【UmeeT Dishes vol.2】駒場のカレー屋さんLUCYの脱力系店長にインタビュー

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駒場東大前駅を西口から出て、マクドナルドや駒鉄が並ぶ通り沿いに、他の店とは少し趣の異なるお洒落なお店があるのをご存知でしょうか。

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その名もLUCY。カレー屋さんです。

UmeeTDishes第二回、今回はそんな、お馴染みのようで実は少し謎めいたこのお店の取材です。いい意味で脱力した店長さんとのゆるいインタビューをお楽しみください。(以下、「編」は編集部の発言、「店」は店長さんの発言です。)

 

店長登場

6月某日夕方。LUCYにて。

編「今日はよろしくお願いしますー。すみませんもう一人来るはずの者が少し遅れていますので少々お待ちください…」

散髪のため遅刻していた筒井さん(駒場を知り尽くしている男。詳しくはUT-Lifeさんのこちらの記事を参照)を待っている間に、名刺をお渡しします。

席に座ってぐるっと店内を見渡すと、店内のところどころに置かれたものや照明の感じなど、改めて落ち着く店です。

店内の様子

店内の様子

ほどなくして散髪後の筒井さん到着。とりあえず二人でカレーをいただくことに。

編「じゃあ二人ともこれでお願いします」

キーマカレー

キーマカレー

頼んだのはキーマカレー。これ、すっごく美味しいんですけど頼んだことがないという方も多いんじゃないでしょうか。キーマカレーって普段食べないからなあという方も是非一度頼んでみてください。筆者もここのキーマカレーを食べてその美味しさに目覚めました。

美味しくカレーをいただき、いよいよインタビューへ。

編「それではそろそろインタビューに移らせていただいてもよろしいでしょうか」

店「あ、はーい」

と店奥からついに店長さん登場。

店「あ、えっと僕が店長の田中といいます。よろしくお願いします。」

店長の田中さん。静かで落ち着いた印象の方です。

どうしてこの場所にカレー屋さんが出来たのか

編「それではまずこのお店の来歴をざっくり教えていただいてもいいですか。」

店「あーはい。えっと一番昔まで遡ると、LUCYという名前のカレー屋さんがこの場所に出来たのは2000年だったと聞いていますね。」

編「……聞いています、というとその頃は田中さんはまだいらっしゃらなかったんですか?」

店「そうですね。僕は五代目の店長なんです。今の社長がここにお店を開く前もここはカレー屋さんだったみたいですけど、今のLUCYというお店は2000年からですね。」

編「…社長さん、というと…?」

店「あ、そもそもうちは一応有限会社で、他にも渋谷と青山に一店舗ずつバーを持っているんですよ。その会社が2000年に新しくここでカレー屋さんを始めたんです。僕は9年前から働いていて、店長になってからは3年目になりますね。」

VESPER

バーのショップカード

編「そうだったんですね…どうしてこの場所でカレー屋さんを始めることになったのでしょうか」

店「あーそれはまあ居抜きですね。このビルのオーナーさんとうちの社長が知り合いで、一階が空いたから何か入らないかということになったんです。で、その前のテナントの頃からここはカレー屋さんだったらしく、そのままカレー屋をやろうということになったんですね。今でもたまに常連さんで、前のカレー屋さんのことを知っている方もいますよ。」

ふむふむ、だんだんと謎が解けてきました。

どうしてLUCYなのか

ここで、筒井さんとカレーを食べながら話していた、LUCYという名前の由来を聞くことに。

ちなみに僕は”Lucy In The Sky With The Diamonds”など、曲名やアルバム名説。

 

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』

筒井さんは女優の名前説。じゃあ俺チャーリーズエンジェルのLucy Liuにするわ、とのこと。

Lucy Liu

真相はどうなのでしょうか早速聞いてみます。

編「あの、このLUCYというお名前なんですけど、由来は何なんでしょうか」

店「あ、これはですね、さっき言ったようにうちはもともとバーをやっている会社で、そのバーの店名が”Vesper”というんです。「宵の明星」という意味です。それでここにカレー屋さんを開くことになったときに、バーは日没後に営業するお店だから「宵の明星」にしたけど、カレー屋さんはお昼に営業するから「明けの明星」、つまり”Lucifer”にしようと。でもそのままだとちょっと怖い感じがするから少し語尾を変えて”LUCY”、とそういうことらしいですね。」

Lucifer

おお…お洒落…。ビートルズもLucy Liuも完敗です。

編「僕らなりに予想してたんですけどそれよりずっとかっこよかったです。」

店「あーまあうちの社長もともとバーテンダーだったのでそういうちょっと気障なことが好きなんですよ(笑)」

東大との関係は…?

さて、ここはやはり東大のメディアですから、東大生とのエピソードについて掘っていきます。

編「今どういったお客さんが多いんですか。やっぱり東大生も多いんですか。」

店「うーんでもぱっと見では東大生かどうかは分からないですよ。東大生以外も含めて、学生は全体の6~7割くらいですかね。意外と土日とかは学生以外のお客さんも多いですよ。」

編「あ、そうなんですね…なるほど…。(そうだ、夜の話を聞けば何か掘り出せるかも)ここは夜になるとバーもやられていますよね。バーに来る学生っていたりするんでしょうか。」

店奥に並ぶ酒瓶

店奥に並ぶ酒瓶

店「学生はちょっといないですね。すぐ近くに駒場アゴラ劇場があるじゃないですか。バーのお客さんはあの劇場関係の方が多いですね。」

編「(やはり何も掘り出せなかった…)そういえば昔店内にギターが置いてありましたよね。あれは夜になるとどなたかが弾いたりするんですか」

店「あーあれはお客さんのやつですね。あれ、そういえばもうないですね。多分回収されたんじゃないですかね。」

編「あ、そうなんですか。なんか夜はオーナーさんがギター弾いて歌ったりして、ちょっと一見さんは入りにくいみたいなディープな雰囲気になるのかなって勝手に思ってたんですけど違うんですね。」

店「そうですね、そういうのは特にないですね。」

編「(よし、聞き方を変えてみよう…)えっと、お昼の話に戻ってしまうんですけど、印象に残る東大生の客とか、よく見るなあという顔とかあったりしますか。」

店「あーでも学生って結構団体で来るので、そうなるとちょっと分かんないですね」

編「そ、そうですか…。LUCYさんって結構量が多くて学生にはとてもありがたいんですけれど、やっぱりこれは学生を意識しているところがあったりするんですか。」

店「あーどうなんですかね。まあ昔からレシピは変わってないですからね、レシピ作ったのも僕じゃないですしね。」

編「あーじゃあ駒場にはあるけれど、特に学生を意識している訳ではないんですね」

店「そうですね、まあさっきも言ったようにたまたまですね。」

編「…ちなみに駒場に対する思い入れみたいなものはありますか。」

店「あー結構不便ですよねここ(笑)、買い物とか。でも十年くらいいるから多少愛着みたいなものはありますね。」

編「駒場の他のお店に行ったりはするんですか。」

店「菱田屋に行きました。とても美味しかったです。ただいつも並んでいて、僕並びたくないのであんまり行けてないですね。」

編「…どういう学生とか、どういうお客さんに来て欲しいなみたいなものはありますか。」

店「うーん、そういうのは特にないですね。」

………………

東大生や駒場については特に何も掘り出せませんでした!!!!!!!!!!!

水没事件

3年生以上の方だと、2014年6月の豪雨を覚えている方も多いのではないでしょうか。ほんの数十分でしたがその雨量はすさまじく、駒場一帯が被害を受けました。(当時の詳しい様子はこちら(【画像集】京王井の頭線 駒場東大前駅がゲリラ豪雨で水没 洪水 海パンではしゃぐ人も 6月29日))

特にLUCYさんでは浸水被害がひどく、豪雨から一カ月以上の間休業を余儀なくされたそうです。ここからはそのときのお話を伺います。

編「あの、さしつかえなければ水没事件についてお話を伺ってもいいですか」

店「あ、構わないですよ。実はちょうど昨日で2年だったんです、あれから。」

編「そうなんですか。正確に日付まで覚えているんですね。」

店「うーんそうですね。多分忘れないと思いますねあれは。

そもそもうちはあの豪雨の前から、ちょっとした浸水くらいはあって。だからあの日も最初はそんなに焦ってなかったんです。お客さんも普通にいたんですけど、まあこの雨じゃ外出てもずぶ濡れだからってことで皆さん店内に留まっていたんですね。

でもどんどん水が入ってきて、あっという間に膝下くらいまで水位が上がってしまった。それでこれはまずいだろうということになり、お客さんを連れて裏口から店の外に出たんです。表のドアはもう開かなくなっていましたから。裏口から出るのも大変で、キッチンを通ろうとしても冷蔵庫が浮かんでしまって通れないんですよ。それでカウンターをまたいで出てもらいましたね。

外に出た頃には雨自体は大分弱まってきていました。それでとりあえず水を全部出そうということになって、地道にバケツで出しましたね。ポンプ車が前を通りがかったりしたんですけど、気付いてもらえなかったのかうちの水は出してもらえなくて。結局排水と人力でその日のうちにすべて水はなくなりました。」

編「大変でしたね…。そのときはどういうお気持ちだったのですか。」

店「うーん、これ本当に再開出来るのかなあとは思ってましたね。次の日に社長が来て内装会社とか諸々の手配を始めていったので、そのときにああ再開するんだなあと思いました。

結局営業再開できたのは8月の半ばくらいでしたね。保険に入っていたのもあって経済的には何とか対応出来たようです。ただ奇しくも夏休みの半分くらいの期間営業できなかった訳ですし、営業再開してもしばらくはお客さんの数も元通りにならなかったですね。しばらくするとだんだん元に戻ってきたので良かったですけど。」

編「現在は入口のところが少し高くなっていたり、前よりも雨対策が強化されてますね。」

入口付近の様子

店「そうですね。でもなんかそれによって足の悪いお客さんとかは入りづらくなっちゃっただろうし、申し訳なくも思っています。何か別の方法もあったかもしれないのに。」

ちょっとした発言の裏に、普段のお客さんへの感謝や思いがあふれていました。

おすすめメニュー

編「この記事を読んで、LUCYって実は行ったことないから行ってみようかなと思う東大生も多分いると思うんですね。そういう学生に向けて、おすすめメニューを教えていただけますか!」

店「うーん…僕ははじめてのお店でも自分が一番気になったものを食べるので、一番気になったものを食べればいいんじゃないかと思うんですけど…、まあそうはいかない人がいると思うのであえて言うとすれば…やっぱりチキンカレー野菜カレーはうちで一番注文が多い二つなんで、そのあたりですかね。」

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チキンカレー

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野菜カレー

編「やっぱりその二つは王道なんですね。トッピングのおすすめとかはありますか!LUCYさんはトッピングが多いのも魅力の一つだと思うんですけど、多いがゆえに悩んじゃうんですよねどれをトッピングすればいいのか。」

店「僕はチーズ推しですね。僕が個人的にチーズが好きなだけですけどね。」

編「あ、そうなんですね(笑) たしかに僕らの中でもチーズをトッピングする人が一番多いですね。」

という訳ではじめてLUCYに行く方がいたらチキンカレーor野菜カレーにチーズのトッピングを頼んでみましょう!

編「カレーに対するこだわりみたいなものはありますか。」

店「うーんまあレシピ作ったの僕じゃないんで…(笑) あーでもうち割とルーがしっかりしてるんですよ。だから強いて言えば『カレーは食べ物です』と言いたいですね。飲み物だと思って欲しくないなということです。だからご飯も割と固めに炊いてますね。」

編「ふむふむ。たしかにLUCYさんのカレーはいつもお腹いっぱいになるから大好きです。本日はどうもありがとうございました!」

最後までいい意味で肩の力の抜けた、でも言葉の端々にお店やお客さんやカレーへの愛情を感じる店長さんでした。特に1,2年生の皆さん、まだLUCYに行ったことがなかったら是非行ってみましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

murata

文学部美学芸術学3年。ポップカルチャー全般。

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