【運動会報コラボ記事】エースとして、法学徒として。宮台選手が挑む「最も困難な道」

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「勉強と部活を両立したい。」

誰しもが、一度はこのように思ったことはないでしょうか。特に東大生の皆さんや、東大を目指している高校生の皆さんは、見事に勉強と部活の「二刀流」を達成している人も多いかと思います。

しかし上には上がいるのは世の常。今回は、「日本最強の勉強と部活の二刀流大学生」を紹介します。

勉強では文系の最高峰、東大法学部で学び、部活では硬式野球部のエース左腕としてチームを引っ張っている彼。皆さんもご存知、宮台康平選手です。

みやだいさんこぴー

 学生証

  1. 名前:宮台 康平(みやだい こうへい)選手
  2. 所属:東京大学法学部第二類4年
  3. 部活:東京大学硬式野球部4年

 

 

東大野球部を背負う彼の、勉強と部活の両立の話はもちろん、エースとして挑む最後の年への抱負、普段なかなか聞けないプライベートな話まで余すところなく取材してきました。

全学生、必読です。

インタビューの前に~宮台選手、どのくらいすごいの??

インタビュー内容をお届けする前に、「名前は聞いたことがあるけど、宮台選手ってどのくらいすごいの?」という方もいると思うので、これまでの宮台選手の成績についておさらいしておきましょう。

通算成績 4勝6敗 防御率2.51

まず、この4勝という成績。「本当にすごいの?」と思うかもしれませんが、東大野球部の通算成績は、宮台選手が初めてマウンドに立った2014年秋季リーグからの通算で5勝50敗。東大野球部の近年のほとんどの勝利に貢献していることが分かります。

そして防御率。これは9回を投げて失点する得点を示しています。と、いうことは、宮台投手は完投(9回全てを1人で投げること)しても3点以内に抑えるピッチングをしてきたわけです。

さらに、すごいのが奪三振。2勝をマークし、最も活躍した2016年春季リーグ戦では、投球回44回に対し39奪三振を記録していることから、ほぼイニングに三振を1つ奪っている計算になります

最速150km/hのストレートに多彩な変化球で奪三振ショーを繰り広げる、それが宮台選手のピッチングです。

この防御率や奪三振、当然プロとは打者のレベルが全く違うとはいえ、数字を見るとプロに匹敵するレベルです

プロ入りも期待されている野球に加え、法学部での勉強を見事に両立している彼のすごさが分かったところで、インタビュー本編をお楽しみください!

※東大野球部および宮台選手の成績は2016年度秋季リーグまでのものです。

 

―そもそも、なぜ東大にはいったのか?

まず「東大野球部の宮台が生まれるまでの、大学以前のことについて聞いてみました。

 

―野球自体はいつから始めたのですか?

小学校3年の時から始めました。当時は外野手でしたが、高校2年のころから本格的に投手をやるようになりました。

―高校時代はプロを目指していましたか?

高校時代は甲子園を目指していました。しかし、プロに行きたい、という意思はありませんでした

―そうだったんですか!では、他の六大学で野球をしよう、という思いも?

はい。慶応も考えていましたが、まずは勉強をしっかりやろう、自分の将来の選択肢を増やしていこう、という考えから東大を目指そうと思っていました。

 

自分の将来を見据え、野球漬けの毎日から東大を目指すことに決めた宮台選手。となると、気になるのはこの質問。

 

野球部から東大受験へ、というのは相当大変ではなかったですか?

高校が勉強と部活を両立するのが当たり前、といった雰囲気だったので、頑張れました。事実両立できている人が多くいたので、その人たちに負けないように」という思いが原動力になりました。

野球でも、勉強でも「周りに負けたくない」という気持ちで成功をつかんだそう。さすがの一言です!

 

―大学では、勉強と部活をどのように両立しているのか?

続いて大学での勉強と部活の「二刀流」について聞いてみました。法学部と言えば、試験範囲が圧倒的に広いことで有名です。法学部の記者自身も苦しんでいますが、宮台選手はどのように「二刀流」を続けているのでしょうか。

 

―宮台選手は大学での試験にどうやって対応しているのですか?

普段は部活に打ち込んでいます。勉強は年末年始のオフの期間で一気にシケプリ(*1)を読み遅れを取り戻すようにしています

年末年始のオフだけでですか!?かなりの量ですよね?すごい集中力ですね。

確かに量は多いですが、集中力がすごい、と自分で思ったことはないですね。

―では、どのような心構えで勉強と部活の両立をしているんですか?

片方に打ち込むときはもう片方のことを忘れるくらい真剣に、という姿勢で臨んでいます。たとえば、ボールを投げるときに『勉強して東大に入った』ということは関係ないと思っています。法学部生として試験を受けるときも、『野球部だから』ということは関係ないと思って、自分の勉強の蓄積で勝負しよう、という気持ちでいます。

 

二刀流だからこそ、それぞれの領域のプロフェッショナルを目指す。それが、勉強と部活の両立の秘訣ですね。

 

~ひとこと補足~

(*1)試験対策プリントのこと。東大では学生が分担して授業内容をまとめたプリントを作成し、一致団結で試験を乗り切る。法学部は教授の話をそのまま書き起こすので、膨大な量になると有名である。

 

―「野球選手」としての自分の強みとは?

次に、「野球選手宮台」としての素顔を探るべく、野球に関する質問をしてみました。

 

―野球選手として、ここは誰にも負けない、という部分はありますか?

球種(*2)としてはやはりまっすぐに自信があります。

―なるほど。ちなみに、コーチだった桑田真澄氏(元巨人)(*3)からピッチングについてアドバイスなどはあったのでしょうか。

アウトロー(*4)のまっすぐを磨け、といわれました。これは野球では基本にあたりますが、桑田さんレベルの方がおっしゃるとやはり重みがありましたね。

 

かつてプロ野球の一時代を築いた大先輩からの言葉を胸に、宮台選手は練習に励んでいるようです。次に精神的な面について聞いてみました。

 

―それでは、メンタル的な部分での自分の強みはどこですか?

どんな状況でも気持ちで負けずに打者と勝負できるところです

―さすがです。しかし、ビハインドの状況でも気持ちを保つのは大変ではないですか?

0対1から勝っていくのが東大だ、と考えています。ビハインドの中で気持ちを保って9イニングしっかり投げ切ることは、自分にとってむしろやりがいでもあります。

 

ビハインドの状況から気持ちを維持し、仲間の逆転を信じながら完投を目指す。それをやりがいと言ってのける宮台選手はさすがの精神力の持ち主です。

 

―では逆に、終盤で勝っているとやはり緊張しますか?

はい。応援にも熱が入るのがわかります。そういう時は、相手の方が緊張しているだろう、と考えるようにしています。

―逆転の発想ですね(笑)それでは、リーグ戦期間中、というロングスパンでの気持ちの維持はどうでしょうか。

試合で課題が見つかることもありますが、1週間単位でどうこうなるものではないので、次の週の試合に今の自分の100%をもう一度持ってくることを第一に考えています

 

~ひとこと補足~

(*2)球種とは、投手が投げるボールの軌道の種類。まっすぐ、というのはストレート。日本人最速は日本ハム大谷翔平選手の165km/h。他にも、宮台選手はスライダー(高校野球でもよく使われる、最もメジャーな変化球の1つ)や、チェンジアップ(相手のタイミングを外すために投げる遅い球)を投げる。

(*3)1985年に巨人に入団し、エースとして活躍し、メジャーリーグにも挑戦した。引退後、2013年から東京大学硬式野球部のコーチを務める。

(*4)野球のストライクゾーンは、左右はホームベースの幅、上下は胸あたりから膝までとされている。アウトローというのは、打者の膝くらいの高さで、且つ体から最も遠いコース。

 

次ページ:宮台選手の座右の銘である「最も困難な道に挑戦せよ」、その真意とは?

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ABOUTこの記事をかいた人

東京大学運動会に関わる、幅広い活動を展開しています。 東大生がもっと運動、健康、スポーツに親しんでほしい、そして、各方面で活躍する運動部を、身近なものとして応援してほしい。そんな願いを胸に、日々活動しています。

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