東大中退した若き経営者が達した、悟りの境地とは。「生きるのは簡単なのに何で皆不安そうなの?」

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「東大中退」

せっかく入ったのに、普通はまず考えない選択肢。そしてだからこそ、逆に憧れてしまう肩書き。だってホリエモンも野田秀樹も中退だし。

今回UmeeTが突撃したのは、東大を中退して英語塾の経営をしている株式会社デルクイの遠藤さんです。

東大を中退した結果、何故か「生きることになんて意味はない」という、ある意味悟りの境地に達してしまったよう・・・。

 

デルクイという社名通り、まさに「出る杭」なルートを辿っている遠藤さん。

一体なんで中退したのか。そしてその先に見えた解脱への道(?)とは。世の中の「あたりまえ」に疑問を投げかけ続ける、その生き様をお見せしましょう。

☞学生証
  1. お名前:遠藤謙太さん
  2. 所属:株式会社デルクイ 社長
  3. 学歴:東京大学中退

 

なんであなたが(最終学歴)高卒に?

ーこの質問から入るのはどうかと思うんですが、どうしても気になるので聞いちゃいます。どうして中退しちゃったんですか?

んー、強い理由があるわけじゃなくて、単純に、起業したりで大学と両立できないと思ったからですかね。

ーえっ、いやそんな感じで中退できなくないですか!?

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いや正直いつ中退したのかもよくわかっていないんです、たぶん2年前ですかね。中退していなければ、今は院の2年生の学年かな。

東大っていう肩書きは全然重視してなくて。在学中も全然東大に寄り付かなかったし。

ー(僕と2歳しか違わないのに経営者なのか・・・)大学にあんまり行ってなかったんですか・・・?

入った時に、東大生って期待してたほど大したことないってがっかりして。人間やっぱり空気に染まっちゃうものだから、染まりたくなくて距離を取ってましたね。

ー東大にがっかりしちゃったのか・・・どこならよかったんだ・・・

まぁなので、中退ってそんなに僕にとっては深刻じゃなかったんですよね。

起業の理由は、「降ってきたから」

ーそれで中退して、今も続く「株式会社デルクイ」を始めたと。

はい。主に英語教育事業をやっています。

具体的には野球や演劇を学ぶために海外の大学に行きたいけど、英語ができなくて困っている高校生を対象にした塾ですね。規模は50人ほどですがわざわざ鹿児島から通っている子もいます。

ー鹿児島から東京に通う人もいるんですか!? すごい! 

第二言語習得には、情報をインプットして、それを自分の中の知識と統合して…みたいなある一定の、あるべきフローがあるんです。でも理論はあってもまだ世の教育現場で実践に落とし込まれていない

それをやり始めているのがウチの塾です。

ー東大ブランドを重視していなかったとはいえ、中退の覚悟までして始めた英語塾。やっぱり遠藤さんは、教育に強い問題意識があったんですか?

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あ、そんなアツい感じじゃないです(苦笑)

もちろん東大生なら誰しも教育に対する課題意識はあるんじゃないかと思うんですが、この事業はやろうと思ったんじゃなくて、たまたま、期せずして降ってきたって感じです。

ーえ、降ってきたっていうのは?

中退する直前くらいに、食べていくために何かしようと思っていた時に、第二言語習得のプロに出会ったんです。

第二言語習得の研究をされている方とお会いして、とてもロジカルに第二言語習得の方法について話をされたんです。でも研究自体はまだいわば実験段階。

その方法を実践できるように落とし込んでみようと思って試しに塾を開いてみたら、確実にみんな成績が上がっていったんで、これはおもしろいなと。

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常人離れした遠藤さんの考えに苦悶する取材陣

ーでも普通、その言語習得のプロに出会ったからって、経営をやってみようって思えないですよね…?? なんでそんな風に思えたんですか?

そうですね、その話をするにはちょっと遡って話さなければならないんですが、いいですか?

お金は稼げるものだと知った原体験

中学時代のことなんですが…

ー結構遡りましたね笑

当時ブログをやっていたんです。そこで、ちょっと言いにくいんですが、2ちゃんねるのアダルト画像まとめサイトみたいなものをやっていたんです。

当時そういうものがあまりなくて、ためしにまとめてみたら結構なアクセス数があってアフィリエイトオファーが来たんですね。出会い系とかそういうサイトから、広告を載せませんかって。
それで一件いくらっていうお金が入るわけじゃないですか。

それでそこそこ稼いでいたんです。そういうお金の稼ぎ方もあるんだなあと

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中学生の時点でお金は稼げるってことを知っていたんですね…すごいです…

生きるのに必要なお金を稼ぐのは、そんなに難しくないんじゃないかって思いましたね。まあでもアダルトサイトは健全ではないと幼心に思い、サイトは売却しました。それが中3です。

独学で東大へ入った高校時代

それからは、「そういえば小学校の卒業アルバムで、東大合格するとか宣言しちゃったな」と思い出して…

ー宣言しちゃったんですか??

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はい。だけど、教師達のいう通りに勉強したところで合格しそうになかったんで、中3から高1にかけては勉強法の勉強をしました。

ー勉強法の勉強!?

結局大事なのは「計画」と「実行力」だったと気づいたんですが、東大の攻略本なんて世の中に腐るほどあるので「計画」の方はなんとかなるだろうと。それからは「実行力」を研究するために図書館にこもって自己啓発書やプロジェクトマネジメントについてなど、「実行」に係るものを読みまくりました。

ーどうやったらそういう発想になるんだ・・・

セルフマネジメントができるようになったので、そこからガーっと勉強して、1年間で合格者平均点に到達しました。

点数が落ちないように英語や理科はダラダラと勉強し続けましたが、暇だったのでそれからはプログラミングを勉強しましたね。バイト禁止だったので、無料でですがiPhoneのアプリの外注受けたりしてました。

高校でプログラミング開発受注まで・・・怖いよ・・・

そりゃこんな経験してきたら、降ってきた英語教育のチャンスを気軽に掴んで起業しちゃえる・・・か・・・?

生きることに意味なんてない

でも別に全部、楽しくてやってたわけではないんですよ。ずっとそんな感じなんです。特に楽しくもなく、目的意識もなく

ーじゃあ今のお仕事は楽しくないんですか?

楽しくはないですね。流れのままって感じです。ある種、中二病的なところはあります。他人と違うことをやっていう自分がかっこいい、みたいな動機はありますね。

ーえーーなんか達観しすぎてません!? 逆に何が楽しいんですか?

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うーん、なんていうか、世の中は勝手に、いいか悪いかはともかく、あるべき方向に進むものだと思ってるんです。

たとえばiPhoneってあるじゃないですか。あれはスティーブジョブズがいたからできたんでしょうけど、
スティーブジョブズがいなくたって遅かれ早かれ誰か他の人が作っていたと思いませんか?

そうやって考えちゃうと自分が何かをやる意味って一切見出せなくて。

だからスマホアプリを作っている時も、いつか、インドかどこかの頭いいやつが同じものをつくるんじゃないかっておもっちゃうんですね。

ーまぁそう言われるとそうですけど……

東大受験のために勉強してる中で、やっぱり日本の教育に対する問題意識はあって、自分でなんとかしたいと思ったこともあるんです。ただ、ぼくがやらなくても誰かがやるだろうな。って思っちゃいまして。たぶんぼくより熱量のある人いるじゃないですか。

ただ、今回その英語教育が目の前に降ってきちゃって、これは僕がやるべきなんだなと思ったんです。こんな言葉は使いたくないですが「天命」みたいなもんですよね。

今では、その再現性の出てきた英語教育の指導法・方法論を、どう世の中に還元していくのか試行錯誤しています。

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ー僕としては、人生に意味がないんだったら楽しんだもん勝ちなんじゃないかなって思うんですが、、

とてもいい考えだと思います。
ただ僕は意味なんてないから流れのままに、って感じなので。楽しむも何も自分にはないんですよね。

たまたま降ってきちゃって、英語教育をやってるけど、別に英語教育である必要もないし、自分である必要もない。

自分でやるよりいい手段が現れちゃったら辞めるし、次の何かが降ってきたらそれをやればいいし、降ってこなかったら何もやらないだろうし。

生きるのは簡単なのに、なんで皆不安そうにしてるのか分からない

ーでも何もやらなかったら死んじゃいません?

もちろん、生きていくために何かはやります。でも日本に生まれた以上食いっぱぐれることなんてないじゃないですか。僕にはそこがあまり理解できないんですよ。

別に生きるためだけならコンビニバイトでもいいと思っているんです。生きていくのには困らないじゃないですか。

生きていくのには困らない以上、みんながなんで色々長期的に考えて不安になってるのかが僕には理解できないんです。

ーなんだか遠藤さんが、東大にしがみつかずに「軽く」中退できちゃった理由がようやく分かってきた気がします。

普通、いざ就活となると「自分のお金で稼がなきゃ!」って考えちゃって「立派ないい会社に入らなきゃ!」と思っちゃいますよ。「せっかく東大に入ったんだし。」って

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でも遠藤さんはお金の稼ぎ方を昔から知っているし、お金があったって大した意味もないって知っている。やっぱりなんか解脱してますね笑

モノへの執着は積極的になくすようにしていて、一度、休学して働いていた時、それなりにお給料をもらっていたので、お金への執着をなくすために千代田区のタワーマンションに住んで、貯金を全部使い果たそうとしたりしました笑

そこまでいくと何に使おうか逆に困って、だんだん執着は無くなりますよ

ー学生なのにタワーマンション!!無駄遣いのレベルが違う!!笑

遠藤さんのお話を聞いていると、なんだか以前取材させていただいた松本紹圭さんというお坊さんの「本来私たちは何者でもない」っていう考え方に近い気がしてきます

「東大生は悟りから遠い人が多いですね」MBA僧侶・松本紹圭氏が語る!

あーその考え方はすごく共感しますね。

ー松本さん曰く、東大生はニンジンをぶら下げられた馬のように走り続けるのは上手だけれど、何者かにならなくてはならないという脅迫観念が強すぎて今を楽しめていないと

それはいい例えですね。ただ僕としては目的を持って走り続けられる人はかっこいいと思ってるんですよ、真剣に。
けど自分には無理だったんです。人生なんて意味も目的もないものだし、なんで走り続けられるんだみんなって思っちゃうんですよね

自分の頭で考えなければいけないと悟った大学時代

僕も実は、最初から諦めていた訳じゃなくて。

大学に入ってすぐは官僚になろうと思っていた時期があったんです。でもエリートコースを歩むことに真剣になれなかった。

どうなるかわからない将来のためにそんなに一生懸命走れるんだ、ニンジンがあるなら走ってないで手で取っちゃえばいいじゃんって思っちゃうんですね笑
それでエリートと肩を並べて走ることは諦めて、ビジネスの世界に帰ろうと思って。

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ーその年でビジネスに帰ろうっていうのがすごいですけどね。今更ですけど。

で、休学して、大手のシンクタンクで派遣社員をやって、その後、ベンチャーで正社員として働いてみたんです。

ーそれはどういうモチベーションからだったんですか?

一応、先人には習わなければならないと思っているので、世の中の人は正しいと仮定して、一回は大手企業で働いてみようとか、ベンチャーで死ぬほど働いて、経験を積もうとか、試しにやってみたんです。

けどやっぱりダメだったんですよ。

「俺がこうしたからこうしろ」って類のアドバイスがあるじゃないですか。それってこの、過去無かったスピードで変化している時代には全くそぐわない。

先人から学ぶ必要はあるけれどただ真似る必要はないなと思って。そこからギアが変わって、自分で情報をインプットして自分の頭で考えようと思い始めたんです。

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ー一回ちゃんと試してみるところも凄いし、その上で却下して自分の道を行っちゃうところも凄いな・・・

「あたりまえ」に縛られなければ辛くなんてない

ーでも遠藤さんみたいに、「世間の当たり前」に沿わずに生きていくのって、強くないとできないと思うんですよ

そうですね。特に東大の中では、こういう考えの人は少ないので、居づらさはありましたね。

あと、そもそもコミュニティに「所属」したり「帰属」したりと縛られるのが生理的に無理だったので、クラコンみたいな他愛もない集まり以外は避けていました

ー「当たり前」から離れて生きていると孤独に思うこととか辛いこととかってありませんでしたか?

ありましたね、最初の頃は特に。両親には「学校いってない」とか言えないですよね。両親くらいならまだ理解はありますけど、おじいちゃんにはもっと言えないですよね笑

ーわかりますー泣 僕のとこにもおじいちゃんから手紙来るんです「頑張ってるか?いい企業入れるのか?」って泣

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おじいちゃん子な編集長

最初の頃はそういう辛さはありました。でもそれってただ外面を気にしているから辛くなるんですよね。

サークルには入ってなければいけない、とか、彼女がいなくてはだめ、とか、絶対そんなことはないんですけど、
そういう暗黙的な「あたりまえ」に縛られているから辛くなるんですよね。

別にやりたいことがあればやればいいし、やめたきゃやめればいいし、日本にいれば食いっぱぐれることなんてないし。そう考えられるようになってからは孤独でもいいじゃんって思えるようになりました。

好きに生きればいい。けれど…

ー最後に、何か東大生に一言あればいただけますか?

好きに生きればいいんじゃないかって思いますけど、強いて言うなら、みなさん何かにとらわれていませんか?っていうところは考えてみてもいいんじゃないかな。

みなさん東大生であることに縛られすぎなんですよね。自分の好きにすればいいじゃんって思うんですよ。頭いいんだから自分の頭で考えろよって。

でももし自分の頭で考えるのに疲れるんだったら、全力で東大生らしく人生を満喫すればいいと思います。それもいいと思います。これは本当に。

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帰り道の東京駅にて

僕が会社名をデルクイにしたのは、ある種言い訳みたいなものなんです。自分は社会不適合者だという自覚もあるし、いろんな人に迷惑をかけてきたけど
「出る杭」だっていうのはわかってるんで、ちゃんとできませんよ、ごめんなさいっていう言い訳ですね。

ただ僕みたいな人も一定数必要だと思うんですよ。ニンジンを全力で追いかけられる人も必要。無理して自分を変えようとしなくてもいいんじゃないかと思うんです。今はありがたいことに、生きていく手段は腐るほどあるんですから。

だから結局は、自分の思った通りに、好きなように生きればいいんじゃないですかね。


 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

吉谷健太

農学部国際開発農学3年次を休学中。 三ヶ月のカンボジアでのインターンの後、世界各地を放浪。 インドで瞑想修行に行くもサボって部屋で寝て怒られる。

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