【法学って何が楽しいの?】中学生でも5分でわかる「法学」の話

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法律って不思議ですよね。

家の前の信号を無視すれば、道路交通法違反。隣のあの子に消しゴムを借りるのは民法593条の「使用貸借契約」。

よくわかんないけど、法律はわたしの身近に、いつも、いる。

でも―――身近なはずなのに、ちょっと近寄りがたい。

民法はなんと1044条まであるらしい。たかが消しゴムを借りるだけのことを、「当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ること」なんていう。作った人は頭がいいんだか悪いんだか。

ある友人が、いつだったか言ってました。

「法律かぁ、興味はあるんだけど、勉強するのはちょっとなぁ…」

見るからにやばそうな法律書の数々

 

こんにちは。法学部4年の山田智希といいます。私たち法学部生は、そんな、法律をはじめとする様々なルールについて、日々学んでいます。

私はいままで数え切れないほど「法学ってなに?楽しいの?」と聞かれ、実を言うとうまく答えられませんでした。

しかし…つい先日、いつものようにカルピスのお湯割りを飲んでたら、突然ひらめいたんです。

「そうか、『あれ』を例にとって話せば、中学生でも法学がわかるじゃないか!」と。

 

そこで!

きょうは、そんなたとえ話を使いながら、「法学とは何なのか」「法学は一体何が楽しいのか」について、どんな方でもわかるように5分でさくっとお話ししようと思います!!

中は見たいけど入りがたい、そんな“お化け屋敷”のような法学の世界へ、いざ、まいりましょう!!

 

法学はそもそも何を学ぶのか

私はいままでこう尋ねられて、「民法」や「刑法」を無理やり持ち出して説明していました。

でも民法なんて、ふつうの人にはなじみがない。だから、うまくいかなかったんです。

そうか、ってことは、もっと身近な「法」を例にとればいいんだ。

じゃあ、たとえば。皆さんはいま高校生だとします。ある日、先生からこんな課題を出されたら、どうしますか?

「1週間後に、どんな切り口でもいいから、わが校の『校則』について研究発表して下さい」

ふつうはそんな課題出ませんけど、ちょっと考えてみてください。意外に結構難しいですよね。

校舎 イラスト

でも、どんな切り口でもいいんです。

  • うちの校則がどんな経緯で作られたか」を調べてくる人もいれば
  • 同じ市内のP高校とわが校の校則を比べてみた」という人もいるでしょう。
  • 細かいことが気になる人は「校則の第5条に『緊急のとき以外は廊下を走るな』とあるけど、『緊急のとき』とは具体的にどんな場合か」とか
  • 友達想いの人なら「この間友達が廊下を走って指導を食らった。先生はなぜあれを『緊急のとき』に当たらないと考えたのか
  • うちの学校は伝統校で風紀を重んじるべきだ、だから校則はもっと厳しくあるべき」というはた迷惑な研究をぶち上げる人もいたり…。

法学も、まさにこれと同じなんです。

一口に法学と言っても、いろいろあります。

  • 一人目のように法の歴史を研究するのが「法史学
  • 二人目のように諸国の法を比較するのが「比較法学
  • 三人目のように実際の条文やそれを適用した裁判例について検討するのは「実定法学
  • 四人目はさしずめ「法哲学

といったとこでしょうか。

多様な切り口で法に関わる様々な現象を理解しようとする、それが法学です。

 

法学部生はいつもなにを勉強しているのか

したがって、法学部生もいろんな勉強をしているわけですが、中でも特に「実定法学」が、多くの学生にとっては学習の主となっています。国家試験の科目となるのもこれですし、世間の法学部のイメージにも近いんじゃないでしょうか。

ですからたいていの法学部生は日々、条文の中のよくわかんない文言について、教科書や裁判例を参考にしながらどんな解釈が妥当かについて、ネチネチ考えています

要するに、こんなイメージです。

廊下を走ってもよい『緊急のとき』ってどんな場合だろう?

災害のときはまぁ含まれるだろうな。じゃあ、トイレが間に合わなそうなときはどうだろう? 次の授業に遅れそうなときは? 鬼ごっこで捕まりそうなときはさすがに入らないよな…

学生 スキップ 画像

こんな風に、「緊急のとき」という曖昧な文言につき「安全性」や「風紀維持」、「急ぐ必要性の大きさ」といったいろんな利益を天秤にかけながら検討する、そんな感じです。ちなみに、弁護士のバッジには、天秤が描かれていますよね。

弁護士バッジ イラスト

あ、ですから、間違っても私たちは、条文や判例の暗記にいそしんでるわけじゃありません!

プロの弁護士や裁判官ももちろんそう。どんな厳しい生徒指導担当の先生だって、さすがに校則を暗誦できるわけじゃないのと同じです。

暗記するのではなく、校則の文言や過去の処分例について自分の頭で地道な検討を積み重ねることが大事なんです。そうすることで、たとえあなたが生徒指導の先生になり新たな問題に直面した時でも、多くの教員・生徒が納得できる妥当な解決を導けるのです。

次ページ:で、結局法学は何が楽しいの? 

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ABOUTこの記事をかいた人

東京大学法学部4年

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