社員証をおでこに貼って歩けば女が寄ってくる、とも言われるあの会社・・・
そう、大手総合商社の一角である○○商社!!(大人の都合で社名は伏せさせていただきました)
今日はそんな高給取りサクセスライフの象徴である、あの○○商社を辞めたいなんて言い出す東大OBがいるとの噂を聞き、さっそくアポを取って来ました。
いったいどんな贅沢な悩みを抱えているんだろう??もし、しょーもない理由だったらお叱りしちゃいますよ!!ってな具合で取材陣一同、どんな話を聞けるのかワクワクしてこの日を迎えました。
・・・
本郷周辺の居酒屋にて待ち合わせ。
10分ほど遅れ、颯爽と現れたのは・・・
爽やかな雰囲気のHさん。いかにも仕事ができそうな感じです。笑顔もステキです!(事情によりお顔にはスマイルを乗せさせていただいております)
「いやー会議が長引いちゃってさー。ゴメンゴメン」
出た!仕事できそうなセリフ!出た!!
もっと、「お母さん仕事やめたいよ~!!ビエェ~ン」と泣き顔でやってくるのかと思いきや、仕事なんてそつなくこなしちゃいそうなオーラ溢れるHさん。取材陣一同、肩透かしを食らってしまいました。
さっそく、色々聞いていきますからね!!
「管理系の部署にいます。営業部が出した数字をエクセルとかでいじる感じですね。全然大したことはやっていませんよ。先月は残業30時間くらいで済んじゃったし(笑)」
なんと余裕のある雰囲気…仕事の辛さなんて微塵も感じさせませんね。
なぜ○○商社に入社したんですか?
「特に理由はないです。偶然早めに内定もらったのでここに決めました」
・・・ということは、商社へのこだわりとかも特になかったんですか!?
「そうですねぇ。就活とか見下してて特に興味なかったんで。ご飯が食べられればどこでもいいやって感じでしたから」
え、そんなんで○○商社の内定ってもらえちゃうものなんですか!?(笑)
ちなみに、ご自身が就活していた時の志望動機とか聞いてもいいですか?
「え、志望動機なんてないですよ。ただ、入れさせてくださいって(笑)」
・・・この人、どこまで本気なのか怪しくなってきたぞ。
我々が不安になってくるほどの飄々とした受け答えに、とうとう取材陣の一人が核心を突く質問を切り出す・・・!
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「本気ですよ。かれこれ半年くらいは辞めようかな~って思ってます」
どうやら辞めたいというのは本当らしいです。
でも、なんで辞めたいとか言い出すんですか!?
「え、給料少ないから」
取材陣「・・・・!!!!!!」
○○商社というと高給取りの代表のような会社だと思うんですが・・・どういうことなんですか!?
「最初の数か月は意外ともらえるなぁって思ってましたよ。でもそれもすぐ慣れてきてしまって。このままここで40年働いて、例えば僕が部長職になったとしても、年収2~3000万しかもらえないんだよ?それって少なくないですか」
ちょ、ちょっとまだよく分からないです。それだけお給料もらえたら十分じゃないですか!!もしかして、そんなにお金のかかる趣味でもあるんですか!?
「趣味とかは特にないんですよね。写真を撮るのは好きかな。あとは散歩とか」
全然お金使わなそうじゃないですか!!なんでそんなにお金欲しいんですか!!
「例えば今、お金あげるよって言われて嫌な人いないでしょ?そういうことだよ」
うーむ!?もうちょっと詳しくお願いします・・・
「僕は、もらっているお金の額がその人の価値を決めると思ってるんです。少なくとも仕事においては。だったらたくさんもらったほうがいいに決まってるじゃないですか」
なるほど・・・なんとなく分かってきたような気がします。
「例えば、年収2000万もらえたとして、あなたがした仕事の価値はたった2000万円しかないってことですよ?あなたの365日の労働を、たった2000万円で買えちゃうってことです。それって安くないですか?」
たった2000万って(笑)2000万もらえれば御の字ですよ!
・・・ところでそれってもしかして、今の部署が管理系なのも関係してたりするんですかね??
「ああ、それはあるかもしれないですね。あまりにも大きな規模の会社で、大きな額を扱い過ぎたせいで、実際に自分に必要な額と自分に支払われるべきと感じるお金の額が乖離しちゃったっていうか」
年収2000万でも満足できないっていうのは、一種の職業病みたいなものなんですね。
それにしても見た感じ、全然お金に執着しなさそうな雰囲気に見えるんですが・・・
「いや、金ですよ。金、金、金(笑)」
辞めたい理由はお金だけですか??他にもあったら存分に吐き出してください!!
「そうですね。未来が見えてしまっているのは嫌ですね。このままここで働いてたら、40年後、自分が部長職についてたった2000万の年収で働いている未来が見えてしまっている。それって僕の欲しい未来じゃないんです。ってことは、逆算した今も、欲しいものではないんです。」
未来が全て見えてしまうというのは、未来が全く見えないということ以上に絶望なのかもしれませんね。
「あと、すごいのは僕じゃなくて、会社なんです。看板で仕事してる感じがイヤですね。それに会社の従業員数が多すぎて僕一人じゃどうにもならないじゃないですか。転職するなら、今のところより人の少ない会社に移りたいですね。」
なるほど・・・まあほとんどの会社が今のとこよりは小さいと思いますけど!(笑)
「あとは、エクセルで数字いじってばっかで、仕事が役に立っている実感が全くないんですよ。商社なんだから、僕は営業に行きたかった。スーツケース1つで世界に羽ばたいていくあの『不毛地帯』のイメージですよ。でも実際は管理系の部署で、エクセルいじってるだけですよ。仕事が全く好きになれませんね。正直言って、エクセルの数字が一円違うとかどうでもいいですし(笑)」
なるほど…モヤモヤした気持ちでお仕事されている様子は非常に伝わってきます。
で、でも○○商社って会社名だけでモテたりするんじゃないんですか!?
「いやいや。モテる奴はモテるし、モテない奴はモテないよ。要は掛け算じゃないですか。」
なるほど・・・東大にも通ずるところがありますね。東大に入ればモテると思っていた筆者には、実に耳が痛いお話です。
『○○商社に入ってモテたるで!!』と思っている皆さんにも、悲しいお知らせだったかもしれません。
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じゃあ最後にちょっと意地悪な質問しちゃいます!
これだけ辞める理由がそろってまだ辞めないなんて…
もしかしてあなた、○○商社というブランドを手放したくないだけなんじゃないですか??
「それはないです。○○商社とかつぶれちゃえばいいと思ってますし(笑)別に商社とか必要ないですもん」
いわゆる「商社不要論」ってやつですね!じゃあもうとっとと辞めて、自分の好きなことやりましょうよ!!
「それなんですよ(笑)でもやめてそのあとどうするかのメドが全く立ってないんです。まあ、なんだかんだで現状に不満がないのかもしれない」
要するにチキッてるんですね!!早く辞めるべきです!!
「そういうわけにもいかないんですよ。例えば東大辞めたいなってなったとき、あなたはすぐ辞められますか?そういうことです」
取材陣一同「ギクリ」
じゃ、じゃあご自分で何かやりたいこととかもないんですか??
「今はそれに向かう道筋が全く見えていないけれども、実はあります。ここでは深く触れないけど、『自分が世の中で見てみたい変化』というのはあります。そのために具体的にどうすればいいのかは、まだわかりません。でも少なくともそれは、○○商社では達成できないでしょうね」
だったらもう、早く辞めちゃいましょう!!!辞めて世の中を変えましょう!!!
いつ辞めるんですか!?!?
「今でしょ」(注:本当に言っていただきました。)
無理やり言わせた感が若干ありましたが、ちゃんと辞めるという意思の確認もできたことですので、Hさんの今後に期待しましょう。
Hさんが○○商社を辞めた暁には、再び心境をインタビューさせて頂きたいと思います!
○○商社というブランドを捨て、Hさんは果たしてどう変化していくのか・・・?
後編に続く!!(・・・はず)