【テスター募集】東京大学、キャンパス内AR技術を試験導入へ

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AR(Augmented Reality) ―――拡張現実。 なんてワクワクする響きでしょうか!

実は今年度より、AR技術が駒場・本郷キャンパス内限定で、試験導入されることになりました。

本日は、大学科学化機構(University Scientify Organization)より、学生広報部の高橋隆さんをお招きし、この新技術を徹底解剖したいと思います!

高橋さん

大学科学化機構の高橋隆さん。今回のAR実験の仕掛人だ。

 

まず、大学科学化機構って?

編集部(以下、編):高橋さん、本日はよろしくお願いします。まず、今回のAR技術のご説明に入っていただく前に、大学科学化機構について教えてください。

高橋さん(以下、高橋):はい。大学科学化機構は、昨年9月に発足した東大直属の研究開発チームでして、大学自体の設備を向上していく試みを行っております。

これまで東京大学は最先端の知を創造していく立場でありながら、その生産した知を自分自身に生かす、ということをしてこなかったんですね。

そのような反省があって、我々大学科学化機構は、作った知をちゃんと活用しようという視点から活動しています。

東京大学にAR技術が必要な理由

編:今回の「東大AR」試験導入はその第1弾となるわけですが、なぜ第1弾としてAR技術を選ばれたのでしょうか?

高橋:身も蓋も無い話をしてしまいますと、予算の問題が一番大きいです。

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フランクに見えながら、切実な眼差しが編集部に突き刺さった。

大学設備の改良、というテーマが与えられたとき、やはり真っ先に思いつくのはハード面の強化だと思います。

本音を言えば、東京大学は日本トップクラスの学生が集まる場でありながら、キャンパスの老朽化が激しく、他の国際的な大学と比べて設備があまりにも貧弱なのです。本来ならこれを直接的に改良したいところだったのですが、本当に、あまりにも、予算が足りない。

(あまりにも、の部分に尋常でない語気が込められていたことを、ここに補足しよう。)

編:そこで、AR技術ですか。

高橋:そうなんです。一種の苦肉の策というか。実際の現実を変えるにはお金が足りないから、拡張現実でなんとかしよう、というわけなんですよ。それに、東京大学には、AR導入を安価にすすめられる、特殊な土壌があるのです。

編:その土壌とは?

高橋:メガネ率の高さです。東大生は他大に比べてメガネをかけている人が圧倒的に多く、ARという形でメガネをかけてもらうことに抵抗が少ないのではないか、と考えました。

また、コスト面からも、メガネ自体を作らず、メガネに取り付けるアタッチメントだけを作ることで、省コストが実現できる。これは東大にしかできない素晴らしいプランだということで、実施に踏みきったのです。

アタッチメント

メガネに取り付けるアタッチメント。軽量な割に、バッテリー稼働時間は48時間と中々にパワフルだ。

(期待が高まる編集部。ここからは、実際にキャンパス内で「東大AR-Glass」を使っていく。)

東大特化すぎる自己紹介機能

高橋さんの案内の下、編集部一同は初期設定を進めていった。

(注:以下に登場する個人データは、AR機能を紹介する都合上、本人のものと異なる点、ご承知おきください。)

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初期設定はAR専用アプリで行っていく。アプリとGlassの指示に従って登録すればよいので、慣れない人でもすごく簡単だ。

U-Tokyo Accountと連携することで、様々な機能が使えるようになる。

打ち込み(メガネ加工済み)

AR-Glassを身につけながらアプリを操作すると、なんか近未来的でテンションが上がっていく。

パーソナルデータ

U-Tokyo Accountと連携したことで、大半の項目は自動入力されている。これらの項目は自由に書き換えることができる。また、SNS連携も設定できる模様。

 

高橋:みなさん、自己紹介画面まで行きましたでしょうか。入力欄の横に、それぞれ一つずつ「目」のアイコンがあると思います。それをタップしてみてください。相手の情報が見れるようになります。

感動

編集部から湧き上がる感動の歓声。私たち、未来に生きてる!

:…あの、この下に出てるCEPって何ですか? 756とか813とか出るんですけど。

高橋:あー、これ、センター試験の点数です。

特に新入生は、センター試験の点数の話で気持ち悪いほどよく盛り上がると聞いたので、お手伝いできればと思って実装しました。戦闘力みたいでカッコいいですよね。

:(マジで東大生用だこのメガネ…)

819点

こうなってみると、センターの点数にしか目がいかない…。

:この、クラス入力欄についてる+マークは何ですか?

高橋:タッチしてみると設定欄があると思うのですが、クラスの名称によって、表示色やエフェクトを自動変更できる、一種のお遊び機能です。

クラス表示設定

登録欄に指定ワードを入れると、その指定ワードが含まれるクラス名の表示方法が変更される。

高橋:たとえばそうですね、「文科三類 フラ」と入力し、横のエフェクトの欄から、「キラキラ」を設定してみてください。

文三キラキラ

設定したらこんな感じに…!

高橋:文三フラ語がキラキラします。

:(この人、技術をもったアホだ…!)

 

教室ナビゲーション機能

高橋:そろそろ、5分後に3限が始まる時間ですね。みなさんのAR-Glassに、アラートが出たと思います。説明用のデモなので、全員のAR-Glassには大講堂(安田講堂)が映っているかと思いますが、実際には、履修している授業の教室が自動表示されます。

navigation

教室までの最短ルートが表示される。迷える新入生にやさしい機能になりそうだ。

:これがあれば、キャンパス内を迷って遅刻、とかが無くなりますね。

高橋:そうなんです。しかも、東大のキャンパスは、そこまで広くない割に遅刻しやすい。その原因は、教室の番号が、本当に非合理的な並びになってるからなんですよ。

例えば駒場キャンパスですと、号館の並びもあっちこっちに番号が飛んでいて、2号館と3号館が死ぬほど遠かったり。教室番号も、下から2番目が階の番号という基本原則でやってるのに、122教室は1階、743教室は3階にあるんですよ。こんなキャンパスですから、迷って遅刻しても仕方がありません

:(あ、この人憎悪を燃料に頑張るタイプだ…)

リアルブロック機能

高橋:最後にですね、このAR技術が「試験導入」である最大の理由、割と過激な機能を一つご紹介したいと思います。リアルブロック機能です。

:…ブロックというのは、SNSとかで相手アカウントを拒絶する、あの「ブロック」ですか?

高橋:そうです。そのブロックです。それを現実世界でやったらどうなるだろうかと。

試しに一人ブロックしてみてください。先ほどのSNS連携が効いてるので、皆さんが普段お使いのSNSでブロックしたら、自動的にAR-Glassでもブロックされますよ。

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これが…

砂嵐の方

こうなる。もちろん、本人からはこの映像は見えない。(AR-Glassで撮影)

 

高橋:嫌な顔を見なくて済む、という機能ですね。ちなみに、ブロックされた方からは、自分がブロックされていることには気づきません。声も普通に聞こえますし。

:これ、賛否両論ありそうな機能ですけど、実装して大丈夫なんですか?

高橋:我々でも議論になりましてね。嫌なモノは見ないようにする、という設計は、異文化理解の妨げにならないかとか、断絶を生むんじゃないかとか、そういった議論になりました。しかし、嫌いな人とただすれ違うだけで、その人へのネガティブな感情が蓄積し、より過激な考えに至ってしまうという現実もあるかもしれない。それよりかは、顔が見えないことほうが過激化を緩和できるのではないか、という考えも持ち上がっている。正直我々では結論が出なかったので、試験導入してみよう、ということなのです。

:一種の社会実験、ということですね。

ブロックします

ブロックの際にAR-Glassに表示されるテキストメッセージ。この技術については、ユーザー自身も深く考える必要がありそうだ。(AR-Glassで撮影。)

最後に、大学科学化機構よりお知らせ

:何と言いますか、東大にしては「攻めた」技術でビックリしました。最後にお知らせの方をお願いします。

高橋:ありがとうございます。

このプロジェクトは、2017年度より駒場・本郷キャンパスで試験導入をいたしますが、実施にあたりまして、先着1000名限定で、βテスターを募集しております。

受付は駒場キャンパス・コミュニケーションプラザ北館2階多目的教室3、教科書販売所の隣の部屋にて。平日の10時から17時まで、4月末日まで受け付けております。

配布は一人一台まで、受け渡しの際、学生証のご提示が必要となっておりますのでご注意ください。

皆様のご参加をお待ちしております!

:以上、東大University Scientify Organization 学生広報部・高橋さんとともにお送りいたしました!

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けいとけー

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