでした。

もうダメかと思い諦めかけたその時

「逆にお前は何書いたの?」

という天才的返しを思いつき、なんとかその場を切り抜けます。

その後もことあるごとに入試の話題が登場したのですが、具体的な内容のことを訊かれるたびに、「逆にそっちはどうだった?」と馬鹿の一つ覚えみたいに聞き返すことで切り抜けていくのでした。(多分下クラからすればものすごくウザかったことでしょう)

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バスケと映画が好きです。徳島県出身。
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